空の中／有川浩

空の中 (角川文庫 あ 48-1)

• 作者: 有川 浩
• 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
• 発売日: 2008/06/25
• メディア: 文庫

前に読んだ『阪急電車』が面白かったので、作者買いした本。ちなみに『図書館戦争』シリーズは去年買ったまま積まれています。

で、感想と言えば、「面白かった」。大絶賛までは行かないけど、おすすめ。出だしはとても面白かったです。高度2万メートルの空に何かがいて。事故が起こって。無念のうちに亡くなった方々がいて、と。出だしはすごく良かった。名作の予感、という感じで。

たが、残念だったのが終わり方。確かに、あの展開だと、あの結末しかないとは思うのですが、個人的にはすごく尻すぼみに終わった感じがしました。広げてきた風呂敷を急にぱたぱたしまった感じと言えばいいのか。まあ、それもいちゃもんレベルにしか過ぎないのですが。

で、文庫本書き下ろしの『仁淀の神様』これはとても良かった。元々、人が亡くなる話には弱いのですが、今回は涙腺に直撃しました。何より、「良かったね、佳江」というところでしょうか。

ともあれ、おすすめです。作者が「大人のライトノベルを書きたい」という意気込みが感じられました。ただ、個人的には「これが大人のライトノベルか？」と聞かれると、「違うんじゃないかなぁ」と言う気がしますが。それでもライトノベルを主に読んでいる層も、ライトノベルを読まない層も十分に楽しめるエンターテイメント性をもっていると思います。