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夜明けに向けて  黄昏色の詠使いⅨ ソフィア、詠と絆と涙を抱いて [富士見]


黄昏色の詠使いIX  ソフィア、詠と絆と涙を抱いて (富士見ファンタジア文庫)

黄昏色の詠使いIX ソフィア、詠と絆と涙を抱いて (富士見ファンタジア文庫)

  • 作者: 細音 啓
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2009/03/19
  • メディア: 文庫



bk1で予約していたら、発売日未定になってキャンセルになったものの、結局予定どおりの刊行になったようで。一体何があったのだろう、と思いますが、予定どおりに発売されたことを素直に喜びたいです。まあ、今月はまだ読みたいラノベがたくさん発売されているので、来月に延びた方が私としては好都合だった気もしますが。

さて、いよいよこのシリーズも9冊目。第2楽章「微笑ムヨウニ、君泣イテ」の終了、及び最終楽章「歌うような口づけで」の開始となっています。

この巻は、主に2つのパートに分かれています。前半が、カインツ対ファウマ。後半がネイトとクルーエル(予想できるでしょうが、ネタバレを防ぐため)。前半は、シリーズの影の主人公というか、もう一人の主人公のカインツが久しぶりに登場します。カインツの大活躍は1巻以来でしょうか?キャラも良いだけに、もっと活躍して欲しかったような気がしますが。活躍の機会があっただけ良いかな。しかし、カインツの中では、今でもイブマリーがかなりのウェイトを占めているのですね。それでも、誰かのために、自分の助けを求めるもののために詠う姿は良かったです。さすがは、影の主人公。

ファウマもかなり良かったです。カインツに助けを求めたいのに、自分で決めたことのためにそれを言い出すことの出来ないもどかしさ。そのかすかな望みを打ち消すために、自分の本心と裏腹にカインツと戦うもどかしさ。カインツに救われたことで、彼女がどう変わっていくか。きっと良い方向に向かうだろうと思います。何か、カインツのストーカーみたいな感じになりそうな気がしないでもないですが。しかし、「一粒の涙が、地に跳ねた」で、「おねがい、私にあの日の夢を諦めさせて」のルビは凄いです。

そして、カインツの大活躍の割を食ってしまったのが本当の主人公・ネイトとクルーエル。お互いの気持ちを伝え愛、二人の気持ちが通じ合う、かなり良い場面だったのですが、盛り上げ不足のため、あまりぐっと来なかったのが残念。唐突に入った「風の砕けた日(ゲシュタルロア)まで、あと十三分」とかの描写のせいもあるでしょうが。それでも良い場面には変わりないのですが。でも、序盤から徐々に盛り上げていけば、もっと良い場面に出来ただろうになぁと思います。作者の構想どおり進めているのでしょうが、できたら2巻に分けて欲しかったなぁ。

この巻で一番の驚きだったのが、あの人の再登場。まさかの再登場。まさか、今回の序奏のあのシーンのためだけの再登場ではないだろうと思います。一体彼がどのような役割を担うのか、注目です。

いよいよ次が最終刊。世界を救うためにその身を犠牲にしたクルーエル。クルーエルを救う決心をするネイト。ネイトが紡ぐ夜明け色の詠が、世界に何をもたらすのか。そして、ネイトとクルーエルの道行きの果てに何が待つのか。また、疑問を抱えたまま、最後の場に向かうエイダとレフィス。この二人はそれぞれどのようか答えを見つけるのか。そして、カインツはイブマリーと再び逢うことが出来るのか。見所たくさんで非常に楽しみです。
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