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『デート・ア・ライブ2 四糸乃パペット』/橘公司 [富士見]

世界に顕現する際に破壊をもたらす精霊。その精霊を無力化するには、士道が精霊とデートして精霊をデレさせて、キスをすること。今回も新たな精霊が現れて一騒動。なかなか楽しめましたけど。うーん、物足りなさも感じてしまいました。

デート・ア・ライブ2  四糸乃パペット (富士見ファンタジア文庫 た 4-2-2)

デート・ア・ライブ2 四糸乃パペット (富士見ファンタジア文庫 た 4-2-2)

  • 作者: 橘 公司
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2011/08/20
  • メディア: 文庫

高校に転校してきた十香は、クラスメイトの折紙と毎日のように喧嘩をしていた。そのたび二人を止めに入る五河士道は、下校中、第2の精霊と出会う。少女は降りしきる雨の中、傘も差さず、左手にウサギ型の人形(パペット)を付け、道路を楽しそうに飛び跳ねーー盛大にコケた。助け起こそうとした士道に少女はおびえた様子で言う。
「いたく、しないで……ください……」
世界から否定され、拒絶され、殺意を突きつけられても、なお相手を傷つけないように耐える優しすぎる精霊、四糸乃(よしの)。
「手伝ってくれ、琴里。……おれはーーあの子を、助けたい……!」
世界を殺す少女を助けるため、デートして、デレさせろ!?(裏表紙より)

 

2巻で登場が予告されていた精霊・四糸乃。無口で気弱。心根の優しい子で、パペットがないとろくに相手としゃべれない、って私の好みの直球ど真ん中でした。表紙イラストも素晴らしいです。十香も可愛かったですが、四糸乃も可愛くて大満足でした。最近のラブコメ作品の傾向だと、2人目は「ツンデレ」キャラかなぁ、と思うのですが、あえてそこに行かず小動物のような可愛らしいロリッ子を持ってきたのは言いチョイスではないか、と思いました。

ロリキャラが今回の攻略対象精霊のため、デートイベントも少なめ。どちらかというと、四糸乃の信頼を勝ち取るためのイベントが物語の中心、という感じでしょうか。その中で、士道が四糸乃を救うためにがんばる姿がかっこよくて、かける言葉が優しくて、主人公に対する好感度が上がりました。誰よりも優しい妖精、四糸乃が救われたのは、士道のがんばる姿があってこそ、というのがよく分かるようなエピソードだと思いました。そして、こんな士道だからこそ、十香も好きになったんでしょうね。

十香は今回は自分の感情に気づく第一歩、という感じでしょうか。精霊として生まれた彼女は人に恋する、ということを知りません。なので、士道に対する感情が何なのか、士道が他の女性と仲良しくしているとなぜ嫌な気持ちになるのか分からない。その感情に戸惑いながら、自分の感情を整理するのが今回の彼女の進歩ですね。今後、さらに精霊が登場することがあるでしょうが、この巻のような役回りをしていくんだろうなぁ、と感じました。そして、士道との仲を接近させていきそうです。

この巻では、四糸乃の精霊の力を封印して2人目。なのに、妹と鳶一がいるからすでにハーレム完成、といってもいいような状況ですね。展開としては、毎巻新しい精霊が出てくるのか、と思っていたところですが。この巻の最後、3巻の引きになりそうな新キャラの登場でその流れにならなそうな気配。新キャラ自体が意味深な感じで、どうなっていくか楽しみです。

そして気になると言えば、士道の能力の源泉。この士道の持つ二つ目の力は、鳶一の過去とも絡んで来てもおかしくないような印象です。一体どんな過去があるのか、非常に楽しみです。ついでに、鳶一さんにスポットライトが当たるとなおよし、という感じです。鳶一からは相変わらず狂気を感じますが、少し不遇な気もするので。……槙奈さんみたいな活躍はいらないですが。

一つの作品としてみた時、面白い部類に入る作品だと思います。ただ、作者の『蒼穹のカルマ』を読んでいるせいからか、物足りなさを感じてしまいました。というのも、この作品が「普通のライトノベル」すぎるんですよね。「ラブコメライトノベル」の定番過ぎる、というか。『蒼穹のカルマ』があまりにぶっ飛びすぎて笑えて、それでいてプロローグのとおりに展開が収束していく様が見事で、非常に個性溢れて、かつ面白いライトノベルであるからこそ感じてしまうモノだと思います。全てが全て『蒼穹のカルマ』みたいにあるべき、ということではないのですが。『蒼穹のカルマ』の作者であるからこそ、「普通のライトノベル」とひと味違うところをみてみたい、という感じでしょうか。まぁ、この作者のファンの欲張りな要求ですが。この点も、次に期待したいところです。


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