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『断罪のイクシード 牙を剥く闇の叡智(グノーシス)』/海空りく [ソフトバンク]

1巻,面白かったような,と言うくらいでないよう覚えてなかったですwで,読み始めたのですが。良い熱血で面白かったです。厨二病も良い感じです。

断罪のイクシード 2 -牙を剥く闇の叡智- (GA文庫)

断罪のイクシード 2 -牙を剥く闇の叡智- (GA文庫)

  • 作者: 海空 りく
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2011/02/15
  • メディア: 文庫

藤間大和は深夜,一人の傷ついた少女に出会う。彼女を助けようとしたところ,襲いかかられるも,つい手が出てしまい相手を倒す大和。そんな彼に飛び込んできたのは,彼女に生えた猫耳と爪だった。何か訳ありっぽい彼女を,大和は家に連れ帰り,休ませることに。
彼女を休ませたまま学校に行った大和は,自分の住む町で「けんかに強くなれるヤク」というものが流行っている,と言う話を聞く。
この二つのことを,東雲静馬に相談したところ,二つはつながっているだろう,との判断。まずは,「人狼」であろう,大和が助けた少女と会うために,彼の家に向かうのだが。

 

展開が良い熱血でした。この巻のメインテーマは,新キャラである人狼の少女・結城ニアのトラウマの克服と過去との選別,という感じでした。正直,1巻からの登場人物の大和と静馬の掘り下げは?という感じもするのですが。それ以上に,ニアの物語が良くて,大和と静馬の話は,次でも良いか,という感じでした。

魔術と科学技術の融合により実験で産み落とされた存在である人狼。その凶暴性故に殺処分されるのが常であります。しかし,ニアを見つけた護国課・本州見廻り組体調,結城篤によって命を救われることに。彼によって,「ニア」という名前を与えられ,彼の娘として育てられることになったのですが。その篤とニアの交流が非常に楽しめました。とにかく篤のキャラがバカで,でも真っ直ぐで非常に良くて。篤主役で一つ短篇書いてもいいんじゃないか?と思えるほど,個人的に彼のキャラクターが好きになりました。ニアの正義感の異様なまでの強さ。自分の信じる道を進む勇気。その辺は,彼から伝わっているんだろうなぁ,と感じました。彼はすでに亡くなってしまいましたが,それが誰かの心に残る,ってのはいい話だな,と。

そして,ニアのトラウマを越える場面がまた良かったですね。「⒉年で結論が出るわけではない。一生かけて」といっていたことに対して,割とあっさり気味に答えが出たことに対しては,若干の疑問を感じないわけではないですが。ただ,今回彼女が向き合った敵に対しては必要な答えだったと思うので,その点は納得。そして,その答えを導き出せたのは,一人の力じゃない,と言うところが非常に良かったです。

ただ,ニアの掘り下げのために割を食った形の大和と静馬ですが。この二人が挑んだ敵の能力があまりにチート過ぎてどうするのか,という感じのバトルでしたが。この辺は,ただのパワー押しではなく,駆け引きが見られてなかなか良かったのではないかなぁ,と感じました。やっぱり,バトルの醍醐味ってのは,力が強いものに対して,如何に作戦を練って戦うか,ってところにもあると思うんですよね。その辺が満たされたかな,という感じでした。ただ,今回こんなにチート過ぎる力を持った敵を出してしまったら,次巻以降の敵はどうするんだろう,と言う不安もあります。その辺は楽しみしていいのかな?

物語の方は,気になるワードを残して物語が締めくくられましたが。なるほど,タイトルの「イクシード」の存在について明示されたわけですが。果たして,その存在が素直に読んだままの結論に行き着くのか。はたまた別の存在に行き着くのか。この辺が3巻の展開に絡んで来そうで,非常に楽しみです。


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