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『彼女を言い負かすのはたぶん無理 2』/うれま庄司 [PHP]

ライトノベルとディベートの出会い。の作品だったんですけど……。

彼女を言い負かすのはたぶん無理 2 (スマッシュ文庫)

彼女を言い負かすのはたぶん無理 2 (スマッシュ文庫)

  • 作者: うれま 庄司
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2011/06/09
  • メディア: 文庫

 

ゲリラ・ディベートのことを咎められ、アイラに停学が命じられた。彼女はもちろん家で大人しく......しているわけがない!(スマッシュ文庫ウェブページより)

1巻はディベートを題材に選択したことで非常に楽しめる作品になっていて、好評価を得てレーベル初(多分)の2巻が発売された本作。レーベル初といっても、レーベル自体まだ9冊しか出ていないんですけどね。レーベルが始まって1年4ヶ月経つのに。

私も1巻は非常に好印象で、2巻を楽しみにして待っていたのですが。2巻を読んでみてがっかり感は否めませんでした。

その最大の原因は、物語のメインが恋愛になってしまった、ということでしょう。主人公とヒロインの恋愛を描くために、前作では本作を魅力的な物としていたディベート部分が減少してしまった、という印象を受けました。それでも、ラブストーリー部分に魅力を感じる事ができればまた違った印象になったのでしょうが。小悪魔的なヒロインに翻弄されるへタレな主人公、と至って平凡なものとなっているように感じました。 微妙な心の揺れ動きが楽しめるわけでもなく。片思いの辛さを楽しめるわけでもなく。

ディベート部分はもちろんあります。最初のディベートのテーマが「高校野球の女子マネージャーにドラッカーのマネジメントは不要である。是か非か」というぶっとんだものを持ってきて楽しませてくれました。また、ラストのディベートはアクロバティックさこそないものの読ませてくれる物があり、満足できるものになっていると思います。ディベートの魅力は健在だな、と感じる次第です。それ故に、「どうしてラブストーリーを前面に押してしまったのだろう」と惜しく感じました。

続編を執筆するにあたって、ラブ展開が増えてくる面は仕方ないことだとは思います。しかし、それが前面に出すぎたために、本作の魅力が失われ、結果ありきたりなラノベ、という印象になってしまったのが非常に残念でした。2巻が出るまでに時間がかかっているだけになおさら。2巻は微妙なところで終わっていて、3巻も(ダイヤモンド社から苦情がなければ)出そうな雰囲気ですが。ディベート部分を増やしてくれるのだったら楽しみなのですが、このままの構成だと不安を感じてしまいます。次での挽回を期待したいところです。


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コメント 2

chokusin

タイトルから想像するに、いずれ主人公とヒロインが自分たちの恋愛をテーマにディベートするんでしょうかね。ああ、でもそれをやってしまっては作品が終了してしまいますねw
by chokusin (2011-07-23 21:08) 

takao

chokusinさん、コメントありがとうございます。

この2巻では、「思いは言葉にしなければ伝わらない。是か非か」でやっているんですよねw
ただ、思いをいきなり告げてディベートになっていないので、無効だとは思うのですが。
それが残念です。
by takao (2011-07-23 21:15) 

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