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『カンピオーネ!Ⅷ 受難の魔王たち』/丈月城 [集英社]

今回は短編集!いつもと趣が違って,熱さとエロが少ないですが,いつもと違ったおもしろさがあって大満足でした。

 

カンピオーネ! 8 受難の魔王たち (集英社スーパーダッシュ文庫)

カンピオーネ! 8 受難の魔王たち (集英社スーパーダッシュ文庫)

  • 作者: 丈月 城
  • イラスト:シコルスキー
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/11/25
  • メディア: 文庫
 
 
 
 

ある日,護堂ははとこで東京の名門女子大学に通うさくらの相談を受ける。それは,「東京にはものすごくHで女の子が好きな,恐怖の大魔王(護堂のこ と)がいるらしい。そして,自分の大学で新しく友だち(古い魔法使いの家柄)が,自分も無理矢理愛人にされるのではないか,と心配してる。だから,自分が これ以上酷いことしないで,とお願いしたい。だから,恐怖の大魔王を探すのを手伝って」とのこと。さくらに協力して,自分を捜索する手伝いをすることに なった護堂は・・・・・・。他,エリカとリリアナがクオレ・ディ・レオーネとイル・マエストロを手に入れたときのお話や,アレクとプリンセス・アリスが聖 杯を求めるお話も。

 

今回は,短編集と言うことで,護堂の方は戦いが無し。まつろわぬ神との熱い戦いや,ちょっとエロイシー ンもなく,その点を期待すると,肩すかしを食らうかも知れません。とはいえ,護堂の日常の話や,サルバトーレ・ドニがカンピオーネになったばかりのお話。 さらには,アレクが聖杯を求めてまつろわぬ神との戦いをする話があり,色々楽しめました。たまには,護堂以外のカンピオーネの戦いの話を読むのも良い なぁ,と感じました。まぁ,惜しむらくはお姉様の戦いが無かったことでしょうか?w

それぞれのエピソードの感想でも。まず,護堂の話。自分 では「普通に」「平和に」生きているつもりの護堂ですが,周りの評判は,護堂の思うものとどんどん乖離しているのが面白いなぁ,と思いました。もっとも, 護堂の自分に対する評価の根拠が全く分からないのですが。カードゲームに興じているときに陸鷹化,甘粕,馨の3人の感想が,普通の人のもつ感想でしょうね w

そして,自分で願っているわけでもなく,さらにまつろわぬ神と戦ったわけでもないのに,新たにハーレムのメンバーを増やす護堂さんは,も うさすがと言うしかありませんでした。もう,ココまで描かれると逆にすがすがしいです。一体,ハーレムはどこまで増えるんだろう,と言う気がします。

護 堂パートでもう一つよかったことがあります。それは,リリアナ。7巻での護堂との駆け引きを経て,今までとは違い,余裕,落ち着きを得た彼女。その余裕が 彼女の魅力を引き出していたように思います。的確にサポートし,助言し。時には気配りが見えて,まさに魅力的な女性だなぁ,と感じました。これでエリカ, 祐理,恵那と戦える!という感じがしました。

ドニのお話。これは,エリカとリリアナが12歳の時,それぞれがクオレ・ディ・レ オーネとイル・マエストロを手に入れるまでのお話に含まれているのですが。あの方,昔からあんな感じで飄々という感じだったんだなぁ,と思いました。 まぁ,普段はそれこそ阿呆のようにしているのに,戦いになると神の権能を奮う鬼神となる,と言うところがサルバトーレ・ドニと言うカンピオーネのいいとこ ろだと思いますが。しかし,あまりに適当すぎてwあまりのこちらのインパクトに,エリカとリリアナの影が薄くなっていたような気がしました。とはいえ,こ の機会を生かして,獅子と匠の双剣と,魔術の奥義を手に入れる2人は,もうさすがと言うしかありませんでした。

アレクの話は,これが一番本 編に近い感じでしたね。実際,彼はミノタウロスとの戦いが描かれていましたし。本編でも語られていたことですが,彼もさすがはカンピオーネというか,一筋 縄ではいかないようで,そこが面白いなぁ,と感じました。そして,特筆すべきはプリンセス・アリスとの相性の良さ!腐れ縁の中で培われてきたお互いの理 解。そこから生み出される相手との会話。読み合い。掛け合い。この辺が非常に楽しかったです。そして,さすがはカンピオーネと言うべきか。ひとたびまつろ わぬ神と対峙すれば,権能を発揮して戦うアレクがよかったです。アレクは二つ目の権能がちょっと凶悪すぎますねw

さて,短編集で はありましたが,次の巻の引きも忘れられていません。次回の舞台は学園祭。そして,現れるまつろわぬ神は,あのビッグネーム。あとがきによると,キーワー ドは「円卓の騎士」「伝説の剣」「最後の王」と言う事です。もうおわかりですねwただ,本編の「戦い疲れた英雄の姿」というのが非常に気になるところ。湖 の騎士を守護に付けた,グィネヴィアを名乗る魔女が求めているのが「最後の王」と言う事ですが。意味深で興味深いです。この戦い,アレクが絡んで来そうな のも楽しみです。

あと,気になるのは最後の王を倒して,その権能を手に入れるのが誰か,と言う事。伝説の剣をもし鋼の軍神ウルスラグナの権 能を持ち,天叢雲剣をもっている護堂が手に入れた場合,まさに鬼に金棒というか,「ぼくがかんがえたさいきょうのえいゆう」状態になってしまう感じがしま す。とはいえ,ウルスラグナの権能を全て出てしまいましたし,新しい権能を手に入れるのには絶好の状況。「最後の王」にして「最強の鋼」たる彼を倒して, 護堂が「最強の鋼」の座を手に入れるのか気になります。横から,アレクがかっさらっていく,と言う可能性も捨てきれないだけに楽しみです。ただ,これを手 に入れるとしたら,サルバトーレ・ドニが最適な気もしますけどもw

ちょっと一休みを挟んで,一体次はどんな激しい戦いが繰り広げられるか。そして,護堂さんはどんなプレイを繰り広げるのか。後書きの感じからして,再び前後編となりそうな予感がしますが,楽しみです。


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MM

アーサーは多分最強の鋼ではないと思います
ルクレチアがその様なことを仄めかしていましたし
最強の鋼と戦う前の前哨戦という感じではないでしょうか
by MM (2010-11-27 15:38) 

takao

MMさん,コメントありがとうございます。

確かに,彼女が最強の鋼は大陸の東西にまたがる存在の可能性を指摘していましたね。
なるほど,確かにアーサーとの戦いで,鋼の権能をさらに強化したところで,最強の鋼が登場して,戦いを繰り広げる,と言う可能性が高そうですね。

参考になりました。ありがとうございます!
by takao (2010-11-27 16:38) 

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