『世界の終わりの世界録 6:終焉の精霊』/細音啓 [メディアファクトリー]
〈作品紹介〉
伝説の英勇エルラインが遺した至宝「世界録(アンコール)」。その在り処を世界中の国や旅団が探し求める時代――冥界に突如現れた沈黙機関の手により、終焉の島へ向かうために必要な悪魔法印を奪われてしまったレンたち「再来の騎士」追い詰められた事態の中、レンは、ある秘策に望みを託して結界突破に挑む。時を同じく、終焉の島を目指して集結する王立七十二階位特務騎士団(エルメキア・ダスク)と沈黙機関。世界の終わりと始まりが交響曲(シンフォニー)を織りなすその場所で熾烈を極める世界録争奪戦。そして偽英勇は、英勇しか知らない世界の真実と出会う。「こんな世界のままで終わらせない。俺が絶対、アンタの目指した未来まで辿りつくから」――いま、最も王道を行くファンタジー、衝撃の第6弾!
文庫版
世界の終わりの世界録(アンコール) (6) 終焉の精霊 (MF文庫J)
- 作者: 細音 啓
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2016/02/25
- メディア: 文庫
Kindle版
世界の終わりの世界録<アンコール>6 終焉の精霊<世界の終わりの世界録<アンコール>> (MF文庫J)
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2016/02/25
- メディア: Kindle版
感想は追記にて
〈感想〉
買ったはいいものの、なかなか読む気力が湧かなかったのですが、Twitterで「波乱の展開」みたいなものを見かけ読んでしまいました。うん、確かに波乱の展開でしたね。面白かったです。これぞ、細音啓作品、という印象と、これからどうなるんだろう、という期待感を感じさせてくれました。
この巻、振り返って見ると結構内容が詰め込まれていたような気がします。遂に姿を現した沈黙機関との戦いの後から始まり、遂に世界録の在処、終焉の島へ。終焉の島での戦い。世界録に残された真実。遂に姿を現す黒幕。そして衝撃の展開へ。これまでも結構な1つの巻で結構なイベント数がこなされることはありましたが、6巻はこれまで以上に激動の展開だったような気がします。その分、引き込まれました。
最初にも書きましたが、「これぞ細音啓作品」ということと「Ⅵだなぁ」というのが、素直な感想でしょうか。後者については、多くを語りません。読み終えた人なら分かるかな?そういえば、この巻が6巻だったのも、面白い符合かもしれません。
前者に関しては。これまで全ての細音啓作品(5シリーズ39冊と意外と多かった)を読んできたものとしては、正直激しいバトルの末の最後、というのは違和感があるんですよね。この巻でレンがエルラインから託されたものこそが、細音啓作品の本質だと、私は感じます。だからこそ、この展開になっていくことは嬉しいです。
また、『S.I.R.E.N.』とのつながりが見えそうな所なんかも、細音啓作品の特徴、といえるかもしれませんね。
欲を言えば、最後は「世界の終わりの世界録 第2章 世界の終わりの再来(アンコール)篇 開始」みたいな演出があると嬉しかったかな。とはいえ、こればっかりは出版社が違いますから、仕方ないでしょうね。
こんな感じのやつ(画像は、『黄昏色の詠使い』のもの)
なにはともあれ、ここからいよいよ本当の物語の始まりのようです。ここまで出てきた全てのパーティーが集う展開になるのかな?と予想されます。きっと最後は、細音啓さんらしい展開になりそうだ、とも。「いま、最も王道を行くファンタジー」の謳い文句に違わない展開に期待したいところです。
それと気になるのはメディア展開でしょうか。マンガ版は来月発売で、ドラマCD、イメージCDは発売済み。次に期待したいのはアニメ化。正直、どこで切るのか難しいところかもしれませんね。1クールなら4巻の対ゼルブライトで終わるのが妥当な落としどころなのでしょうが。同レーベルの『精霊使いの剣舞』も同じようなところで終わりでしたし。とはいえ、折角なら最後まで、となると、まだまだアニメ化は先かもしれませんね。
もう一つ気になるのは、スピンオフを書くかな?ということ。『氷結鏡界のエデン』から『不完全神性機関イリス』が生まれたように、『世界の終わりの世界録』から、300年前のエルラインの冒険譚が生まれる可能性があるのではないかな、と期待しています。『不完全神性機関イリス』から受けたバトンを、『氷結鏡界のエデン』で完結させたように、エルラインの旅の果て、エルラインが最後に思ったものを受けて、『世界の終わりの世界録』最終巻、なんて展開、すごく燃えてきそうです。
何はともあれ、メディアファクトリーもこの作品に力を入れていることは見て取れますし、楽しみにして待ちたい作品です。
素晴らしい物語になっています。すでに多くのかたが手にとって読んでくださっているようですが、さらに多くの人に読んでもらいたい作品です。
コメント 0