『氷結境界のエデン 4 天上旋律』/細音啓 [富士見]
今回はこちらです。
ドラマCD化も決定し、ますます絶好調の『氷結境界のエデン』です。この巻、前作にしてデビュー作の『黄昏色の詠使い』からのファンとしては、「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!」と言う展開でした。
2巻で見つかった、浮遊島(ラグーン)。ココで見つかったのが、幽幻種の培養水槽。この浮遊島は統制庁の領域に会ったために、統制庁の関与がある、と天結宮醸造部は判断。天結宮(ソフィア)と統制庁の会合が開かれることになりました。そして、その会合に、巫女第5位のユミィが参加することに。そして、その会合へ遠征する要人護衛として、候補生から1グループ選ばれることに。なんとしてもこれに参加したいシャルティスは、モニカ、華宮(かぐら)、そして4人目のヴァイエルとともに、選考試験を受けることに。
この巻は、シャルティス、ユミィの課題の確認と、4人目の仲閒の加入、と言うところがメインだったかな?と。そこに、少しずつ謎が明かされてきた、と言うか、謎が深まってきた、という感じでした。そこに、『黄昏色の詠使い』の用語がどんどん絡んできたから、大興奮やら大混乱やら、と言う巻で。
そして、4人目の仲閒が加入。これで、仲閒は打ち止めかな?という感じがしますが。で、相変わらず、この作者の描く人物は、みんないい人過ぎるw候補生能力としては、中の下か、下の上と言われたヴァイエルですが、彼の信念がかっこよかったです。ひねくれ者だなぁwと思いますが、やるときはやる!という感じが良いですね。あと、優しいのですが、その優しさを素直に出すことができないところとかwモニカ、華宮がシャルティスと出会って変わっているように、このヴァイエルも仲閒たちから影響されて、変わっていくのか、と言うのが今後の見所かな、と感じました。
シャルティス、ユミィの課題は。シャルティスの「仲閒と一緒に戦う方法の習得」というのは何とかなりそうな気がしますが、ユミィの「今よりも強くなる」というのが、かなり困難な予感。ただ、彼女の場合は、自分の沁力の使い方を見極められていない、と言うところが大きいような気がするので(それ故に、沁力の形が「花のつぼみ」なんでしょうし)、前作のクルーエルさんの例を考えると、気づくことで一気に力が開花する可能性も高いような気もしますね。彼女の開花を促すために、ツァリ(まさかあの子だったなんて∑(゜∀゜)/)によって、1000年前、氷結境界が結ばれる前の世界を見たユミィ。そこで自分の無力を知り、強くなろう、と決意した彼女がどう変わっていくか。非常に楽しみです。もしかしたら、シャルティスとユミィがふれあうときも、そんなに遠くないのかな?と思ったり。
そして、いろいろな謎も沸いてきていますね。エリエが出会った紗砂という少女。シャルティスが持つ、イリス。ユミィが見た、1000年前の世界にも2人が居ました。と言う事は、紗砂もイリスも1000年前の人(デバイス)? イリスは元々機械なので、それはまぁ不思議ではないかも知れませんが(1000年前、「ミクヴァの機神」と呼ばれる人形兵器であったのに、と言う疑問はおいておくとして)、紗差は間違いなく人間であるはず。その紗差が1000年後の世界に現れた意味とは。
それと同時に、3巻の敵であったマハの仲閒であるイグニド。シャルティスのことを深く知っているような感じでしたが、彼は一体何者なのか。彼が所属すると思われる統制庁は一体何を考えているのか、これも気になるところです。
話的には、あまり動いていませんが、今後、怒濤の展開に向けての助走は十分、と感じました。5巻では、統制庁への遠征になると思われます。そこで何が起こるのか。後書きに書かれた「空白(わたし)」とは何者なのか。シャルティスがどう関係していくのか、非常に気になる展開であります。5巻は12月の予定のようですし、非常に楽しみです。
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