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富士見お得意の短編集?  『SH@PPLE 5』 [富士見]


SH@PPLE―しゃっぷる―(5) (富士見ファンタジア文庫)

SH@PPLE―しゃっぷる―(5) (富士見ファンタジア文庫)

  • 作者: 竹岡 葉月
  • 出版社/メーカー: 富士見書房
  • 発売日: 2009/03/19
  • メディア: 文庫



人力リバーフェスタでの話で一区切り着いたところで、今回は『ドラマガ』に掲載された短編を集めた短編集となりました。ライトノベル全般について明るくないのですが、人気長編シリーズの短編集を作るのは、お決まりですね。人気があるか、私は知らないのですが。『このライトノベルがすごい!2009』では48位という何とも微妙な位置ですね。

まず、いきなりだったのが毎度恒例、口絵のミニ漫画コーナー。いつも、やや暴走気味ですが、今回は一にもまして大暴走。まさかのSF風味とは。しかもオチないし。

肝心の中身の話。短編集の内訳ですが、第1、3、5章は雪国視点で、第2、4章は舞姫視点で、第6章は蜜視点で書かれており、各章の最後に、書き下ろしの「その後の話」が書かれています。具体的には、

 雪国に憧れる同級生との一日限りのデートを描いた第1章。
 舞姫とSECのメンバーが美少女審美眼を競う第2章。
 青美女学院の生徒会長の肖像画を描く人間を決めるため、美術部の部長と部員が競う第3章。
 SECで見つかった宝のありかを指定したメモを元に、宝探しをする第4章。
 舞姫が催眠術で幼児返りしてのどたばたを描いた第5章。
 蜜と胡蝶の宮の出会いを描いた第6章。

となっています。

今回の短編集は非常に粒ぞろいだったと思います。その中で特に気に入ったのが、第5章と第6章です。第5章では、催眠術で幼児返りしたことで、雪国と舞姫の絆が確かめられるのが良かったです。個人的に、二人の絆を描いて欲しいと思っていただけに、今回の話は非常に嬉しかったです。なんだか、心が暖かくなってくるような、いい話でした。ああ、兄弟っていいなぁ。

第6章は、今回出番が少ない蜜と、さらに出番が少ない胡蝶の宮の話。これは、純粋に面白かったです。同じ事実に対してでも、当事者の受け取り方に違いがある、というのは純粋に愉快でした。蜜の、母親が歌手で本人も歌がとてもうまい、と言う設定が久しぶりに生かされていたのも良かったです。

さてさて、第6章のその後のお話では、今後の展開を暗示するように、「そして数日後。雪国は、彼女の燃えるような『最後の願い』を聞くことになる」(P.282)と書かれています。そろそろ風呂敷をたたみ始めるのか、非常に気になるところです。舞姫と芝目に比べて、雪国と蜜の関係はあまり進展していないので(そもそも、雪国が女装していること、知らないですしね)まだまだ続きそうな気がしますが。今回は出番が不憫だった古葉会長のターンもあるはずですし。あとがきでは、2学期編の突入が明示されていますし、非常に楽しみです。

しかし、雪国と蜜のオチを想像すると、『おとぼく』の奏ルートが思い出されるのはなぜでしょうか。まあ、きっとそうはならない、……はず。
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