under2異界イニシエイション/瀬那和章 [アスキー・メディアワークス]
あとがきを読んで、「若いっていいなぁ。この根拠不明の自信過剰」と。それが若さの特権かも知れませんが。で、挫折を知って大人になっていくのかな?とどうでもいいことを思いながら、本書を閉じました。
で、失礼なことですが、この作品に期待していたのは所謂「地雷」的性質でした。でも、あんまり地雷でもなかったと言うのが正直な感想。評価としては、人から「面白いか」と問われると、「悪くはなかった」くらいの、微妙なものですが。
本作は、前作の最後で、異界使いとして戦うことを決意した唯人の成長と、反翼の魔女の過去にスポットが当たっています。
読みながら、「この作品の主人公は誰なのか」と思いながら読んでいました。前巻の印象からして、唯人かと思っていましたが、そうでもないようです。反翼の魔女かな?とも思いますが、神出鬼没で出番が多いわけではない反翼の魔女が主人公、ってのもどうか。読み終えて、今後の展開は、唯人の成長と灯香との交流、そして蘭不の過去との決着がメインになるだろうという印象を受けたので、二人が主人公かな、と言うことで一人納得。
話のメインとなるものの感想。唯人の成長については、こんなものかな、と思いました。正直、ありきたりかな。もう少しうじうじしていても良かった気がしますが、戦う理由が見つかって良かったね、と思うことに。今後は、龍騎みたいに「戦いたくない」→「戦う決意した」→「でも戦いたくない」(かなり記憶が曖昧)の無限ループみたいにならないことを祈ります。ただ、あの結論を出すのにあんなに悩むものでしょうか。
反翼の魔女の過去についても、別に特筆すべき物もない気がします。大変だったね、とか、いっそ、父親殺しておけば良かったのに、とは思いましたが。最後は、全部が全部、反翼の魔女が力で解決、ではなかったのは良かったです。
気になったのが、第六幕の部分。反翼の魔女パートで回想と現在の部分が繋がっているため、わかりにくかったです。行を空けるだけで、断然読みやすくなったでしょうに。それと、途中で唯人の意識が途切れる、という部分が合ったのですが、あそこは「……」と三点リーダー打っておくべきだったと思います。句読点もなくいきなり行が変わっていたので違和感を感じました。ついでに、「異界」の性質上、もっとグロい描写ができた方がいいと思います。余計なお節介ですが。
上にも書きましたが、この巻で今後の話の展開は明確になったと思います。心配な点は、今回いつの間にか反翼の魔女が強くなっていたこと。「どうだ、これなら魔女より強いだろう」→「私がそれだけの力って誰が言った」→「なんだとー」みたいな展開は勘弁願いたいです。と思うのですが、ドラゴンボール的インフレが起こるのは確実だろうな。
そして、帯を見て思い出しのですが、これ銀賞だったんだ……。
2008-09-15 02:26
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