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『俺がお嬢様学校の「庶民サンプル」として拉致られた件 6』/七月隆文 [一迅社]

(あらすじ)
「この間、俺にキス……したよね」
「はい。いたしました」

ついに――ついに、あの九条さんがデレる!? 毎朝目覚めのキスをされていたことを知ってしまった公人に、九条さんが残した謎の言葉とは!? 戸惑う公人の脳裏に甦る、失われた過去とは――全26話+αでおおくりする、見逃し厳禁の第6巻!(一迅社文庫ウェブページより)


俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件6 (一迅社文庫)

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件6 (一迅社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2013/05/18
  • メディア: 文庫



感想は追記にて。(感想)

気付いたらこのシリーズも6巻に突入しましたね。一迅社文庫だけあって、それほど注目されてきたわけではないですし、タイトルからして他の諸々のラブコメ作品をイメージしていまい、少しソンをしているような作品だと思います。

ただ、個人的にはラブコメ作品として結構上位に入っているんじゃないかなぁ、と思っている作品でもあります。と言うのも、実はこの作品がライトノベルというフォーマットを一番生かして笑いを取ろうとしているのではないか、と思うからです。

まずはイラストによるネタ。挿絵があることがライトノベルの大きなポイントですが、そこをうまく使っている作品が本作だと思います。
今回も巨大掲示板でおなじみの某AAをもじったイラストがあったり、壮大なイラストを用いたネタがあったり。また今回はTwitterをお嬢様がやってみる、と言うネタがあるのですが、Twitterの画面をイラストで再現しているのですが、力の要れ具合を間違えているのではないか、と思うくらいしっかり作っています。一切妥協のないネタ作りは本当に凄いですね。

二つ目にフォントをいじって笑いを取りに来る部分。強調したいところのフォントサイズを大きくして、読者に迫ってくるような印象を与えています。とはいえ、これは毎度のことなので少々なれてきている面もあるのですが。ただ、この巻の「6話 そんなことする人なんて、この世にいませんわ。」の使い方は的確すぎて、効果的だったと思います。

三つ目は、天丼による笑い。ライトノベルによるパロディというと、流行り物に飛びつくところがあります。極端な作品になると、ただただ名前を使っただけになって反感を買うものもありますが。そんな中、この作品ですがもちろん流行り物のネタも使うのですが、巻を跨いで同じネタを引っ張ったりもしています。この巻で言うと、修造がそれに当たりますが。ここまでずっと使い続ける作品も凄いなぁ、と思います。
ただ、読書メーターを見ていると、「いい加減に同じネタ飽きた」という意見もありました。

笑いを取ろうとするときの構造は、少しずつ変化を入れようとしているものの、基本部分は変わっていないのも私は評価したいですが、そうではない人も多いかな。

他に評価したい点としては、次回予告をして、そこをちゃんと外していないところがあります。本文中で「次回はこうなります」みたいに予告を大々的にぶち上げておきながら、読んでみたら最初と最後で少し触れられただけで、わざわざ予告したのに肩すかしにしかなっていない、アニメ化もされた某作品なんかもある中で、これは大変素晴らしいことだと思います。それだけ、次の巻の内容を考えて書いている、と言うことでしょう。
この6巻では、ドSメイドの名前をほしいままにしてきた九条みゆきさんがついにデレると予告されていました。2巻から気になる描写を入れてきていたので、遂に来るべき時が来たという感じです。そして、姿を見せたデレのみゆきさん。これが危ういと言うか、恐ろしい部分もありましたが、基本可愛かったです。メイド長として主人公に接する九条さんと、○○○○(ネタバレのため伏せ字)として主人公に接するみゆきさんのギャップの可愛さと恐ろしさと面白さと。なかなか面白いことになってきました。次の巻から、みゆきさんネタで結構な笑いが作れそうな感じがします。

本編の方は、ついに主人公がみゆきさんとの過去を思い出したことでついに「主人公は一体何者なのか」というところに来ました。それに合わせたかのように、次回予告も主人公の謎の解明に言及しています。主人公の幼なじみである花江恵理も気にしている、主人公の記憶から失われて一ヶ月間に隠された秘密。ますます期待が高まります。

毎回言っているような気がしますが、もっと評価されて良いシリーズだと思います。一迅社文庫からの出版というのがネックになっているのが残念です。一迅社文庫もなかなか面白い作品があるんですけどね。ただ、取り扱っていない書店もありそうですし、取り扱っていても専有面積殆どなさそうですし。
7巻では5巻に続き、ドラマCD同梱版の制作が決定していますし、いっそアニメ化したら少しは知名度が上がるのかなぁ、なんて思ってしまいます。ただ、アニメ化したらアニメ化したで評価が微妙なことになりそうな気がしますが。

ちなみにドラマCDですが、5巻付属のものが結構面白かったので期待しています。ネタはもちろん、悠木碧さんが演じる九条みゆきさんによる「ドS相談室」はもうたまらないで気だったと思います。アマゾンだとまだ在庫もありますし、悠木碧さんファンとドMさんは聞いておいて損はないと思います。

ちなみに6巻は、悠木碧さんのエッセイとイラストも収録されています。未公開ギャラリーもありますし、お得な1冊だと思います。
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