SSブログ

『その日彼は死なずにすむか?』/小木君人 [小学館]

仕事もしないといけないのに、今日も今日とてガンダム戦記にラノベにアニメに特撮。なんてダメ人間の鏡なんだろう、私wまぁ、ねる前にできることをしてねよう、と思っているので、今のところ問題ないかなぁ?という感じ。休日は休むモノですよねw

と言うことで今回読んだのはこれです。

その日彼は死なずにすむか?1.jpg

第3回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作です。ガガガ文庫、当初は地雷作品も多いと言われており、現在も地雷多し、と言われているようですが(私はそう言うのは、中村九郎作品以外は避けているつもり)、ここ最近は質が良いのも出ているようですね。まぁ、挿絵担当した人のパースが見つかった、とか別の意味でやっちゃっている感じはしますけどもw

と言うことで、感想は追記にて。

17歳のある日、薬局で風邪薬を買った主人公・八戸綱一。しかし、その中身は風邪薬ではなく、釘などが入れられ、殺傷能力が高められた時限式爆弾。そして、爆弾は爆発。その時、主人公が目覚めると、黒い空間にいた。そこにいたマキエルと名乗る存在から、人生をやり直すゲームをしないか、と持ちかけられる。そのゲームとは、綱一が7年前から人生をやり直して、彼の人生の中に落ちている奇跡の欠片を全てコンプリートすると、彼は17歳のあの日、死なずにすむ、と言うモノ。失敗すればそのまま死亡。そして、綱一は、奇跡の欠片を全て集めて、あの日死なずにすむ為、人生をやり直すことに。

えーっと、どこの『CLANNAD』ですか?wという感じですね。出だしは。まぁ、この辺の設定はおそらく『CLANNAD』からアイデアを得ているんだろうなぁ、という感じがしました。章立て自体、ゲームっぽい感じですし。だからといって、「駄作」かと言ったらさに非ず、むしろかなりできの良い、素晴らしい作品でありました。

この作品、とにかくヒロインのソフィアの魅力で溢れていたと思います。

その日彼は死なずにすむか?2.jpg

人生をやり直し、奇跡の欠片を集める為に今までの人生を反省し、少しずつ勇気を出して行動することにした綱一。そんな彼が一番最初に得た友だちが彼女、ソフィアでした。このソフィアがまぁ、無邪気で可愛らしくてけなげで一途で。とにかく可愛らしかったです。もしかしたら、あざといと感じる人もいるかもなぁ、と今記事を打っていて思いましたがwとにかく彼女が魅力的でしたね。そりゃ、彼女との出会いと友情(そして愛情)を深めるのに一番長く章を取るのは仕方ないことですよねw

その日彼は死なずにすむか?3.jpgその日彼は死なずにすむか?4.jpg

今回、キャプした画像、これが全てです。私が如何に彼女に惹かれていたかが分かってもらえるのではないでしょうかw「私--ね、死ぬわ。コーイチが死んじゃったら、私も死ぬ」(P.292)とか言ってくれる女性に、10歳で出会えるってのは幸せですよね。私、その3倍以上生きていますけど、未だそんな女性に出会えていませんぜwそして、これでも二人は完全につきあっているわけじゃないんだぜw何でやねん、といった感じですが、実際告白していないんだから仕方ないですよね。

このほかに、綱一を好きな二人の女性が出て来ます。この二人もそれぞれ良いキャラなんですけど、いかんせんソフィアの章にページ数を割きすぎて、ページ数不足の印象が否めないのが残念ですね。特に、表紙左のとも実は、結構いい味出しそうだったんですけどね。綱一への好意もなんか中途半端な感じでしたし、幼稚園時代の謝罪に関してもなんか中途半端な感じでしたね。これは、この作品が投稿作品であり、1巻で全てを終わることを余儀なくされた結果なんですよね。本当にもったいないです。個人的には、この内容を2巻にして、深く書いていけばより素晴らしい作品になった、と思います。思い切って、2巻に再構成、とか考えられなかったのかなぁ?無理でしょうね。

表紙右の弥宵に関しても、綱一への好意が最初から全開の割には、なんだか幸が薄かったような感じがしたのは残念。もとの人生も幸が薄かったのに。綱一が彼女を助けることで、この人生では無事過ごすことができたようですが、その結果、結局ソフィアへの当て馬にされたことも否めませんね。まぁ、顔があれだからかなぁ?可哀相に。

と不満点を述べましたが、それは仕方ないことかなぁ、と思います。元々、小学館ライトノベル大賞の応募作品ですからね。これが、作者の2作目で、2巻か3巻ベースで考えられていたら、と思わないでも無いです。ですが、それでも素晴らしい作品でありました。何というか、ソフィアと綱一の関係が微笑ましかったり、綱一の人柄が好印象だったり、「えっ?」って展開があったり、何より綱一とマキエルの関係が良いんですよね。ラストの一頁、あれがかなり良かったです。

若干、綱一が羨ましいなぁ、と思いながらも、良い気持ちで読むことができました。ただ、これ読んでいるとき、ひとつアクシデントがありまして。2時間くらいじっくり読んできて、いよいよクライマックス、綱一の運命は、と言うときにお客さん。で、それに対応したら、宗教の押し売りで。「日本でも鬱病が流行っているの知っていますか?」とか。「そんなこと常識じゃねぇか。大体、自殺者は去年は3万人じゃなくて、3万2千人くらいだったろ」とは思ったのですが、興味がない、とお断りしました。が、おかげで良い気分がすっかり台無し。クライマックスに向けて最高に盛り上がっていた気持ちがすっかりしぼんでしまいましたよorz全く、これどうしてくれよう、って感じでした。ただの愚痴なんですけどね。

ま、そんなアクシデントはさておいても、大変良くできた作品でありました。これは素直にオススメできますね。ページ数も360頁程度と、適度に読み応えがある感じでしょうか。非常に読みやすいですし、読書の秋の一冊にどうでしょうか?


ブログパーツ
nice!(31)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 31

コメント 4

bapio

過去記事の事をこちらに書くのは気が引けましたが、takao姉様なら許してくれると思いましてこちらにお邪魔したしましたわ(’-’*) フフフ

takao姉様のお部屋は期待を裏切らないものでしたわw
もう死ぬ時は本に埋もれて死ぬと言う感じですねw
もう読まない本もあるのでしょうけど、本って中々捨てられないですよね。
私もレコーダーの箱は取ってありますww
修理とか出す時にいるかなー?と思いましてw

そうそうまこたまさんも言われてましたが、takao姉様が本とヒャホーイする画像楽しみにしております。


by bapio (2009-09-07 11:20) 

takao

bapioさん、ごきげんよう。nice!&コメントありがとうございます。

ぬわぁにいいいぃぃぃぃ!過去記事のコメントだとぉ!全然かまいませんよw『神曲奏界ポリフォニカクリムゾンS』再放送記念に、コーティカルテin戸松ちゃんをまねてみました(’-’*) フフ

ご期待に応えられたようで、大変嬉しく思いますwって、あれ?それはさておいて、死ぬときは本当に、本に埋もれる、という感じでしょうね。それはそれで本望ですしね。

オタキングこと岡田斗司夫さんだったかは、3年読まない本は読まない、と言うことで全部処分する、と言っておりましたね。若しも読みたくなったら、ブックオフなんか探せば見つかるから、と言うことでした。流石に希少本などは保管するそうですが。それくらい割り切れたらいいのですが、私にとって本は思い入れの強いモノ。これを読んであんな子と考えたなぁ、と思ってしまって、処分できないのですよ。たとえ、それがどんなに地雷でもw夢は大きく、ラノベいっぱいtakao文庫ですしねw

レコーダの箱以外にも、プリンタの箱もありますよwわたくしも、修理の時に必要かなぁ、とか思って処分できません。

ヒャッホーイ!ですかぁ。まぁ、期待せずにお待ちください。私の体、一目の鑑賞に堪えられるほどのモノではありませんのでw

それではbapioさん、ごきげんよう。
by takao (2009-09-07 22:14) 

takao

トメサンさん、nice!ありがとうございます。

ほりけんさん、nice!ありがとうございます。

noriyukiさん、nice!ありがとうございます。

秋月あきねさん、nice!ありがとうございます。

アロンダイトさん、nice!ありがとうございます。

まなふぃさん、nice!ありがとうございます。

まこたまさん、nice!ありがとうございます。

優先さん、nice!ありがとうございます。

xml-xslさん、nice!ありがとうございます。

chokusinさん、nice!ありがとうございます。

ブラザーボブかきもとさん、nice!ありがとうございます。

ロックさん、nice!ありがとうございます。

Lunamariaさん、nice!ありがとうございます。

直chanさん、nice!ありがとうございます。

takemoviesさん、nice!ありがとうございます。

アリア・ポコテンさん、nice!ありがとうございます。

moeさん、nice!ありがとうございます。

shinさん、nice!ありがとうございます。

usakoさん、nice!ありがとうございます。

赤眼の魔王さん、nice!ありがとうございます。

keiさん、nice!ありがとうございます。
by takao (2009-09-07 22:17) 

takao

ひめさん、nice!ありがとうございます。

おどんとグリフスさん、nice!ありがとうございます。

aspirebeatさん、nice!ありがとうございます。

カルディアさん、nice!ありがとうございます。

Gomarzさん、nice!ありがとうございます。
by takao (2009-09-08 22:04) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。