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『カナクのキセキ 2』/上総朋大 [富士見]

純愛ですね。異世界ファンタジーなのにここまで純愛で勝負する作品って珍しいと感じる次第です。

カナクのキセキ2 (富士見ファンタジア文庫)

カナクのキセキ2 (富士見ファンタジア文庫)

  • 作者: 上総 朋大
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2011/05/20
  • メディア: 文庫

 

「うそついてる。カナクさんは,まだ泣いてる」
 ネウの垂れ気味の瞳に見つめられ,僕はどきりとした。
 ーー”あの日”から5年。僕は,「マールの村」で神官として暮らしていた。ユーリエ。僕の愛。ダークエルフのネウは僕の揺れる心を心配してくれているけれど,僕は,彼女を想い,祈りながら生涯を終えようとしていた。そんなある日,意外な客人が……。
 一方,父親の命令で急遽辺境の長城に嫁入りしたレベッカは”影砲士”スフィアと出会う。シャイな夫がひとりで世界を守っていることを知った彼女は,”お嫁さん”として奮迅の働きを開始した!
 運命の恋と最強の愛が紡ぐ,ファンタジック・ラブストーリー。(紹介文より)

1巻が綺麗に終わっていたために,どのような展開で来るのか,と思っていたのですが。なるほどこうきましたか。前作のラストから5年後。マールの真実を知ったカナクと,そのカナクを慕い彼の元に訪れたネウの物語を書く一方で,別の物語を描く構成になっています。一見,全く関連の無い二つの物語。それが一つに繋がっていることが分かった時は思わず膝を打ってしまいました。 実に素晴らしい展開だと思いました。

物語の進行としても上々。前作は3巻程度にした方が良い,と思うほどの展開の速さで,物足りなさを感じる面もありました。しかしこの巻は性急さを感じる事が少なかったと思います。とはいえ,レベッカとスフィアの恋に関しては,ページ不足を若干感じましたが。個人的には,ページ不足を感じさせないほどに面白かったので良いのですが,人によってはこのページ不足が気になる点だと思います。

本作の売りは純愛。この巻でも純愛が前面に押し出されていて,非常に満足でした。レベッカとスフィアの純愛。カナクのユーリエに対する想い。そして,ネウのカナクに対する想い。それぞれの想いが気持ちよくて,切なくて,もどかしくて。ここまで純愛で勝負して,楽しませてくれるライトノベルは,私の浅い知識では殆ど無かったと思います。それ故に,貴重な作品だと感じます。

前作は非常にわかりやすく,途中でどうなるか分かるようになっていたラストですが。今作ではそれも改善されていたと思います。個人的には,「こんな展開になったら面白いんじゃ無いかな?『○○○○○○○』みたいで」と思っていたら,見事にそこに落ちてきた感じだったのですが。愛の深さ故の結末でしょうね。それを考えると,誰もあの決断を攻めることは出来ない気がします。「正体もよく分からないヤツを,疑いもせずに信じすぎだろう」と言えるかも知れませんが。藁にもすがる思いだったんでしょうね。今後がますます気になる展開になってきました。

次が気になって仕方ない,という感じで一気に読むことが出来ました。次の巻は明るい話になるようですが,気になるのは2巻の続き。どうなるか見えない状況になってきたなぁ,というのが正直な思い。タイトル『カナクのキセキ』の「キセキ」が「奇跡」なのか「軌跡」なのか気になるところですが。「カナクの奇跡」と呼べる展開になることを,個人的に祈りたいと思います。ラストに二人の奇跡が見られることを願いながら,シリーズを追いかけていきたいと思える内容でした。


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コメント 1

ask

fc2移籍組ですどもどもw

カナクのキセキ、かなーり心配していたんですが、それなりに纏まっていてよかったです。うまく繋げてきたなぁと感心しました。
表と裏でちょっと詰め込みすぎた印象が大きいですが、久しぶりに「ファンタジー(デデン」というイメージの作品に出会えました。
3巻、僕も「奇跡」に一票です。
by ask (2011-06-11 19:19) 

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