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アニスと不機嫌な魔法使い/花房牧生 [ホビージャパン]


アニスと不機嫌な魔法使い (HJ文庫 は 2-1-1)

アニスと不機嫌な魔法使い (HJ文庫 は 2-1-1)

  • 作者: 花房 牧生
  • 出版社/メーカー: ホビージャパン
  • 発売日: 2008/07/01
  • メディア: 文庫



元気でめげない少女アニスとツンデレ魔導士シドが織り成すハートフル・ファンタジー(帯より)
って、シドはツンデレではない気がするのですが。

世界有数の力を持つ魔導士・シドに預けられたアニス。彼女は莫大な魔力を秘めていて、その魔力を奪おうとする魔導士・セイに狙われることに。その中で、アニスが自らの力に目覚めていく。

非常にありきたりな設定ではあったものの、丁寧でほのぼのとした日常パートが印象的な物語でした。『世界名作劇場』的な印象を受けました。主人公・アニスの妄想癖や、無鉄砲さとか。ただ、バトル部分が、シド最強のため盛り上がらない、とか、盛り上がらないから「突然魔法が使えなくなるときがある」と言った設定がどうかな、という感じがしました。なんか、最後もあっけなく終わってしまい、少し拍子抜け気味でしたし。

それとこれはこの本だけではないのですが、主人公の周りに世界最強の力を持った人がいて、主人公が最強、と言う図式はそろそろ食傷気味です。もっと、「世界の平和とか、大きな事件には絡まないけど、普通に冒険している人たちの物語」が読みたいな、と思います。簡単に言うと、『フォーチュンクエスト』みたいなやつですね。私が知らないだけでしょうけど、もう少しそんな話が欲しいと切実に思う今日この頃です。

多少気になるところもあるものの、楽しめた作品でした。全体的にほのぼのというか、のんびりというかそんな感じ。「第1回ノベルジャパン大賞奨励賞」と言うことで、こんなものかな、と言う印象。最後の締めくくりが、続編に続きそうな感じでしたが、果たしてどうなるか。物語のふくらむ余地があまりないと思うので、ここできれいに終わらせた方がいいとは思いますが。そういえば、ジークが全然活躍していなかったなぁ。
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