『萌神』/十文字青 [一迅社]
久しぶりの十文字青さんの作品。・・・・・・とんでもない作品でした。良い意味でw
あ、ちなみにタイトルは「もえじん」と読みます。
他人に興味をあまり示さない、自分自身の事にさえ当事者意識を持てない離人症的傾向がある主人公・吉次の事を心配した彼の友人・中佐(自称)は、儀式によって萌神を呼び出す。そして、吉次の離人症的傾向を治すために、荒療治として萌神の萌超増幅(も エクスパンダー)の力を使って、萌覚醒(も ウェイク)させる事に。
初めは他人に興味を持てなかった吉次だが、萌神の萌超増幅の力で、クラスメイトたち(3人)に心引かれ、悶々とする事に。そして、相手もそれぞれの理由から吉次に惹かれていって。
そんなある日、萌神・もえるに異変が。吉次は、もえるを助けるために、命をかける決意をする。
と、自分なりにあらすじを書いてみたのですが、未だに内容が訳が分からないwとにかく、ぶっ飛んだストーリーでした。
間違いなく、5話まではラブコメ、と言うか、ラブストーリーでした。なんか、そんなにおかしい感じではないのですが、なぜかコミカルに感じてしまった不思議w今まで他人に興味がなかった主人公が、もえるの力ありとはいえ、クラスメイト達に惹かれていって、悶々とした気持ちを抱えたままこらえる姿が楽しかったんでしょうね。もう、無理するの止めちゃいなよ、と何度思った事かw
女性陣もなかなかに破壊力抜群。個人的には、眼鏡の友岡ねりんさん一択でしたw『はるかかなたの年代記』(感想書いてない)読んでいるときも感じたのですが、どうも男口調と言うか、素っ気ない話し方をする女性キャラに惹かれる傾向があるようです、私wそれと、主人公が別のヒロイン・黒小路ちみれさん(自分の命を助けるために、けがをしてしまった主人公の責任をとるために、結婚しようとしている)と仲良くしている様子に、いらだちを感じながらも、理由が分からずに困惑する姿とか、最高でした。そして、
「わたしは君が好きだ」(P.199)
と言う告白がもうw私がもう、悶々としてしまいましたw私きもっw
ところが6話になったら急展開。いきなりファンタジー展開に。今までのラブ展開はなんだったの?と言う超展開。私はそれでもぐいぐい引き込まれましたが、逆にあっけにとられて読むのを止めてしまう人がいても仕方ないかも、と。あまりの超展開に
「と言う夢を見た」
と言うオチじゃないか、と疑ってしまいました。まぁ、幸いにして、夢オチという展開は避けられましたがwまぁ、怒濤でしたね。ここら辺は、是非とも読んで超展開を感じて欲しいです。
結末として、「もしかして、何も解決してないんじゃない?」という感じでしたが。主人公も成長したし、なんかうまくいきそうかなぁ、という感じがしました。続きを書こうと思えば書けそうですが、この物語はココで終わっておくのが大正解でしょうね。
私は、なんだかなぁwと思う展開ではありましたが、面白かったです。もう、途中からぐいぐい引き込まれてしまいましたし。作者、こんな作品も書けるんだなぁ、と思いましたし。ただ、万人にはお勧めできない作品だと思います。どの辺の層におすすめか、と言われても難しいですが。
最後に、カラーページのイラスト、本編と全然関係ないんじゃ・・・・・・wだまされたよw
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