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草薙護堂は如何にしてカンピオーネに至ったのか 『カンピオーネⅢ はじまりの物語』 [集英社]


カンピオーネ! 3 (3) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-3)

カンピオーネ! 3 (3) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-3)

  • 作者: 丈月 城
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/03/25
  • メディア: 文庫



神の力を持つカンピオーネ・草薙護堂が、神話に登場するビッグネームと激しいバトルを繰り広げる『カンピオーネ』シリーズ第3弾。スーパーダッシュ文庫は、もうちょっとこのシリーズを押しても良いと思うのですがねぇ。神話好きには堪らない内容ですし。神話好きでないとしても、楽しめると思うので。

さて、Ⅰではアテネ、Ⅱではアポロンの権能を持つカンピオーネと、次々とビッグネームの神と戦ってきた本シリーズですが、今回は一休み。サブタイトルにあるように、草薙護堂が如何にしてウルスラグナの権能を簒奪したか、という物語になります。ここは、非常に気になっていただけに興味深く読むことが出来ました。

ただ、今回の見所はそれだけではありません。個人的には、この巻の一番の見所と言えるかも知れない、もう一つの見所が。それは、ツン全開のエリカです。今回は、草薙護堂の始まりの物語と言うことで、エリカとの出会いも同時に書かれています。で、その出会いというのが典型的なパターンと言える、最悪なモノで。最悪から始まるので、前巻までのような甘い展開はありません。もう、敵意むき出しで護堂と接します。前作までの、様子がなりを潜めているのは、エリカ好きとしてはちょっと残念な気もします。ただ、ツンのエリカも良いなぁ。我ながら、単純なモノだと思いますが。始めは、最悪な関係の二人だったのが、だんだん打ち解けていき、力を合わせてウルスラグナを倒すまでのストーリーは、かなり良かったです。頬に口づけの場面では、まさかのツンデレのエリカを堪能できますし。こうして、護堂はエリカの尻に敷かれていくのか、と。

バトル部分ですが、今回はいつも以上に大苦戦。ただ、護堂はこの時点でただの人間。対するウルスラグナは常勝不敗の軍神。当時のエリカでも軽くひねられていたのに、ましてや何の力もない護堂に勝ち目はあるはずがなく。本文でも、幾重にも偶然が重なって起こること、みたいに書かれていますし。前巻までの熱い展開には至ってないですが、それでも神を前にして決して諦めない主人公は、やはり主人公たる素質だと思います。自分の周りのすべての状況を生かして戦いを挑む姿は、泥臭くはありますがかっこいいです。

今回は、ファーストエピソードと言うことで、祐理の出番が少なく(序章と終章でちょっとだけ出て来ます)、ファンの方はちょっと残念かも。でも、護堂に惹かれているけど、素直に気持ちを出すことが出来ない様子が感じられ(要はツンデレですが)、そこは満足です。でも毎度恒例と言ったらそうなのですが、この巻では、ツンのエリカにすべてを持って行かれている気がします。そのため、ますます存在意義が薄れている気が。是非とも、次の巻では頑張ってもらいたいモノです。でも、エリカがいれば良いような気がするのですよね。

終章では、気になる次の巻の暗示がされています。そこで、まさかのあのキャラの再登場が。個人的には、因縁の場所だけに、メルカルトとの再戦か、と思ったのですが、そうはなさそうですね。こちらは、また別の話になる模様。まあ、あのキャラとの再戦も非常に楽しみではありますが。ただ、一筋縄ではいかないことは確か。どのような神との戦いが待ち受けているか、楽しみです。そして、次の巻では、今回登場していないリリアナも再登場しそうな気配。エリカと一緒に是非とも活躍してもらいたいです。

あとがきでは、他のカンピオーネについても登場が匂わされていますが、是非とも他の方も見てみたいモノです。あと、だんだんデレてきたエリカが、完全にデレるまでのストーリーも。こちらは、メルカルトとの再戦に関わっていそうで、こちらも見てみたいです。そう言えば、サルバトーレ・ドニとの最初の戦いも見てみたいなぁ。

ここまで、外れなしの非常に面白いシリーズだと思います。このまま、人気が出て行けばメディアミックスの話も出てくると思いますが、どうなることやら。楽しみなような、怖いような。ただ、今後も大切に育てていってもらえると嬉しいです。
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