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『灰と幻想のグリムガル Level.7 彼方の虹』/十文字青 [オーバーラップ]

〈あらすじ〉

黄昏世界から脱出したハルヒロたちは、グリムガルとも異なる『日の昇らない世界』に迷い込んでしまう。右も左もわからない状況で、頼れる相手もおらず、それでも仲間を率いるハルヒロ。幸いなことに、異界の住民たちが住み着く村を発見し、ひとまずの安全を確保できた。だが、この異界で生きていくだけでも問題は山積みで、更に最大の難問「グリムガルに帰る手段」はまだ手がかりさえも見つからなかった。

帰ることができるのか、そもそも帰りたいのか。本当に『帰る』場所は違うところにあるんじゃないのか。様々な想いを胸に抱きつつ、ハルヒロたちのパーティは、異界の探索を進めていく。灰の中をさまよい、行き着く先は――

 

文庫版


灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 (オーバーラップ文庫)

灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 (オーバーラップ文庫)

  • 作者: 十文字青
  • 出版社/メーカー: オーバーラップ
  • 発売日: 2015/12/23
  • メディア: 文庫

 

Kindle版


灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 (オーバーラップ文庫)

灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 (オーバーラップ文庫)

  • 出版社/メーカー: オーバーラップ
  • 発売日: 2015/12/25
  • メディア: Kindle版

 

 

感想は追記にて 

〈感想〉

あけましておめでとうございます。最近更新頻度がめっきり減っておりますが、正直なところ、最近自分の中のブログを続けるモチベーションが下がっている感じです。そもそも、頻繁に更新できるほど、ラノベを読んでいない状況です。

そのため、ブログを閉じてしまうことはないかもしれませんが、ある日を境に更新が全くなくなるかもしれません。 しかし、今のところまだまだ続けようとは思っています。ペースは月に1回か2回程度になると思いますが、よろしくお願いします。とりあえず、今月は、今回と『終末なにしてますか?』4巻の感想を更新しようと計画しているので、最低2回でしょうか?

 

閑話休題。『灰と幻想のグリムガル』7巻の感想です。6巻の感想は書いていませんが、間を開けずにリリースしてきた、という印象です。もうすぐアニメ開始、ということでそこに合わせて来た、という印象でしょうか。

そう、アニメです。いよいよアニメが始まっちゃいます。確かめていませんけども、オーバーラップ文庫の作品だと、『IS2』以来のアニメ化でしょうか?あれも、MF文庫J時代のがあっての2期でしょうから、オーバーラップ文庫発としては、初でしょう。作者は十文字青さんですが、これが氏の初アニメ化作品になると思います。

さて、2016年冬アニメで私が一番期待している作品、と言われると、真っ先にこの『灰と幻想のグリムガル』を挙げます。 何がこの作品の魅力か。私は、作品のテーマ、主人公たちの泥臭さの2つだと感じています。

まず作品のテーマ。これは、私が今まで読んできた十文字青さんの他の作品からもいえることですが、彼の作品からは「生と死」というものを強く感じる事があります。これは作者の意識からくるところでしょうが、この作品は主人公たちの設定からして、それがいつもより強く感じられるような気がします。

作品としては、「この世界とは?」「ハルヒロ(主人公)たちは、どこから来たのか?」というところが見所の一つになっていますが、それ以上に描きたいのは「生と死」ではないか、と言う気がします。

2つ目の主人公たちの泥臭さ。最近のラノベ作品を総括できるほどラノベを読めていないので、印象論になりますが、やはりラノベで強いジャンルが俺TUEEEと呼ばれるような無双系ではないでしょうか。

また、2015年秋の『落第騎士の英雄譚』では、「その世界の価値基準では最弱でありながら、別の点で最強の力を持つ主人公の活躍」というようなものが描かれました。作品を読んでいないのですが、タイトルから判断するに2016年冬アニメの『最弱不敗の神装機竜』もこの系統なのかな?と予想しています。

また、最近増えているのかな?と思うのは、異世界召喚されて異世界で無双しちゃう作品。これは、「小説家になろう」系統はこんな感じのタイトルの作品が多いかな? 

まぁ、色々なパターンがありますが、詰まるところ、強い主人公がかっこよく活躍するものが多いようです。 これは一つのジャンルですし、確かにエンターテイメントである以上スカッとする作品を求めるのは理解できます。

しかし、この『灰と幻想のグリムガル』という作品はこの逆。異世界に召喚された主人公たちが、生きていくためにもがきながら成長していく様子がメインです。特徴として、主人公たちが弱い。元々、召喚されたメンバーの中で余った者たちが集まったパーティーなので、とにかく弱い。弱いが故に、失敗もするし、取り返しの付かない展開も待ち受けています。

でも、主人公たちがそれでも生きるために、泥臭くても次は間違えないように、と必死で冒険していく姿は、やはり一つのエンターテイメントの形であると感じます。格好いい活躍はないものの、でも必死な姿は格好いい気がします。

特に個人的には、主人公であるハルヒロのキャラクターが気に入っています。十文字青さんの作品では、ありがちな主人公の設定のような気もします。でも、この世界観、パーティーの中にあって、ハルヒロの自分の平凡さを理解しながらなんとしてでも全員で生き延びるためになれないリーダーシップを発揮しようと試行錯誤するところがマッチしているようです。優柔不断系、といえばそれまでのような気もしますが、命がかかっているだけに優柔不断になるでしょうし、どっちかというと好印象です。 

 

さて、作品についてが長くなりました。7巻の感想です。

この巻では、6巻からの引き続きで新世界に突入。しかも、ハルヒロたちだけで。言葉も通じない、姿も違う。そんな世界。そんな中で生き抜いていくために試行錯誤していくのがこの巻の内容でしょうか。

この巻自体で結構長い時間が経っているにもかかわらず、1冊で一つの展開を完結させているのであまり感じませんが、ハルヒロたちの苦労はどれくらいだったのだろうか、と想像すると、この巻はさらに楽しめるような気がします。たとえば、昔日本人が大陸に渡って交流を持とうとしたとき、こんな感じだったのかな、とふと考えました。まぁ、この作品は姿が違うから、その比較は適当ではないのでしょうけども。

そして、この巻では、「生と死」、特に「なんとしてでも生き延びる」という信念が強く感じられたのも、面白かったです。そもそも、自分たちの全く知らない世界にいきなり放り込まれる、という展開からして、どれだけ心が消耗するか。元の世界に帰ろうと願っても、どうやったら帰れるか分からない。そんな状況でも、生き延びようとする意志。最後の展開において、それでも生き延びようとする意志。それが、物語の面白さを引き立てていたです。ラストに関しては、なんと言うところで終わってくれるんだ、と言いたくなりますが(それは、『終末なにしてますか?~』4巻も同じですが)

もう一つ見所を挙げるとすると、パーティー内の関係性の変化でしょうか。メリィがハルヒロに投げかけたすごく意味深な一言。シホルのハルヒロへのことば。仲間との信頼関係の深まりと、個人的な感情の深まりが感じられるのも興味深く読めました。おかげで、ハルヒロとメリィの関係は、ますます楽しみになってしまいました。 

 

とにかく、大満足の1冊でした。いやぁ、安定して面白い。原作がこれだけ面白いんだから、よっぽどのことをしない限りアニメも面白くなると信じています。昨年同時期にすごく面白い作品をアニメでダメにされた記憶もありますが、あれは忘れることにします。

アニメ化を機会に、盛り上がって欲しい作品です。そうなってくれると、嬉しいな。 


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読書の虫

8巻が気になって仕方ありません…笑 ほんと何てとこでおわってくれたんだ! ミモリンには申し訳ないけれどメリィとハルヒロが今後どうなるかも楽しみのひとつですね
by 読書の虫 (2016-03-08 11:27) 

takao

読書の虫さん、コメントありがとうございます。

本当に、なんと言うところで!という感じですね。
こんな感じ、衝撃の展開を迎えた3巻以来でしょうか。

ミモリンも良いキャラなんですけども、やっぱりハルヒロとメリィの進展が読みたいですよね。
今回の展開で、メリィがハルヒロに対してどのような感情を抱いたのか。
次の巻で、2人の関係が大きく進展しそうな予感がしています。
今月末の8巻が待ち遠しいですね。
by takao (2016-03-10 22:02) 

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