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figma人形劇「憎しみの代償」 [figma]

あれの続きもしないといけないなぁ,と思いつつ新しいネタを次々投入,なfigma人形劇です。毎度おなじみ,ヤマなしオチ無し意味なしでお送りします。

早速,figma人形劇「憎しみの代償」どうぞ。大仰なタイトルですが,ようはいつもの感じですw

 

20XX年。日本は荒れていた。

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仮面ライダーの出現である。ある日,鏡から現れた彼らは,その戦いの場を現実世界へと移行。周りの被害にかまうことなく,いつ終わると知れない激しい戦いを繰り広げた。

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人々は,仮面ライダーを恐れた。

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仮面ライダーはバックルからカードを取り出し,それを用いることで武器や防具などを召喚した。

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この力に対して,人類はあまりに無力だった。

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あまりの力の差に,人々が諦めてしまうのはあっという間だった。

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触らぬ神にたたりなし。仮面ライダーの戦いは,あくまでも仮面ライダー同士に限られていたためである。

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彼らに手を出さなければ大丈夫。それが人々の共通認識だった。そんな中,悲劇が起こる。

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龍騎「喰らえーー!!」

律「えっ?」

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一人の少女が戦いに巻き込まれたのだった。

「運の無い少女」「可哀想だけども……」人々はそうささやいた。そして,その少女の死は,悲しい事故として人々は扱った。

…………一人の少女を除いては。

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ムギ「律ちゃん,どうしてこんなことに。律ちゃん。返事して。ねぇ!私ね。軽音部に入って,いろんなコトを知ったんだよ。勤労の喜び。仲間と同じ時間を過ごす楽しさ。同じ目標に向かってがんばる気持ちよさ。やり遂げた時の充実感。……それも,全部律ちゃんがいたから。律ちゃんが軽音部を再開しようとがんばってくれたから知ることができたんだよ。だから,私,律ちゃんに凄く感謝しているの。……普段は照れくさいけども,でも律ちゃんに伝えていないけど,伝えたい感謝の気持ちがたくさんあるの。……だから,ね?私の気持ちを聞いてくれないかな?律ちゃん……。わたし……こんなの嫌だよ……。こんなのってないよ……」

ぐすっ

………………

…………

……

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ムギ「……それじゃあ,律ちゃん。さようなら」

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ムギ「生きられなかった貴方の無念,私が張らすから」

 

そして,少女の戦いが始まったのです。

無謀な戦い。普通の人はそう思ったでしょう。しかし,彼女に宿った憎しみの炎は,ちょっとやそっとでは消えるものではありませんでした。彼女の手に握られた一丁のハンドガン。それと彼女の肉体のみが,彼女の武器。ライダーの力に比べ,あまりに小さいそれらを武器に,彼女は戦いを挑んだのでした。

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ガイ「あー。ったりいなぁ。そろそろ,ライダー一人刈っちゃおうかなあ」

ムギ「手を上げなさい」

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ガイ「ん?君誰?僕のこと,ライダーって分かってやってるの?ハハハ,笑える。そんなハンドガン一丁で僕に勝てるつもり。そのジョーク,笑えないんだけども」

ムギ「ジョークじゃ無いわ。私はマジメよ。そして,貴方はもうすぐこの地面に這いつくばって,おのれの過信を後悔しながらあの世に旅立つことになるわ」

ガイ「ハハハ,その冗談,全然面白くないよ。君,センス無いね」

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ガイ「そんなに死にたいなら,殺しちゃおうかなぁ?ちょうど退屈していたんだよね」

ムギ「ちょうどよかった。死んだら退屈を感じないわよ。よかったわね」

ガイ「ハハハ。全く持って笑えないよ。笑えないねぇ」

アドベント

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ガイ「さて,僕は優しいから,泣いて謝れば,特別に許してあげるけども。さぁ,泣けよ!謝れよ!醜く!哀れに!みすぼらしく!僕の足下に跪いて,命乞いしろよ!」

ムギ「必要ないわ。むしろ,貴方が命乞いしたら?私は助けてあげないけども」

ガイ「ふーん,まだそんな態度なんだ。じゃ,自分のバカさ加減をかみしめながら」

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ガイ「死ねよっ!!」

ガシッ

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ムギ「何それ?スローモーション?」

ミシッ

ガイ「が,莫迦な!僕の必殺の一撃を!!」

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ゴトッ

ムギ「あれが必殺の一撃?ふふふ,それこそ面白くないジョークね。センス無いわよ,貴方」

ガイ「何だ,この力!?本当に人間か!?」

ミシッ

ムギ「あら,失礼な人。私は悪魔に魂を売り渡した貴方と違って,全身隅々くまなく普通の人間よ」

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ムギ「貴方に冥土の土産に教えてあげる。必殺の一撃って言うのは,こういうのを言うのよ」

バキッ

ガイ「……ッハ!!」

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ムギ「これでとどめ」

バキューン

ガイ「そんな……このぼくが……にんげんなんかに……」

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ムギ「あっけなかったわね。でも,これで1体」

人間がライダーに勝利した歴史的瞬間でした。そして,これが少女の戦いが幕を開けた瞬間でした。

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ライア「喰らえっ!」

ムギ「そんなの喰らってやる義理は無いわ」

ライア「くそ,ちょこちょこと」

ムギ「では,私から」

ライア「くっ」

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ムギ「ムギ的ーー!!」

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ムギ「かかと落とし」

メコッ

ライア「……ッ」

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ライア「……」

ムギ「あらあら,情けない。これ,まだオードブルのつもりだったんだけどなぁ。まぁ,いいか。これで2体目」

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王蛇「俺を馬鹿にしたこと,地獄で後悔しろ」

ムギ「ワン,ツー,スリー。なんちゃって」

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ムギ「ライダー」

王蛇「なにっ?」

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ムギ「キック!」

ドンッ

王蛇「グホッ」

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ムギ「粗暴な割に,打たれ弱いのね。情けない」

こうして,次々とライダーを打ち倒していったのです。

……しかし,所詮は生身の人間。体が悲鳴を上げていたことに,彼女は気づいていませんでした。

……この瞬間までは。

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ムギ「あれ?からだにちからが……はいらな……」

バタン

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ムギは,倒れてしまいました。

彼女の命運はここでつきる,と誰もが思うことでしょう。ムギ自身,そう思っていました。そして,最後に律の敵を果たせなかったコトを後悔しながら,意識が深い闇の中に消えていこうとしたその時でした。空から謎のメカが現れました。

ムギ「貴方は?」

KOS-MOS「私の名前はKOS-MOS。あなたの思いの強さに惹かれたもの」

ムギ「私の思い?」

KOS-MOS「そう。あまりに暗いその思いの源泉はどこにあるのか?」

ムギ「それは。私は,死んだ友だちの敵を取りたい。こんなところで止まるわけにはいかない。でも,体はその役目を終えようとしている。それが悔しい!このまま,終わるわけにはいかない!」

KOS-MOS「なるほど」

ムギ「ねぇ?貴方天使?悪魔?」

KOS-MOS「私はただのロボット。そのような存在では無い」

ムギ「何でもいいや。お願い。私に復讐を完遂する力をちょうだい」

KOS-MOS「できなくはない。しかし,そのことが貴方を幸せにするとは思わない。そして,それを完遂することが,死んだ友だちとやらの願いだとも思わない」

ムギ「そんなの分かってる!でも,そうでもしないとやってられないの。私の心は引き裂かれそうになるの!」

KOS-MOS「このまま死ねば,その思いも消える」

ムギ「それはできない!」

KOS-MOS「なぜ?」

ムギ「それは,私が人間だからよ。たとえ,肉体を失っても,この思いは消えない」

KOS-MOS「非科学的」

ムギ「でも,私はそう信じてる。だから,お願い。私に力をちょうだい」

KOS-MOS「……分かった。貴方の言う思いとやら,見届けたくなった」

ムギ「ありがとう」

KOS-MOS「幸い,私はこの場に体を2つ持っている。このうちの一つを貴方にあげる。この力を使えば,この星の人間で,貴方に敵うものはいなくなるはず。でも」

ムギ「でも?」

KOS-MOS「貴方は死ぬことができなくなる。永遠に戦うこと宿命を背負うことになる。それでも良いのか?」

ムギ「復讐が果たせるのなら,それでも良いわ」

KOS-MOS「貴方の意志の強さは理解した。次に目を覚ました時には,貴方は最強の力と最低の運命を背負った存在として蘇っているだろう」

ムギ「面白いわ。その二つ,背負ってみせる……」

KOS-MOS「暫くおやすみなさい」

 

数時間後

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ムギ「これが,最強の力と最低の運命を持つ私の体。凄い。力があふれ出す。この力なら,いける!」

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シザース「何だ?お前?」

ムギ「貴方を永遠の安らぎに誘うもの,かしら?」

シザース「なにいってんだ?お前?」

ムギ「所詮かに味噌ね。頭が悪い」

シザース「なんだと!お前!」

ムギ「あら,ごめんなさい。まさか悪口が通じるほど知恵があるとは思わなかったわ」

シザース「死なす!」

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シザース「何だ?全然しまらねぇ」

ムギ「あら,それじゃ,指圧にもならないわよ?」

シザース「何だ,こいつどうなっているんだ……」

ムギ「確かに,最強の力ね,これ」

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ムギ「そして,力の使い方が分かる」

シザース「何をするつもりだ?」

ムギ「相転移砲」

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ムギ「D・TENERITAS」

シザース「ぐわあああぁぁぁぁ」

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ムギ「凄い!この力なら,ライダーを全て消し去ることも可能……」

×××「そこまでだよ」

ムギ「誰?」

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ゾルダ「君かい?最近ライダー狩りをしている人間って言うのは?」

ムギ「そうよ」

ゾルダ「ライバルの数を減らしてくれたことには感謝するけども。でも,このままだと面白くないんだよね」

ムギ「あら,貴方もバトルマニアなの?」

ゾルダ「バトルマニアってほどでも無いけども。でも,敵との戦いが無いと刺激が無いでしょ?それは僕の望むところじゃないから。適度な刺激って人生に大切なんだよ」

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ムギ「そう,じゃあ,刺激をあげようかしら?」

ゾルダ「君が?どうやって?」

ムギ「最後に教えて上がる。無から有を取り出せるのは」

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ムギ「あなたたちだけではないわ」

ゾルダ「っ!!」

ムギ「紳士的なつもりなのかも知れないけども。先に撃たなかったこと。ついでに言えば,シュートベントを使わなかったのが貴方の敗因ね」

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ゾルダ「くそっ!!」

ムギ「遅い!とどめよ!F・GSHOT!!

ドガガガガガガガッ

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ムギ「アハハハハッ」

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ゾルダ「グハッ」

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ゾルダ「悪魔……め……」

ムギ「悪魔で……いいよ。あなたたちを滅ぼすために,私は悪魔の力を手に入れたのだから……」

ゾルダ「俺たちを滅ぼして……どうな……」

ムギ「そんなこと……分かってるわ……」

ムギ「とにかく,これで5体目。残りは2体。気を抜かないようにしないと。奴らを滅ぼすためなら,私は……」

 

別の日。

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ムギ「貴方がナイトね。貴方の命,今日までよ」

ナイト「お前が噂の,か」

ムギ「本当に噂になっているのね。光栄だわ」

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ナイト「数多くのライダーを打ち倒したらしいが。俺が休ませてやろう」

ムギ「私は休まないわ。あなたたち,ライダーをこの世から消すまでは。むしろ,貴方を休ませてあげる。終わりの無いライダーバトルで疲れたでしょう?」

ナイト「俺も,自分の願いを叶えるまでは倒れるわけにはいかない。さぁ,来い!!」

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ムギ「さすがは騎士様。騎士道を貫くって感じかしら。でも,それでゾルダも敗れ去ったんだけども」

ナイト「それは,ヤツが弱かっただけだ」

ムギ「あら,手厳しい。それじゃ,貴方も私を楽しませてくれるの」

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ムギ「かしら?」

ナイト「クッ!」

アドベント

キンッ

ムギ「私のハンドソードを,剣で受け止めるとは。やるわね」

ナイト「それはどうも」

バッ

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ナイト「それでは,次はこちらだ!」

ムギ「全力の突き。素晴らしい気合いね。でも……」

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ナイト「もらった!!」

ムギ「甘いわ。どうして,ファイナルベントで来ないのかしら?」

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ナイト「なん・・・だと・・・?とらえた……はず……?」

ムギ「誰かにも言ったわね。それで誰かを殺すつもりなの。遅すぎるのよ」

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ムギ「じゃ,さよなら」

ナイト「間に合わない!」

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ズシャ

ナイト「無念……」

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ムギ「これであと一人」

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ムギ「さぁ,貴方よ」

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ムギ「龍騎さん」

龍騎「えぇっ?」

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ムギ「貴方を殺せば,私の戦いは終わる。そう,私の復讐は完遂するの」

龍騎「もう止めるんだ。こんなコトして何の意味があるんだ?」

ムギ「あら,命乞い?ライダーでは初めてね」

龍騎「違う!君は心優しい女の子だったと聞いた!」

ムギ「そうだった時期もあったかも知れない。でも,今の私はアベンジャー。あのときの琴吹紬は,死んだわ」

龍騎「違うっ!」

ムギ「違わないわ。私はもう琴吹紬では無い何か。機械の体を手に入れてまで,あなたたちを滅ぼすことを誓った悪魔」

龍騎「違うっ!!」

ムギ「しつこいわね。いい加減にしつこいと,こちらから行くわ」

龍騎「くそっ!もう,言葉は通じないのか!!」

アドベント

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龍騎「それなら,彼女の無力化する!!」

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ムギ「やれるものならやってみなさい」

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龍騎「行くぞ!」

ムギ「来なさい!」

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ムギ「あら,早いわね」

龍騎「この一撃でっ!!」

ムギ「でも,私の一撃の方がもっと早いわ」

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キンッ

ムギ「受け止めた。初めてのパターン。やるわね」

龍騎「うおおおぉぉぉぉ!!!」

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ムギ「えっ?」

龍騎「これで!」

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龍騎「回転の勢いをそのまま」

ムギ「っ!」

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龍騎「相手の意識を奪うっ!!」

ドカッ

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龍騎「はぁ,はぁ……。この一撃を食らって,立ち上がれるわけが無いはず……」

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ムギ「まさか,一撃を食らうことになるとはね。いくら,いつもの無傷で勝利パターンじゃ芸がないからと言って。私だって一撃喰らえば,それなりに痛いのだけれども」

龍騎「馬鹿な!!」

ムギ「さっきの一撃,殺しに来るつもりでやっていたら危なかったかも。でも,意識を奪うことが目的だったから,若干攻撃が鈍っていた。スパロボで言うと,てかげんがかかっている状態。まぁ,貴方の場合は,技量が圧倒的に劣っているから,効果は無いのだけれども」

龍騎「しかし,脳を攻撃したのに!!」

ムギ「私は悪魔と契約をしたのよ。この程度で,意識を手放すわけ無いわ。意識を手放すとしたら,それはあなたたちを滅ぼした後のコトよ。

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ムギ「それにしても,良い一撃だったわ。褒めてあげる。そのご褒美に,私の全力全壊,見せてあげる」

龍騎「この子,本当に悪魔だって言うのか?」

ムギ「悪魔よ。復讐に取り憑かれた悪魔。それはいいの。……いくわよ?」

龍騎「くっ!」

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ムギ「フッ!」

龍騎「その攻撃は,さっき無駄だと分からなかったのか」

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ガキンッ

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龍騎「先ほどと結果は同じだ!」

ムギ「ふっ。それはどうかしら?」

龍騎「何っ?」

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ムギ「貴方が回転の勢いなら,私も回転の勢いで行くまで」

龍騎「なん・・・だと・・・?」

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ムギ「さぁ,嘆きなさい!絶望しなさい!」

龍騎「早いっ!!」

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ガンッ

龍騎「グッ!!」

ムギ「あら,盾で受け止めるなんて。あの体勢からやるわね」

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ムギ「でも,これで盾は砕けたわ。後は貴方を砕く」

龍騎「体勢がっ!!」

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ムギ「ドラゴントゥース」

龍騎「くっ!見ていることしかできないのか!」

ムギ「tran○-am」

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ムギ「ライザー」

龍騎「大きいっ!!なんて出力だ!!」

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ムギ「ソード!」

ザシュッ

龍騎「グハッ……」

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ムギ「さよなら」

龍騎「これで君の戦いは終わりか……?これからどうするん……」

ムギ「これからなんて知らないわ。このときのために生きてきたんだから」

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ムギ「……」

このとき,ムギの心を覆っていたのは,充実感では無く,虚無感でした。

元々,復讐で始まったこの戦い。敵を倒したところで,律が帰ってくるわけでは無く,律が喜ぶわけでは無い。そして,この体では,軽音部として戻ることもできない。

全てを捨てることは分かっていた。全てを理解したつもりだった。しかし,それでも彼女はその虚しさが心を覆うことを封じることができませんでした。

いえ,むしろ進んでそれを味わっていたのかも知れません。自分の行ってきたことの罪をかみしめるために。

そして,人間世界に帰れないことを心に刻むために。

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ムギ「ふぅ。分かっていたけれども」

ジャキッ

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ムギ「虚しいものね」

ダダダ

ドアラ「グッ!グッ!グッ!」

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ムギ「でも,これは私が決めたことだから。私が全て受け止める」

ダダダダダダダッ

ドアラ「ッッッッ」

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ムギ「もう,帰れない……。それがこんなに耐えがたいなんて,ね。ごめんね,唯ちゃん,澪ちゃん,梓ちゃん。ごめんね,律ちゃん」

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「相転移砲 D・TENERITAS」

ムギ「さようなら」

ドアラは息をしていませんでした。

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ムギ「私は修羅の道を行くわ。人間に害するものを滅ぼす。二度と,私みたいに馬鹿なことを考える人間が現れないように。それが私への罰。こんな体まで手に入れて,復讐を誓った私の,生きる道」

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この日以後,彼女を見たものはいませんでした。

彼女の友だちを始め,多くの人々が彼女の行方を追いました。しかし,誰一人彼女を見つけることができませんでした。

女子高生の失踪事件はテレビでも取り上げられました。口さがないマスメディアは,失踪,誘拐,監禁,拉致……。

始めはマジメに放送していましたが,やがておもしろおかしく放送しました。そして,しばらくはこの話題で盛り上がったものの,やがてテレビで扱われることは無くなりました。

そして,彼女に近しいもの以外の人々の記憶から,彼女の事件は忘れ去られてしまいました。

そして,彼女に近しいものたちも,数年も経つと彼女が生きていると信じるのみになっていました。

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しかし,いつの頃からでしょうか。人々の間で,密かにささやかれるようになった都市伝説がありました。

それは,町の平和を乱すものが現れると,一人の少女が現れ,その存在を滅する,というものでした。

目撃したものは殆どいませんでした。しかし,数少ない証言を総合すると,彼女はブロンドの髪。白を基調とした機械の体を持ち,数々の武装を用い,容赦なく相手を滅ぼす,と。そして,彼女が現れた後には,平和を乱すものが消滅している,と。

そして,目撃者が口をそろえて言うことがありました。それは,常に寂しそうな,満たされないような。

そんなほほえみをいつも浮かべていた,ということでした。

いつしか人々は,一時期メディアを騒がせた女子高生に似た彼女を,MU-GIと呼ぶようになりました。

 

 

今日も夜の闇の中,白い巨体の少女が駆け抜けるのでした。

おしまい。

 

 

ということで,長くなってしまいましたwいかがだったでしょうか。「KOS-MOSが泣いているwww」とか言われましたが,やりきりました(`・ω・´)キリッ

いや,案外似合っていると思うんですけどね。

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企画当初の画像。意外とボディと頭のサイズがあっていると思うんですよw似合うか似合わないかは別問題としてw

最後に,KOS-MOSの画像でも。

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この振り向きの画像が絵になるなぁ,と思った次第。

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手にはドラゴントゥース。

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その冷たい瞳に映る世界は,どんな色をしているのか?

KOS-MOS,パーツも豊富で出来もよく,かなり遊び甲斐がありそうです。

 

値段も高いですが,それ以上の満足度があると思いますよ。前髪パーツが取れやすい?のが少し気になるくらいですかね?私みたいに部屋が汚いと,落としたら紛失の可能性があるので(^^ゞ

殆どムギの頭を刺して遊んでいた私が言うことではありませんねw

 

ということで,figma人形劇でした。今後の予定ですが,今後は買うfigmaを絞ろうと思っていますので,新作を使ったものは減る予定です。とりあえず,今予約しているのが八九寺真宵(×3)だけなのでwドラゴンナイトは全部買う予定ですが,それ以外は私の財布と要相談でw自ずと人形劇の回数も減るかも知れませんが,あしからず。

って,そもそもブログの更新回数事態落ちてますけどねw

<P.S.>そういえば,いつの間にか600記事達成していたみたいです。ここまでこれたのは,ひとえに皆様がこのつたないブログを見てくださり,あまつさえコメントまで残してくださるおかげです。

今は,コメントの返事が出来ておりませんが,大切に,愛おしむように読ませていただいております。本当にありがとうございます。

この記事で601記事目。とりあえず,700記事を目指してがんばっていきたいと思います。

今後ともよろしくお願いします<(_ _)>

長くなりましたが,これにて。


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コメント 8

chokusin

まさかの大長編。最近はムギが少女の形をした別の何かだ、と思えるようになりました。ありがとうございます。
by chokusin (2011-05-05 11:19) 

ロック

600記事もおめでとうございます。
そしてムギは伝説になった・・・・w

chokusinさんも言われてますが、
ムギがけいおん!キャラに思えなくなってきたw
なんだか、変身後の姿も似合ってるしw
そのうち、けいおん!の他キャラニ手を出さないか、
心配なところであります。

figma、ハマっている方はものすごい数を持っているようですね。
最近。100個以上持っている方がいることを知りまして、
人気の高さを再認識しました。数的にはねんどろいどより多いですし。

画像の容量問題はどう解決したのでしたっけ?
by ロック (2011-05-05 22:13) 

コゼット

ここまで長い物語だったとはwww
なんだろう、エルデカイザーでも勝てないような^^;

>企画当初の画像
ムギちゃんの首がコレを見たときはちょっと長い気はしましたが、他のアクションを見ると違和感は感じないですねww
それでもやはり、うっとり顔は譲れないのですね(^▽^)/
このムギちゃんなら、ロボコップといい勝負が出来そうな気がしますん~ww

>最後に,KOS-MOSの画像でも。
普通はこっちが先の気がしますが、敢えて後回しってのが流石takaoさんww
やはり、KOS-MOSは2個買いなのですかぃ?ww


by コゼット (2011-05-05 22:23) 

naka-G

長いwそのうち、figma劇場記事集めて本出しましょうよw

むぎがついにっ!!
それにしても律っちゃんの扱いが(´Д`)
by naka-G (2011-05-06 02:20) 

bapio

長げええww
どんだけ力作なんだよww
takaoさんのfigmaへの愛は頭が下がりますw

>ムギ「これが,最強の力と最低の運命を持つ私の体。
figmaもほぼ全てに互換性があるのですか?
ねんどろでも互換性が目当てでいらないねんどろを買う人もいるみたいですね~

九州オフ会ではtakaoさんのfigma本(ツイピクで載せてたやつ)を楽しみにしてますよw
でもあれ1ページにめちゃくちゃ時間かかるでしょw

600記事おめでとうございます!
私なんて昨年300記事を目指す!キリッ
なんて言っておいてまだ達成してませんしw
九州オフ会では一緒にアニソン歌いましょう~♪
by bapio (2011-05-08 14:41) 

mana

takaoさんかい!??長い!長いよっ!!

にしてもお疲れ様ですw
そして600記事超おめでとうございます!!
by mana (2011-05-08 18:30) 

moe

takaoさん こんにちは♪
600記事突破おめでとうございます。
大長編すっごいですね。写真upするのも一苦労かとw
「悪魔と契約した」というムギさん、
アザゼルさんではなかったようで安心したのですw
これからもいろんな記事を楽しみにしているのです♪
by moe (2011-05-10 10:03) 

まこたま

長くなりましたが,これにて。  まで読みました(`・ω・´)キリッ
なんという大長編ww

>ドラゴンナイトは全部買う予定
エロゲーが思い浮かんでしまったッス…w

bapioお姉ちゃんも九州オフ会楽しみにされております、ガチでw
覚悟の程は、よろしいですか?w

601記事おめでとうございます!
…次は801でw
by まこたま (2011-05-10 22:58) 

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