『カンピオーネ! Ⅸ 女神再び』/丈月城 [集英社]
最後の王復活のために暗躍するものたち。それを阻止しようとする女神。それが叶わない,と悟った時,女神は護堂と決着をつけることを望む。あくまでも戦いを拒む護堂だが,強力な力を全開にし,女神は決着を望む。遂に,二人の因縁に決着がつく時が来た。
カンピオーネ! 9 女神再び (カンピオーネ! シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-9)
- 作者: 丈月 城
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/03/25
- メディア: 文庫
だいたいのあらすじは,最初の文章で。
いよいよ『カンピオーネ!』もクライマックスに入ったか?と感じさせる巻でした。いよいよ,この世の最後に顕れる王・アーサーの名前が登場。全ての神殺しを滅ぼす宿命の戦士・アーサー。彼が眠る地は,日本。アーサーが復活しては,草薙護堂が真っ先に打ち倒されてしまう,と言うことでアテネが阻止しようとしたのですが。そこに立ちはだかるのが,湖の騎士・ランスロット。
この巻は,とにかくバトル全開。いきなり,アテネ対ランスロットから幕を開けました。今までと違い,おのれの持つ権能を奮い戦う二人のバトルは読み応えが十分でした。一発一発がすでに超必殺技。お互いの全力で戦う姿が面白かったですよ。
この後,自分の死の時期を悟ったアテネが護堂と決着をつけようとするのですが。護堂も力を上げていることが実感できる戦いでした。と思いきや,まさかの護堂とアテネがタッグを組んでのランスロット戦。そして,アテネとの最後の戦い。このあたりに到っては,一体どうなってしまうのだろう,と続きを読む手が止まりませでした。いよいよ,アテネとの決着がついてしまうわけですが。個人的に,護堂とアテネがシリーズ最後の戦いになるのではないか,と思っていたので,ここで決着がついてしまうことに関しては,若干の物足りなさを感じてしまいましたが。終わりはあっけなかったですが,これはこれで綺麗な終わり方だったような感じがします。アテネと護堂の間に絆が残ったことに,嬉しいものを感じます。
個人的には,怒濤のバトル展開に目が行ってしまったのですが。忘れてはいけないのが,ハーレムの進展。祐理とリリアナが「ダメだこいつら・・・早く何とかしないと」的な展開を迎え,ますます親密度が増していることを感じさせてくれた中で。一気にブレイクしたのが,なんと恵那。普段は女性らしいそぶりを見せなかった彼女が,遂に護堂に迫る時。これは,もう我慢した護堂が偉いとしか言いようがないw危うく,エロノベルになるところでした。いや,十分にエロかったですがw文字だけ見たら,どう見ても挿入シーン,とかですねwそして,そんな中,護堂がいよいよ覚悟を決めた,と言うのも見逃せないポイントでしょう。今まで,そんな年じゃないから,と言う理由で欲望に抗ってきた護堂が,その本当に気づいた。と言うことは,その高みに登る時が来た,ということでしょう。つまり,ラストバトルが近いことの証なのかな?そんな感じがしました。その覚悟の一端が,今回新しく編み出した力,ということでしょう。
今回は,エリカは少しおやすみ。と思いきや,良いところで登場。流石は,メインヒロインです。護堂のために,リリアナと新しい力を手に入れるために動く二人ですが。アーサーが復活した時,その力をふるう時かも知れません。
ところが,アーサー復活のシリーズになるのかな,と思わせつつ,気になる点もあります。まず,サルバトーレ・ドニの願い。このまま,彼と護堂の決着をつけないまま終わるとも思えませんが。何より,最強の鋼であるアーサーを前にして,ドニが黙っているとも思えません。一体どんな形で参戦してくるのか。気になるところです。
そして,もう一人。あの存在が一体何を企んでいるか分からないだけに,動向が気になります。
ここに来て,まだまだ盛り上がりを見せるこのシリーズ。ますます目が離せなくなってきました。
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