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黒乙女―シュヴァルツ・メイデン― 黒き森の契約者/玖野暮弥 [富士見]


黒乙女―シュヴァルツ・メイデン―  黒き森の契約者 (富士見ファンタジア文庫 190-1)

黒乙女―シュヴァルツ・メイデン― 黒き森の契約者 (富士見ファンタジア文庫 190-1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2008/06/20
  • メディア: 文庫



本作は、無愛想な少女と胡散臭い保護者がやかましいお嬢様により持ち込まれた妙な事件に巻き込まれ、あるいは首を突っ込んでゆく、そんなお話です。(あとがきより)

読んでいてこの世界がどのようなものか、今ひとつイメージしにくかったですが、あとがきに「重厚な世界観やハードな展開とは無縁」とのこと。納得です。個人的な理解では、「科学」を「魔術」に置き換えた世界で、18世紀くらいのヨーロッパの感じです。正直、別に異世界ではなく、現実世界を舞台にしてもいけそうな感じはしました。と言うより、あまり世界観が描かれていないので、異世界である必然性を感じなかったです。ハイファンタジー好きとしては少し残念。

ただ、この作品の見所は世界観ではなく、無愛想な少女・シェルーナとやかましいお嬢様・マリーの名コンビぶりでしょう。読み始めて、「いい関係だなぁ」と思っていたのですが、二人とも似た境遇に置かれた、似たもの同士だったのですね。ただ、その事態に対するベクトルが違っただけで。だけど、根元の部分が同じだから、良いコンビになることができた、と言ったところでしょうか。ありがちではあるのですが、ほほえましかったです。

また、サブキャラのハリトとソクラテスがいい味出していたと思います。ハリトとソクラテス、可愛かった。ソクラテスは知識が豊富で偉そうにしているけど、暴力的に出られると弱腰になってしまう、ありがちな設定ではありますが、それが良かったです。しかも姿は、美形のフクロウ。

ふり返ってみると、「この作品の8割くらいはありがち(ベタ)でできています」という感じですね。私は、ありがち、べた、王道は大好物なので「どんとこい」という感じですが。また、世界観がよく分からない(異世界である必要がない)、誰がしゃべっているか分からないところがある(これは私の理解力のなさ故、なのでしょうが)、など、若干気になる点はありましたが、主人公たちの掛け合いや交流が良かったです。にやにやしてくる感じです。あとがきによると、この物語はこれで終わりと言うことですが、個人的には、もう少しこの二人のお話を読んでみたいと思いました。
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