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『俺がお嬢様学校の「庶民サンプル」として拉致られた件 6』/七月隆文 [一迅社]

(あらすじ)
「この間、俺にキス……したよね」
「はい。いたしました」

ついに――ついに、あの九条さんがデレる!? 毎朝目覚めのキスをされていたことを知ってしまった公人に、九条さんが残した謎の言葉とは!? 戸惑う公人の脳裏に甦る、失われた過去とは――全26話+αでおおくりする、見逃し厳禁の第6巻!(一迅社文庫ウェブページより)


俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件6 (一迅社文庫)

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件6 (一迅社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2013/05/18
  • メディア: 文庫



感想は追記にて。

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『俺がお嬢様学校の「庶民サンプル」として拉致られた件 4』/七月隆文 [一迅社]

(あらすじ)

「『メイド喫茶』って何?」本物のメイドを知るお嬢様にとって庶民文化は謎だらけ!
公人の中に溜まりに溜まったとある欲求、白亜と過ごす何気ない休日その2、愛佳が見つけた意外な(?)ぼっち仲間、学校に現れる謎のヒーロー「野兎の 君」、そして行われる一大イベント《6月の花嫁舞踏会》――全33話+αでお送りする超絶人気ハートフル学園ラブコメ、感涙必至の第4巻!(一迅者文庫ウェブページより)

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件4 (一迅社文庫)

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件4 (一迅社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2012/10/20
  • メディア: 文庫

感想は追記にて。 

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『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件 2』 /七月 隆文 [一迅社]

(あらすじ)

「今年の遠足は《庶民ランド》へ行きます」
お嬢様たちは大はしゃぎ!! ……で、庶民ランドって何!?
お嬢様にモテモテ生活&庶民部の活動はさらに加速!
ツンピュア愛佳の次なるぼっち脱出作戦、白亜と過ごす何気ない休日、麗子の女子会、可憐さんの太ももなどなど、全26話+α、ノンストップ&おまけページも充実でおおくりする超人気ハートフル学園ラブコメ第2弾!

(感想)

帯によると、2012年コミックレックスでコミカライズ開始とのこと。思った以上に話題になった、と言うことでしょうか。そんな作品の第2巻が発売されました。

読んでいて興味深いと感じたのは、その構成。あらすじにあるように、全26話+αで構成されています。最近、1話が短くて話数が多い、と言う作品が増えているように感じます。ただ、この作品はワンエピソードの集合体、と言うわけではなく、一つのエピソードを短く章立てているパートもあることだと感じました。

そのことで、全体に共通性をもたせるとともに、読みやすくなっているように思いました。タイトルの付け方で、そのネタをハイライトさせる効果もあったように思います。これは実にうまい方法じゃないかな、と感じました。何より、短い時間で読むとき、区切りがつけやすいですし。

本文の構成を見ていると、自由自在、という言葉が浮かんできました。フォントで遊んでいる部分も多々あり。挿絵で遊んでいる部分あり。

CIMG0054

どこのペルソナ?と言う挿絵があったり。

CIMG0055

オチを挿絵と台詞でしゃべらせたり。

一迅社文庫だからこそできることかなぁ、と感じましたが、同時に興味深いなぁ、とも思いました。最近、見開きの挿絵が増えているかなぁ、と感じていたところでこの挿絵の使い方。挿絵があるライトノベルの特徴を生かした挿絵の使い方で、今後どうなるか気になるところです。

ただ、太字フォントを多用しすぎているためか、逆に効果が薄くなっているように感じる部分もありました。太字にすることでいかにも「ここで笑ってね」と強調されているように感じる人もいるかも知れません。それをどう感じるか。マイナスが大きいかも知れません。

取り扱っているネタを見てみると、一迅社だけあって、ゆるゆりをフューチャーしたようなパートがあったのが印象的でした。しかし、こんなところでもネタにされるあっかり~んが不憫で仕方ない。

個人的には、進研ゼミの勧誘マンガをネタにしているのは興味深かったです。これをネタにしている作品は初めて見たように思います。むしろ、今までこれをネタにする作品がなかった(知らないだけかも知れませんが)というのは、不思議です。

1巻よりは少しパワーダウンしているように感じましたが、面白かったです。そして、ラストはなかなか興味深い展開で。ありがちと言えばありがちなのですが。ただ、このことを知ってしまうと、同じ台詞であっても感じる事が全く正反対になってしまいました。

この展開が、3巻でどう生かされていくのか、非常に楽しみです。実は、一迅社文庫で一番アニメに近い位置にいるんじゃないかなぁ、と感じます。


俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件2 (一迅社文庫)

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件2 (一迅社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2012/04/20
  • メディア: 文庫


(関連リンク)

『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件』/七月隆文


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『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件』/七月隆文 [一迅社]

(あらすじ)

「あなたは、我が校の《庶民サンプル》に選ばれました」
ごく平凡な高校生・神楽坂公人は、ある日突然、『清華院女学校』に拉致されてしまう!

伝統と格式あるこの学校に通うのは、良家の令嬢ばかり。おまけに外の世界に出たこともなければ、同世代の「男」を見たこともないという超絶箱入りっぷり。

異性と世間に免疫をつける教育のため、「庶民サンプル」として選ばれた公人だったが、ケータイ、ゲーム、漫画すら知らないお嬢様達にとって『庶民』は憧れの存在で……!?

いきなりお嬢様にモテモテ生活スタート!ハートフル学園ラブコメディ!(裏表紙より)

(感想)

発売前は、「最近のライトノベルのタイトルが酷い」みたいなところで、この名前を見た感じがする本作品ですが。個人的には、この表紙イラストもなかなかに酷いと思う私。

本作ですが、いくつかの先行作品の影響が見られた作品です。学園ハーレムもの、そしてイラストから『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』。そして、内容的には『僕は友達が少ない』という感じでしょうか。ある意味、最近のライトノベルのパターンに忠実な作品だと思います。

内容的には、超お嬢様学校の庶民サンプルとして拉致された主人公・神楽坂公人が、そこのお嬢様・天空橋愛佳が出会い、「庶民部」をつくり、そこに様々なお嬢様が集まってくる、という感じです。この巻では、「庶民部」に汐留白亜、神領可憐、そして生徒会長の有栖川麗子が加入するところまでが描かれました。

この内容だったら、キャラクターがどうか、と言うことが重要な要素になると思いますが。個人的に面白いなぁ、と思ったのは、生徒会長の有栖川麗子です。お嬢様学校の生徒会長で、今まで怒ったことも人を嫌いになったこともない、と言われていた麗子。しかし、公人に裸を見られたことから、彼を意識しはじめ、彼が親しくする愛佳に対して負の感情を抱くようになる、と言う流れがなかなか面白いなぁ、と。ラストに到っては、今までどおりの仮面をかぶって中身はすっかり腹黒いキャラ(ただし、愛佳に対してのみ)と。中身がすっかり変わってしまって、一体どういう絡み方をするのだろう、と興味深く感じました。

他のキャラは、割と見られるタイプですが、それ故に安心かな、と言う印象。愛佳は、嘘をつけない性格のため、人から嫌われないようにぼっちを貫くお嬢様。そして、その中身はどんな嘘でも信じてしまうピュアなお嬢様。疑いを知らない、と言う部分で、どこか柏崎星奈を思い浮かべたキャラですが、こちらはピュア度がさらに増しているのが良かったです。白亜は天才故に誰も理解できない面があったのですが、たまたま出会った公人に懐いてしまって、部活に参加するようになります。天然キャラにくわえ、集中したらどこでもパンツを脱いでしまう、と言うのがポイントになりそうです。そして、可憐は自分を倒した公人の命を狙って部活動に参加。しかし、中身は意外と乙女なところが合って可愛いものが大好き。ことあるごとに公人の命を狙っていることを公言するのが面白いかな。

一つのエピソードが短いもので2ページ。長いものでも15ページ程度。一つのエピソードが非常に短いためにサクサク読むことができます。これも、最近のライトノベルに増えている作品のタイプかな?という感じ。この巻では、部活動が本格始動する前で、面白くなるのはこれからかな?と言う感じがしました。しかし、愛佳と公人の絡みの部分では、はじめて漫画を知った愛佳が、その内容に触発されて能力者になろうと騙されるお話のように、思わず笑ってしまうお話もありました。

巻数表記もないので、今後どうなるのかは分かりませんが、是非とも続きを読んでみたい作品です。

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件 (一迅社文庫)

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件 (一迅社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2011/11/19
  • メディア: 文庫

 


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『全滅なう』/十文字青 [一迅社]

(ショート感想)
十文字青による恋愛讃歌の物語。初めて人を好きになった男子高校生の戸惑い、葛藤、そして決断の物語。人を好きになることの苦しさ、甘酸っぱさを見事に描ききった力作です。テーマ自体はありきたりながらも、読ませる力に溢れており、ぐんぐん惹き付けられました。おススメです。


(あらすじ)
優等生で学校でも評判の天川立己は(てんかわ・たつき)、不登校の大日向夕鶴子(おおひなた・ゆづるこ)を登校させようと画策する。次第にクラスメイトと打ち解けていく夕鶴子。そんな夕鶴子の変化に戸惑う立己。思いがけず知ってしまった夕鶴子の秘密--。どこか不思議でもどかしいのがくせになりそうな青春ラブストーリー。(作品紹介より)


(長文感想)
十文字青さんが一迅社文庫で出版するのは『萌神』以来、約1年ぶりだそうです。そんなに経つんですね。傑作ラノベ『ぷりるん。』から始まった一連の第九シリーズ。売り上げが芳しくなく、第九シリーズは終了してしまったようで、今回は新たな作品となっています。帯に「第九シリーズも好評」とあるなら、第九シリーズ打ち切りにしなくてもよかったんじゃないか?と思うのですが。

ということで、ファンとしては「第九シリーズの最新作読みたいなぁ」と言うところで出版された、この『全滅なう』ですが。作品から溢れるパワー。読者を惹き付ける力。普遍的なテーマを扱いながら、どこか不思議さを感じさせる作品世界。そして、ラストに訪れる満足感。これは新たな第九シリーズの始まりだ、と予感させてくれる作品でした。

『全滅なう』を読んでまず感じたのは、十文字青さんの作品は、どこか読者を惹き付ける魅力があるな、ということでした。主人公は、どこか普通と少しずれた、でも普通の少年。その少年が、少女と出会い、恋に落ちる。初恋という誰にでも訪れる青春の一ページが物語の中心。そして、ライトノベルらしい設定をアクセントにひとつまみ。ただそれだけ。それだけの作品なのに、なんでこんなに夢中になって読んでしまうんだろう、と我ながら不思議なのですが。それが十文字青作品の魅力なんだろうなぁ、と納得するしかありませんでした。

この作品の見事なところは、ライトノベル的要素に頼り切っていない、というところでしょうね。主人公の立己が、ヒロインの夕鶴子に惹かれていき、その感情の名前に気づかず戸惑う姿。自分が恋をしていることを自覚し、どんどん夕鶴子に惹かれていく姿。自分が変わっていくことへの戸惑い、葛藤。そして、夕鶴子への思いの発露。それ自体は、決してライトノベルではなく、青春小説と言っていいと思います。この部分が初恋を思い出させてくれて、何とも甘酸っぱい、もどかしい気分にさせてくれます。

しかし、ライトノベルのレーベルから出版される作品故、ライトノベルらしさも忘れていません。この作品では、「全滅因子」という、それ自体で一つの物語を作れそうな設定が用意されていますが。それが、前面に出てこないのがまた、この作品のすごさだと思います。そして、「この設定って必要だったの?」と読者が感じたところで、絶妙のタイミングで投入される設定。その生かし方の見事さ。ライトノベルらしさを感じさせつつ、紛れもなくこれはライトノベルなんだ、と感じさせる作者の手腕に脱帽しました。

ライトノベルでは、ラブコメが非常に多いですが、これは紛れもなくラブストーリー。青春の味をたっぷりと味わわせてくれる、素晴らしい作品だと思います。久しぶりに一迅社文庫からリリースされた十文字青作品は、やはり十文字青らしさでした。ある意味自由な一迅社文庫だからこそ出せる、というテイスト。とても面白かったです。

ただ、一迅社文庫ゆえ取り扱いが少ないのか、売り上げが伸びないのかなぁ、と言うのが一番の心配。「第九シリーズ」も結局売り上げが奮わず打ち切りとなってしまったようですし。(『ANGEL+DIVE』シリーズもかな?)ただ、この作品は多くの人に読んで貰いたいと思える、素晴らしい作品でした。いかにもライトノベルな作品は苦手、という方に読んで貰いたいかなぁ、と感じました。


全滅なう(仮) (一迅社文庫)

全滅なう(仮) (一迅社文庫)

  • 作者: 十文字 青:作 ま@や:絵
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2011/08/20
  • メディア: 文庫



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『放課後ランダムダンジョン』/瀬尾つかさ [一迅社]

面白いかなぁ,とは感じたものの,今一歩言い切れないのは,内容の詰め込みすぎのせいでしょうか?

放課後ランダムダンジョン (一迅社文庫 せ 1-5)

放課後ランダムダンジョン (一迅社文庫 せ 1-5)

  • 作者: 瀬尾 つかさ
  • イラスト:CH@R
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2010/11/20
  • メディア: 文庫

 

およそ20年前,地球のあちこちで,異世界と繋がる通路が生まれた。それから,地球と異世界で交流が生まれたが,今から5年前,状況が変わった。「ゲートブレイク現象」。そう呼ばれることになる現象によって,地球と異世界の連絡が途絶してしまう。地球に残された異世界の住人は,その最下層100階がかつての異世界と繋がっていると言われている無限ダンジョン・通称「迷宮」の探索を続けていた。
ある日,昔なじみから異世界の住人が住む特区「学園」に呼ばれた法鷹和馬は,かつての戦友の娘にして,心に追った傷を負った少女。あかりと出会う。そして,学園で彼を待っていたのは,5年前生き別れたはずの妹・法鷹エーリエだった。エーリエが見つかった地下100階。そこに,彼女の秘密を探る鍵があるはず,と和馬はあかり,エーリエと「迷宮」の探索を始めるのだった。

 

作者があとがきで書いていますが,この作品,簡単に言うと,RPGに出てくるいろんな魔法体系をぶち込んで,その舞台として無限ダンジョンを用意して作った世界,という感じでしょうか。そのため,魔法のシステムやそもそもタイトルの無限ダンジョンからして,ゲームをする方にはなじみがありそうな設定かな,という感じがしました。そのため,ゲームが好きな人は結構すんなり受け入れられるのではないかな,という感じがしました。

パーティーは3人。異世界人と地球人のハーフであり,強力な主人公・和馬。勇者の血を引き,迷宮の探索ではかなりの経験があるものの,仲間を失ってしまったことから,迷宮に潜ることを恐れるようになってしまったあかり。そして,和馬の妹?にして,サポート系の魔術の使い手・エーリエ。この3人。3人パーティーとしては,なかなかバランスが良いのかなぁ?という感じがしました。個人的には,最初のゲーム版「.hack」を思い出しました。カイト,ブラックローズ,ミストラルがデフォだったのでwブラックローズ=あかり,和馬=ミストラル,エーリエ=カイトって感じで凄く親近感を感じました。

序盤は設定やら世界観やらの説明が非常に多く,読みにくさを感じました。しかし,それが一段落して,いざ迷宮の探索,となったあたりから,なかなか楽しさを感じるようになってきました。若干の薄さを感じてしまいましたが,仲間が協力し合いながら敵とたたく描写は,まさにRPGという感じで,よかったです。このまま,ダンジョンの探索をしていくのかと思ったのですが,途中から急展開。エーリエに隠された秘密が明かされたり,世界の秘密が分かったり,真の敵が明かされたり。怒濤の展開でさらに楽しさが増してきたような感じですが。ただ,乗り切れなかったなぁ,と言う思いがしました。

その理由は,なんと言っても大きいのが,「この作品が,これで完結しているから」と言う事につきると思います。正直,この展開なら2冊に分けても十分に描けたと思いますし,そっちの方が面白い作品になったような気がします。それを考えると,何とももったいないというか。310ページに押し込んだために,一つ一つのエピソードが薄くなってしまったなぁ,と言う印象があります。特に,あかりのトラウマの克服なんかは。突然思い出したようにトラウマが現れて,気がついたら解決してしまったなぁ,と言う感じがしました。

また,ラストバトルに関しても。文量としては,結構あったと思うのですが,もう少し量が増えてもよかったような,もう少し見ていたかったような。今のままでも結構楽しめたことは楽しめたのですが。もっと楽しんでいたかった,そんな感じがしました。あまり多くなりすぎるのもくどくなるのかなぁ?と思うので,その辺の按排は難しいと思うのですが。もう少し燃える展開にもできたのかなぁ,という感じがしました。

あと,結構説明部分が多かったのもマイナスポイントかなぁ,と言う気もします。1巻完結ものなのに,世界設定のせいで,どうして説明が避けられなかったというのが,残念です。この世界観こそ,作者が書きたかったもの,と言う事なのですが,それでソンをしている,と言うか。

なかなか楽しいことは確か。しかし,一押しできない,と言う感じでしょうか。


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『導紋のリーリ』/蕪木統文 [一迅社]

今時珍しい?異世界召喚もののファンタジー。

導紋のリーリ (一迅社文庫 ふ 2-1)

導紋のリーリ (一迅社文庫 ふ 2-1)

  • 作者: 蕪木 統文
  • イラスト:松下まかこ
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2010/11/20
  • メディア: 文庫

高校生の薙長隆司は,幼なじみで好意を持つ女の子に誕生日プレゼントを贈ろうとしていた。しかし,その勇気が持てず,失敗。家と違う方のバスに乗る言い訳として,参考書を買いに行く,と言ってしまったために,それを実行するため本屋に入る。しかし,運悪くそこでは893の抗争が行われており,その盾とされてしまった隆司は危機に陥る。
隆司もろとも撃ち殺すために弾丸が撃たれたその瞬間,隆司と隆司を盾にしていた893の英(はなぶさ)カオルは,異世界に召喚される。召喚されたヴェルデーラ国は,謎の敵に襲われていて,国家の危機の状態。伝説の「鎧竜閃士(シェラーズ)として,2人は召喚した主であるベイローレル・リーリ・ライトニーに従い,ヴェルデーラ国の危機を救うために,2人は戦う。

 

この世界の人間が,異世界に召喚されて勇者として戦う,と言う物語,最近あまり見ない気がしますね。私の狭い見識だと,『ゼロの使い魔』しか思い浮かばないのですが,他にあるのかな?あ,あと『H+P ひめぱら』がありましたねwそれ以外は,ちょっと思い浮かびません。それで,異世界召喚ものが好きな私としては,かなり興味津々だったのですが。ちょっと残念な内容でした。最近,残念な作品にばかり当たっている気がします。

出だしはかなりよかったです。隆司とカオルが住む現実世界と,リーリの住むヴェルデーラ国の二つの世界が交互に描かれる,と言う展開。現実世界では,隆司が好きな人にプレゼントを贈ろうとして贈れないで,あげく893の抗争に巻き込まれて死にそうになる。ヴェルデーラ国では,謎の黒い騎士が現れ,次々と護衛の騎士が死んでいく。二つの危機が相まって,緊迫感を演出。一体いつ召喚されるのだろう,と思いながら読み進めていきました。そして,いよいよ2人を召喚。普通の高校生が召喚される。その高校生は,謎の異世界では特殊な力が目覚めて大活躍,という感じの物語はあるのですが,893も一緒に召喚される物語って初めてじゃないか?どんな展開になるの?とちょっと期待に胸を膨らませて読むことができました。

ところが,ここからが残念でした。

二つあるのかな,と思うのですがまず一つ。読みにくいこと。何より読みにくい原因だったのが,893のカオルの話し言葉。いろいろな地方を回って,方言が混ざっている,とかあるのですが,その乱暴な口調が何とも読みにくさを引き立てていたように思います。インテリ893じゃなくて,特攻副隊長,と言う設定がよくなかったですね。描写自体,思わず何度も読み返してしまったほど,わかりにくい部分があったりしました。その二つの相乗効果で,読みにくいなぁ,と言う思いが生まれてしまいました。そのため,何度も休み休みしながら読んでいきました。

二つ目。主人公がイマイチ好きになれない,と言う事。カオルは893ですが,仁義とか気にするし,何より自分を召喚したリーリには絶対服従ですし,敵と対すれば無双ですし。その点はまだいいと思います。ダメだったのが隆司の方です。召喚されてから,最後の最後の場面になるまで,もうひたすら後ろ向きでネガティブで。いやなことは避けよう。何とか自分には危険が及ばないようにしよう,とするばかり。それでも,巻き込まれて行くのですが。ある意味リアルなような気がしますが,あまりに後ろ向きのその姿勢は読んでいてイライラする感じでした。最後の最後,自分がしなくてはいけない,と言う場面にいたってようやくがんばることができるのですが,それがもう少し早くてもよかった気がしました。おかげで,本当に途中までいてもいなくても良いような存在だなぁ,と。これで最後の成長がなかったら救いようがなかったです。

内容としては,普通のファンタジーという感じでした。が,あまり魅せる部分が少なかったかな,とも思います。展開として,

王国の危機→師博(シーフ)に聞けば何か知っているかも→危険な砂漠を踏破して会う→昔の伝承にその事が書かれていた→その伝承が書かれた記録を探すために,相互に立ち入らない,と言う条約を結んだ隣国に侵入→なんだかんだで記録をゲット→最後の戦い

という感じなのですが。師博に会うまでにページ数を裂きすぎているように感じました。もう少し,早くてもなぁ,と言う思いがありました。あと,オチが。果たしてこれで良いのか,と言う思いが。

物語としては,これで完結。2人は現実世界に帰る事はできていませんので,続けようと思えば続けることができるような気もします。ただ,続けるのは厳しい気がします。主人公たち,特定のものでしか傷つけることができない,としてしまったためにある意味最強。と言う事で,続けても面白みがない気がするんですよね。何かの要員で,主人公たちの無敵の力が弱まってしまう,と言う事があればあるいは,という感じがしますが。

「導紋」の設定はおもしろいと思いましたし,893が召喚されて活躍する,など,所々この作品ならではの良さも見られたのですが。いかんせん設定をうまく使いこなせていない,という感じがしました。

主人公って大事だなぁ,と思わされる作品でした。


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『絶望同盟』/十文字青 [一迅社]

今回紹介するのはこの作品です。

絶望同盟 (一迅社文庫)

絶望同盟 (一迅社文庫)

  • 作者: 十文字 青
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2010/02/20
  • メディア: 文庫

『ぷりるん。』『ヴァンパイアノイズム』に続く、十文字青さんが送る『第九』シリーズ第3弾です。ちなみに、『第九』シリーズとは、「第九高等学校」を舞台にした作品の総称ですね。あと、これ以外に『萌神』の四作リリースされています。

ようやくこのシリーズ全部読み終わることができたのですが、このシリーズで十文字青さんが描きたかったのは、「人間」なのかなぁ、という気がしています。とはいえ、『ヴァンパイアノイズム』はもう内容をほとんど忘れているのですがw

 

この作品ですが、何ともあらすじが書きにくい。基本的には、4人の登場人物と、小野塚那智が出てきますw小野塚那智はこのシリーズに毎回登場するキャラで、今回も重要そうで、重要でない役回りという感じの登場でしたw

で、メインになるのが4人。「ロリコンである自分に絶望している」当真ネンジ。「女としての自分に絶望している」蓮井カオル。「世界全てに絶望している」木羽ミキオ。そして、「なんとなく絶望している」雫石サナ。昼休み、来客用玄関ホールに集まる(ただし、群れるわけではない)4人の、それぞれの絶望の物語、と言うべきでしょうか。全5章からなっていて、4章までが一人一人の物語。最後の1章が4人の物語、となっています。

で、これがまた何とも不思議な作品。決して、強い救いがあるわけではありません。むしろ、それぞれが持っている絶望に、打ち勝つことができていない、と言うか。全員がそれぞれの絶望にもがいて、結局絶望を深めているのに、最後が救われる、と言うか凄く優しいんですよね。

ただ、私はそれが人間なのかなぁ、と思いました。それぞれが持つ絶望って、要はコンプレックスだと思います。コンプレックスって、みんな持っているわけで。誰もがそれとうまくつきあっていると思うんですよ。 で、それとどう向かい合うかと言うのが大切で。この4人は、結局4人がつながることで、お互いを救い合っている、と言うか。これって、人間生活の縮図、みたいなものではないかなぁ、と思った次第です。

まぁ、私の理解なんて浅いものなので、「ちげーよ」と言われるかも知れませんが。ただ、一ついえるのは、私、この作品が凄く好きだなぁw

『ANGEL+DIVE』シリーズも凄かったですが、この『第九』シリーズを読んで、「十文字青って作家、ものすごい!」と感じさせて貰いました。『第九』シリーズに至っては、微妙にライトノベルという枠で収まり切れていないのが凄いですねw特に、『ぷりるん。』w

何か、『萌神』の売り上げが良くなかったら、このシリーズの続きはもう書かない、とからしくて、今のところ続きでなさそうだなぁ、と言う感じがしていますorz でも、本当に素晴らしいシリーズなので、是非続けて欲しいと思います。田中哲弥曰く、「物語は三部作になるものらしく、4作目が出ると4部作になるのではなく、新三部作になる」(うろ覚え)という事なのでw小野塚那智の物語が読みたいなぁ、そんな事を思ったりしました。  


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『アンチ・マジカル ~魔法少女禁止法~』/伊藤ヒロ [一迅社]

某cさんが呟いているのを見て、読んでみました。

アンチ・マジカル ~魔法少女禁止法~ (一迅社文庫 い)

アンチ・マジカル ~魔法少女禁止法~ (一迅社文庫 い)

  • 作者: 伊藤 ヒロ
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2010/07/17
  • メディア: 文庫

kashmirさんがイラストを担当しているので、きっとギャグものだろう、と思っていたら、全然そんな事がなかったと言うwイラストは、どことなくギャグっぽい感じがするんですけどねw

90年代、人類は人間の「キレイなココロ(ブリリアントハート)」を奪おうとする鬼魔(キーマ)の脅威にさらされていた。そこに立ち上がったのが、「戦うことを目的として誕生した魔法少女」の「魔法のアイドル戦士キラキラスターズ」だった。その後、キラキラスターズの影響を受け、多くの魔法少女達が誕生し、鬼魔と戦っていた。彼女たちは、第3世代魔法少女と呼ばれ、人気を誇っていた。
しかし1997年、キラキラスターズを中心とする魔法少女連合軍が鬼魔の本拠地である鬼魔界で最終決戦に挑み、闇の女王プリンセス・オブ・ダークネスを倒し、世界は平和を取り戻した。
平和な世界を取り戻した世界だが、同時に魔法少女は不要になった。引退をする魔法少女が現れる中、事件が起こった。
当時、8歳で最年少魔法少女であった魔法少女ウサミーこと宇佐美実々が彼女たちの熱狂的ファンによって下校途中誘拐、3日後に全裸死体として発見される、と言う事件が起こったのだ。
それからいくつかの事情や事件が重なり、1997年8月、『魔法少女及び変身美少女戦士取り締まり法』、通称「魔法少女禁止法」が誕生した。
それから10年。一人非合法魔法少女として活躍するおしゃれ天使スウィ~ト☆ベリー。そして、彼女に助けられた事で女装魔法少女・魔法少女サクラ。非合法活動を続ける二人に衝撃的な事件がもたらされる。第3世代魔法少女・黄金と愛のアイドル戦士キラキラゴールド!の正体ではないかと噂されていた、金城マリーの不可解な自宅マンションからの転落死。彼女たちは、この死の真相を追っていく。

必要と思うところを拾っていったら、長くなってしまいましたw後書きによると、映画『ウォッチメン』みたいな感じだらしいです。ただ、私が基本的に映画を見ない(2時間集中できない)ので、どこまで似ているのか分からない,と言うことで、全然参考になりませんねw読書メーターの感想だと、「そこまで似せるの!」みたいな意見もあったようですがw

と言う訳で、『ウォッチメン』を観ていない人間の感想です。シリアスな作風は読んですぐに感じられました。で、魔法少女の名前や武器、必殺技の名前が可愛らしいので、そのギャップを楽しむような作品なのかなぁ、と思ったのですが、全然違っていました。とにかく、ひたすらシリアス。グロく書く部分は容赦なくグロく、という感じですし。

登場する魔法少女達は、その年代のアニメ作品がモチーフになっているので、そこら辺を知っていれば、にやりとできるかも知れませんね。ただ、にやりとできるだけで、別に全然作品に関係ない、と言うところがあれですが。

内容的には第4世代魔法少女誕生までの事件、その始まり、という感じで終わっています。始まった事件の真相が見え始めて、黒幕が見えてきた、と言うところで物語は終了しているので、物足りなさを感じる人もいるかも知れません。

ただ、この作品の面白いところは、「世界が平和になり、不要となった魔法少女たちが如何にして過ごすか」というところだったような気がします。あるものは、天才的な頭脳を生かして会社を起業していたり、あるものは精神を病んでいたり。またあるものは、主婦になっていたり。確かに、異世界からの侵略者、と言う明確な敵がいるときには魔法少女という存在は非常に力強いものですが、世界が平和となってしまったら、驚異ですよね。人間を軽くひねってしまえますし。だからこそ、魔法少女禁止法、と言うものが生まれたのだろうな、と。ここら辺は納得でした。

主人公はたぶん女装魔法少女だと思うのですが、正直いてもいなくても、という感じでしたね。最後ちょっと活躍しますけども。うーん、あまり好きになれないタイプかなぁ、と思いました。師匠であるベリーはあくまでも自分の中の正義に従って、揺るがないのに対して、主人公は自分の中に正義とか絶対的なものがないから揺らいじゃう、というか。だからこそ、ベリーに必要とされていない、と思うんじゃないか?と。次では、こいつの成長の物語になるのかな?ちょっと期待したいところです。

ひたすらシリアスなので、軽いものを求めて購入されたら痛い目をみる、そんな作品でした。とりあえず、『ウォッチメン』を観ていたら楽しめるんじゃないか?と思いますw次、一体どんな展開を見せてくれるのか、非常に期待したいところです。


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『萌神』/十文字青 [一迅社]

久しぶりの十文字青さんの作品。・・・・・・とんでもない作品でした。良い意味でw

萌神 (一迅社文庫)

萌神 (一迅社文庫)

  • 作者: 十文字 青
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2010/07/17
  • メディア: 文庫

あ、ちなみにタイトルは「もえじん」と読みます。

 他人に興味をあまり示さない、自分自身の事にさえ当事者意識を持てない離人症的傾向がある主人公・吉次の事を心配した彼の友人・中佐(自称)は、儀式によって萌神を呼び出す。そして、吉次の離人症的傾向を治すために、荒療治として萌神の萌超増幅(も エクスパンダー)の力を使って、萌覚醒(も ウェイク)させる事に。
 初めは他人に興味を持てなかった吉次だが、萌神の萌超増幅の力で、クラスメイトたち(3人)に心引かれ、悶々とする事に。そして、相手もそれぞれの理由から吉次に惹かれていって。
 そんなある日、萌神・もえるに異変が。吉次は、もえるを助けるために、命をかける決意をする。

と、自分なりにあらすじを書いてみたのですが、未だに内容が訳が分からないwとにかく、ぶっ飛んだストーリーでした。

間違いなく、5話まではラブコメ、と言うか、ラブストーリーでした。なんか、そんなにおかしい感じではないのですが、なぜかコミカルに感じてしまった不思議w今まで他人に興味がなかった主人公が、もえるの力ありとはいえ、クラスメイト達に惹かれていって、悶々とした気持ちを抱えたままこらえる姿が楽しかったんでしょうね。もう、無理するの止めちゃいなよ、と何度思った事かw

女性陣もなかなかに破壊力抜群。個人的には、眼鏡の友岡ねりんさん一択でしたw『はるかかなたの年代記』(感想書いてない)読んでいるときも感じたのですが、どうも男口調と言うか、素っ気ない話し方をする女性キャラに惹かれる傾向があるようです、私wそれと、主人公が別のヒロイン・黒小路ちみれさん(自分の命を助けるために、けがをしてしまった主人公の責任をとるために、結婚しようとしている)と仲良くしている様子に、いらだちを感じながらも、理由が分からずに困惑する姿とか、最高でした。そして、

「わたしは君が好きだ」(P.199)

と言う告白がもうw私がもう、悶々としてしまいましたw私きもっw

 

ところが6話になったら急展開。いきなりファンタジー展開に。今までのラブ展開はなんだったの?と言う超展開。私はそれでもぐいぐい引き込まれましたが、逆にあっけにとられて読むのを止めてしまう人がいても仕方ないかも、と。あまりの超展開に

「と言う夢を見た」

と言うオチじゃないか、と疑ってしまいました。まぁ、幸いにして、夢オチという展開は避けられましたがwまぁ、怒濤でしたね。ここら辺は、是非とも読んで超展開を感じて欲しいです。

結末として、「もしかして、何も解決してないんじゃない?」という感じでしたが。主人公も成長したし、なんかうまくいきそうかなぁ、という感じがしました。続きを書こうと思えば書けそうですが、この物語はココで終わっておくのが大正解でしょうね。

 

私は、なんだかなぁwと思う展開ではありましたが、面白かったです。もう、途中からぐいぐい引き込まれてしまいましたし。作者、こんな作品も書けるんだなぁ、と思いましたし。ただ、万人にはお勧めできない作品だと思います。どの辺の層におすすめか、と言われても難しいですが。

最後に、カラーページのイラスト、本編と全然関係ないんじゃ・・・・・・wだまされたよw


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