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『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか? 4』/枯野瑛 [角川]

〈あらすじ〉

クトリは消滅し、ヴィレムはネフレンと共に闇に呑まれた。物語は、終わったはずだった。――しかし。ヴィレムは、見覚えのある部屋で目覚める。「……おとー、さん?」それは時の彼方に過ぎ去ったはずの終末の光景。

 

文庫版


終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (4) (角川スニーカー文庫)

終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか? (4) (角川スニーカー文庫)

  • 作者: 枯野 瑛
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/12/26
  • メディア: 文庫

 

Kindle版



 

感想は追記にて 

〈感想〉

さて、いよいよ4巻の発売です。文庫版から一ヶ月後に電子版が出るのがデフォのスニーカー文庫で、電子版が文庫版と同時発売だった、ということが、この作品に対するレーベルの期待がうかがえるような気がします。……そんな作品を打ち切ろうとしていたのがあれですが。

さて、打ち切りから華麗に復活した作品、と言えば、個人的に『ライジングインパクト』が記憶に残っています。ただ、あちらの作品も一度は復活したものの最後は再び打ち切り。面白くなりそうな所だったのに……。

その記憶があるので、「打ち切りから華麗に復活して、これでアニメ化までしたら、さらなる伝説になるな!」なんて考えていました。……そう考えていた時期が、僕にもありました……。

先ほどスニーカー文庫ウェブサイトの、この作品の特設サイトを見ました。そこに、Twitterでの感想が表示されていたのですが、「考え得る限り、最悪の展開」なんて書かれていました。これが、この巻の内容を端的に表しています。年末年始のこの時期。「2015年最後の作品」として、あるいは「2016年の最初の作品」としてこの作品を読む人が少なくないと思います。私は、2015年から読み始めて。2016年に最初に読み終えた作品でした。その読者に対して、なんという内容をぶつけるのだろう、と。出版タイミングの都合ではあるのでしょうけれども、悪意すら感じてしまうほどでした。

元々この作品、タイトルの割に内容がシビアというか、世界観が重いというか、誰も幸せになれなさそうな作品ではありました。それこそ、最悪の世界の中でささやかな幸せを得られたらいいな、というくらいの。しかし、まさかここまで誰も幸せになれないとは。「救ってもらっていいですか?」なんてタイトルに付いているのに、救ってもらいたかった人が救ってもらえなかった上に、という展開。ここまでやりきる作者を褒め称えるべきでしょうけども、できたら全力でハッピーな方に振り切って欲しかったです。

ただ、展開的には、私はそこまで嫌いではないかな、という気がします。このような展開の物語がこれまでなかったわけではないですし、ありと言えばありだと思います。ただ、この展開が好きな人が多いか、と言われると疑問のような。ここまでこの作品を楽しんできた人なら、嫌な気持ちになるでしょうけども、「なし」ということにはならないと思います。 

個人的な助言としては、これを読もうとするなら、気分が最悪なときに読まないように、というところでしょうか。かといって、ハッピーな気分の時に読んだら、別の意味で気持ちをダウンさせてくれそうであるので、難しいところ。「誰も幸せになれないよ」ということと、「次の巻から新展開だよ」というところを頭に入れておけば、ある程度内容の予想ができるでしょう。

読者が「救ってもらっていいですか?」と言いたくなる展開のこの巻。救いは4月に5巻の発売が予告されているところでしょう。それほど待たずに、新展開を迎える5巻を読めるのは、嬉しいところです。まぁ、内容に救いがあるかは疑問どころか、この展開の先にあるのは、さらなる悲劇の予感もしますが。

ただ、まぁ最終的に救いが用意されている可能性もあります。最悪の展開は予想しつつ、最後に幸せが残っていたらいいな、と期待したいです。絶望しかない展開ですが、物語自体は面白いので。 


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