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買うか買わないかは、書店で立ち読みしてから  曲矢さんのエア彼氏 木村くんのエア彼女 [小学館]


曲矢さんのエア彼氏 (ガガガ文庫)

曲矢さんのエア彼氏 (ガガガ文庫)

  • 作者: 中村 九郎
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/03/19
  • メディア: コミック



気分一新、タイトルの付け方も変えてみました。と言うわけで中村九郎氏の久しぶりの新作です。前作『樹海人魚2』が2008年3月発売なので、約一年ぶりの新作ですね。どうりで、最近中村九郎分が足りないわけです。久しぶりに、中村九郎分を補給できました。

さて、久しぶりの新作ですが、いきなり出だしからやられました。もう、タイトルからやられていたのですが。エア彼氏とか、エア彼女とか。それは置いといて。

 真夜中、少女は濡れたアスファルトを踏んだ。
「冷たい……遠くない冬を感じさせる温度」
 制服の少女は誰かにとても親切と言える。(P.8)

ですからね。九郎節炸裂ですよ。と言うか、何だこの説明口調。ある意味、駄目な人をいきなり振り落とそうとする親切仕様。ここで、よく訓練された人以外を脱落させるとは、さすが中村九郎氏です。

さて、内容はと言うとてっきり痛い人が、エア彼氏エア彼女といちゃつくラブコメかと思ったのですが、そうでもなかったですね。帯にも「俺の彼女は”エア彼女(バスケットボール)”衝撃の妄想ラブ=コメディだっ!」とありますしね。ところがどっこい。なんだか、途中から話がどんどん変わってきて、もう凄いとしか言いようがありませんでした。是非とも、これは読んで体験して欲しいです。ポルナレフもびっくり、みたいな。やはり、中村九郎氏は天才だと実感しました。

中村九郎氏の著作の特徴として、「展開は何が何だか分からない。読んでいるはずなのに内容が頭に入ってこない。で、ちょっといい話っぽいラスト」と言うことがあげられると思います。異論は認めます。それは本作でも健在。確かに、出だしはエア彼氏持ちの曲矢さんに、主人公が弟子入りして、エア彼女を手に入れようとする痛いラブコメ風味でした。「さすが九郎先生。ラブコメもかけるんだ」と感心しました。ところが、気付いたら別作品になっているんですもの。それはびっくり。で、ちょっといい話っぽくなるのが素晴らしい。どうも、続編も意識しているような感じで、終わり方はちょっと「あれ?」でしたが。まあ、それを言ったら『アリフレロ』も「あれ?」な終わり方でしたが。

しかし、『樹海人魚2』の時から感じていましたが、ずいぶん読みやすくなっているような気がします。『アリフレロ』と『樹海人魚』2冊しか読んでないので、訓練されたから、と言うわけではないと思います。多分。ただ、時々ある誤字が気になりました。「俺のバッグにはけして触れなかった」(P.58)とか、「ゲカ(注:正しくはケガ)」(P.158)とか。あとがきで、校閲さんへの感謝のことばがありましたが、本当に校閲さん仕事したのかな、と思いましたよ。元々が誤字脱字だらけで、校閲さんが見逃したのかも知れませんが。

とはいえ、かなり楽しめました。ワンポイントで今更なアイテムを出すあたり、やはりただ者ではありません。万人に勧められるわけではありませんが、興味がある肩は是非とも読んでみてください。

ただ、今アマゾンを確認したら、2~5週間以内に発送(平成21年3月21日 15:14現在)、となっていました。さすがは中村九郎氏です。(ちなみにbk1は24時間でした)
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