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『武士道セブンティーン』/誉田哲也 [文藝春秋]

いつものように、本屋さんに突貫したらおいてあったので、衝動的に購入してしまいましたw本当は、森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』とか、米澤穂信『ふたりの距離の概算』が欲しかったのですが。『ペンギン・ハイウェイ』はあったけど、再版だったし、『ふたりの距離の概算』は入荷してないしで、結局こちらだけ購入しました。文庫落ちして読んだ、『武士道シックスティーン』が凄くおもしろかったですしね。

武士道セブンティーン

武士道セブンティーン

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: 単行本

 

さて、『武士道シックスティーン』で分かれてしまったふたりですが。相変わらず、香織は自分の道を進んで、早苗が悩む、と言う構図はあまり変わらなかった感じがします。早苗は、転校して、新しい環境に身を置くことになってしまった、と言う影響がありますが。香織にしても、以前のただただ強さを求めて突き進む、と言う訳でなく、周りを見て、自分の武士道を追求する、というスタンスへと変化しているのですが。

 

タイトルにもありますが、今回のテーマもあくまでも武士道。香織の前には、武士と侍の違いとして、早苗の前には、東松と福岡南の剣道の違いとして立ちふさがります。

やはり、青春って良いな。そう感じさせてくれました。もう、読み始めたら、ページを繰る手を止められませんでした。それくらいのめり込めましたよ。壁にぶつかって、悩んで、それでも進んでいく。それこそ青春ですよねw

「(前略)そんな当てっこ剣道に、あたしたちの剣道が負けていいわきゃないだろうが』

『武士道だろうが。忘れんなよ。武士道があるから、剣道は武道なんだろうが(攻略)』(どちらも301ページ)

ここら辺の叫びが気持ちよかったですね。以前、日本と某国の剣道のスタンスの違いを聞いたことがありますが、それを思い出しました。あくまでも、精神修養を、武士道をメインにおいているのが日本の剣道なんだよなぁ、と。だからこそ、今でも剣道が残っているんだろうなぁ、と思いました。勝ちを追求するのが悪い、と言いませんが、日本人としてそこを忘れてはいけない、と感じもしました。剣道ではありませんが、いつぞや某有名選手が「勝つための」と言っていて。私はそれに違和感を感じましたことがあります。それの根底には、やはり、武道というものは精神を修めるためのもの、と言う考えがあるからだろうなぁ、と読みながら感じました。そういえば、その人は福岡出身だったなw

 

閑話休題。迷いながらも、悩みながらも、自分の今置かれた場所で、自分の武士道を追い求めることを決めたふたり。そして、いよいよ舞台は、高校最期の年、『武士道エイティーン』へと。武士道という道の右端と左端を歩み始めた香織と早苗。ふたりが武士道の中心で再びまみえるとき、一体そこに何があるのか。それが楽しみで仕方ありません。

お互いがお互いを高め合っていけるふたりって素敵だなぁ、そんなことを感じさせてくれました。本当におもしろかったです。


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赤眼の魔王

精神面として剣の真理を追究するのも、あくまでも勝ちに拘るのも、実はどちらも正解なのです。

それらは、剣という名の道程を歩む内に存在する「過程」の一つにすぎないのですから。

全巻、文庫版になったらまとめて買いたい一品です。
by 赤眼の魔王 (2010-07-12 21:06) 

takao

赤眼の魔王さん、コメントありがとうございます。

確かに、言われてみるとそうでした。
あと、自分の書き方の不足というか。
改めて、文章で感想を書くことの難しさを感じる次第です。

最後には、早苗の前に現れた新キャラも武士道に目覚めそうな気配もありましたし、『武士道エイティーン』が楽しみで仕方ないです。
私は、週末に長崎に帰るので、そのとき紀伊國屋で『武士道エイティーン』を購入しようと思っています。
本当に素晴らしいシリーズですよ!
早く文庫落ちしてほしいものですw
by takao (2010-07-16 21:35) 

kaz777

kaz777も『武士道シックスティーン』で誉田哲也にはまりました。
他の誉田作品と比べてとてつもなく清清しいですよね。
うらやましいくらいの青春です。
セブンティーンは文庫になるのを待ってます。
by kaz777 (2010-07-18 13:24) 

takao

kaz777さん、コメントありがとうございます

私は、『武士道シックスティーン』が初めての誉田作品でした。
他の作品は読んだことないですが、本当に青春の真っ最中、という感じで凄くおもしろかったですし、羨ましかったです。
自分が青春時代、彼女たちくらい悩んだり、迷ったり、突き進んだり、したのかなぁ、と。

『武士道セブンティーン』は、シックスティーンを受けて、さらに成長し続けていく二人が見られました。
早く文庫化してほしいものですw
by takao (2010-07-18 20:01) 

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