俺の妹がこんなに可愛いわけがない②／伏見つかさ

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)

• 作者: 伏見 つかさ
• 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
• 発売日: 2008/12/05
• メディア: 文庫

結構楽しみにしていた第2巻。発売日前ですが、届いちゃったので早速読んでみました。

あとがきを見る限り、シリーズ化する予定はあんまりなかったみたいですね。ま、確かに先が見えているような感じですが。個人的にはとてもうれしいです。主に幼なじみと沙織目的で。今回は出番も多かったですし、面白かったので非常に良かったです。

電撃ブートレッグの紹介文見たときは、「『乃木坂春香の秘密』の夏コミに行く編か」と思ったんですが、そうでもなかったです。ま、その部分が非常に大きかったのですが。一章が友達が遊びに来る編、二章が幼なじみとすれ違う編、三章が友達にばれた編、と言ったところでしょうか。

幼なじみ大好きな私としての一押しは、当然二章です。まあ、ありがちな話ではあるのですが面白かったです。何より幼なじみいいなぁ。1巻では出番が少なかっただけに、一章丸々幼なじみのために割かれているのは嬉しい限り。もう、何ならメインキャラにして、作品書いてもらいたいくらい好きです。まあ、つまらなくなりそうですが。それこそ、やまなしオチなし意味なしになりそうですが。ロックは最優秀助演男優賞だと思いました。ああ、しかし幼なじみみたいな人、本当にどっかにいないかなぁ。

三章は沙織・バジーナの出番満載でこっちも楽しめました。やはりあのキャラはおいしい。で、かなりいい人だと思う。話のメインとしては、親友にオタク趣味がばれて、絶交されて……という話なのです。しかし、この親友があまり言い人間に思えなかったのは、私が歪みきっているからなのかな？こういう、自分の価値観を押しつけてくる人間は苦手です。ま、言っていることは間違いではないと思うのですが。

そして、最後はどこに向かって書いているんだ、と言うか、どこのスレの主張だろうか？という感じでした。まあ、確かにマスコミの下りはそのとおりなのだろうな、と思ったのですが。と言うか、あそこの評論家が大○昭宏にしか思えなかったなぁ。フィギュア萌え族の件があるからでしょうが。ついでだから、児童ポルノ禁止国の方が犯罪が多い、とか言うデータも載せておいてくれれば面白かったのに、とは思いました。こういう議論をするべき人は、こういうの読まない、とか思ったりしますが。

「今回も前回と同じ展開じゃない？」と思ったんですが、前回とは少し趣向を変えてあるのがなかなか面白かったです。オチでは、かなり笑わせてもらいました。「夏目漱石はラノベ」とか「源氏物語はラノベ」に通じるものを感じました。それに納得するなよ、とも。まぁ、相手が中学生だからいいかな。何より、MVPは親父ですね。親父いい奴だ。全部「偶然」で片付けようとするところも笑えました。

それにしても、この巻はあまり「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」とは感じませんでした。最後はちょっと抱けよかったですが。まあ、私が妹萌え属性を全く持っていないせいでしょう。幼なじみと沙織・バジーナは可愛くて可愛くて仕方ないのですが。

頭を空っぽにして、しこたま笑えました。……しこたまって九州方言と言うことらしいですが、ほかのことばが思いうかばない。1巻では、『乃木坂春香の秘密』との差別化に課題を感じてばっかりだったのですが、完全に杞憂だったようです。新たに、最後の展開に不安は覚えましたが。3巻も出るようなので、楽しみにして待ちたいと思います。

さて、これから『乃木坂春香の秘密⑨」を読みたいと思います。