ダンタリアンの書架1/三雲岳斗 [角川]
主人公はこの世に存在しない、禁断の「幻書」を封じた「ダンタリアンの書架」である少女・ダリアンと、その書架の門衛であるヒューイ。そして、この二人が「幻書」と、それに関わった人たちを訪れ、そこで何かが起こるといった感じのダークファンタジーとなっています。
基本的に主人公二人は傍観者。「幻書」を求める人に貸出、返却期限が来た「幻書」を回収するだけです。時には、「幻書」を回収しに行ったりもしますが。そこら辺は、『キノの旅』のような感じなのかな、と思いました。『キノの旅』は読んだことないので、よく分かりませんが。
そして、ダークファンタジーを謳っているだけあって、基本的に話に救いがありません。最後の「焚書官」だけは、主人公が違うので、救いがある感じですが。
暗い話や、グロが極端に苦手な人にはお勧めできません。元々スニーカーに連載されていたものをまとめた、連作短編といった趣なので、ちょっと話を楽しみたい、と言う人は、ちょっといいかもしれません。個人的にはどれも面白く読みましたが、おすすめは「叡智の書」と「独裁者の書」です。
第4話まで読んだ感じでは、幻書に関わった人が不幸になっていくのを、主人公二人が見守る、みたいな話が続くのかと思ったのですが、最後の「焚書官」でどうなるか、楽しみになってきました。この二組がどのようなことを巻き起こしていくのか、非常に楽しみです。
2008-11-04 23:16
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