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『白銀の城姫』/志瑞祐 [メディアファクトリー]

今年最初のライトノベル紹介です。2010年一発目は、

白銀の城姫11.jpg

『白銀の城姫』です。発売自体は昨年でしたが、ようやく読み終わることができました。今回はその感想を簡単に。

 

さて、作者の志瑞祐さん。『やってきたよ!ドルイドさん』でデビューされた新人さんです。『やってきたよ!ドルイドさん』は3巻まで出版されていて、私も大好きなシリーズです。ちょっと下品なところもありますが、マニアックなパロディとほんのり百合風味のストーリーがほほえましいコメディでした。

そんな作者が新シリーズに挑戦!どんなシリーズでくるのか、と思ったら、正統派のファンタジーできました。これはびっくりでした。そして、結論から言うと、かなり面白かったです。作者の力量、恐るべしです。

作品舞台は、作者あとがきによると15~17世頃の欧州諸国だそうです。ファンタジーとしては定番でしょうか。

さて、このシリーズの特徴は、タイトルに書かれた城姫(ベルクフリート)と呼ばれる存在にあります。悠久の刻を経てきた歴史ある建物に宿るとされる精霊。それが城姫。城姫の加護を得た城砦は難攻不落。千の兵を薙ぎ払い、万の軍を打ち倒すと言われる城姫。その正体は、城に宿る少女だった。そんな感じです。この、狼を擬人化させる、というように、動物を擬人化させる作品は多いですが、城を擬人化させるのは面白いなぁ、と思いました。

伝説の建築士の弟子であり、師よりその刻印を受け継いだ主人公、リンツが敵に追われて迷い込んだ森の中で、<放浪の城姫>シャトレアに出会うところから物語は始まります。

白銀の城姫12.jpg

私は、スレイヤーズが盛り上がっているときに厨二病を発症していた人間ですので(今でも発症しているような気もしますがw)、異世界ファンタジーものが大好きです。で、この作品、 舞台は中世ヨーロッパですが、それをモチーフに良いファンタジー世界を構成できていると思います。

物語としては、主人公が敵にとらわれた幼なじみ、エリッセを救うために、敵の城砦に乗り込むというもの。そして、敵はエリッセを城姫として自分たちの砦に宿らせるために、リンツを捕らえようとする(城姫を城に宿らせるには、生け贄が必要で、幼なじみである主人公は特に残酷な方法で生け贄にしようとしている)。

放浪の城姫・シャトレアの手助けを得たリンツはエリッセを取り返すために必死にもがきながら、その才能を目覚めさせていく。

 

この巻では、城姫が3人出てきます。それが、「モン・サン・ミッシェル」「リール要塞」「ノイシュヴァンシュタイン城」と実際の城をモチーフにしているのも好印象。城姫はそれぞれ、固有兵装を保有していますが、それがそれぞれの城の特徴を生かされているのも好印象でした。

主人公も主人公で、もがきながらも目的に向かって進んでいく、というところが素敵でした。

モン・サン・ミッシェルとの戦いが意外とあっさり終わってしまったことや、リール要塞の城姫の戦いもあっさり終わってしまったりと、細かいところに目を向けると気になる点はあります。それが中盤のたるみにつながっているのも事実。

しかし、この物語で描かれる世界が非常に素晴らしく、マイナス面を補って直有り余るセールスポイントになっていると思います。

また、リンツとシャトレアのやりとりの中で時折見られるシャトレアの反応が可愛らしくて、そこも楽しめました。

 

読書メーターで見ると、読み終わったユーザー数が31人と若干の寂しさを感じます。が、ファンタジー好きには是非読んで貰いたい作品です。どっぷりとその世界につかりたい人には良い作品ではないでしょうか。

とにかく、続きが楽しみな作品であります。

評価:☆☆☆☆


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デブたん

りんごとマグロの国からこんばんわ!
りんごの国って言ったら、
もう1個あるから紛らわしいですね!
でも・・・
マグロで有名になったのは最近の話しだし、
第一・・・高くて、
ここのマグロを食った事がありません><;
それでも、名乗ってもかまいませんでしょうか?

さて、
サッカー負けちゃったよ・・・
いい夢見させてもらったよ・・・あばよっ!
来年に期待するっす!

やはり、山田高校は外人部隊ってイメージでしたか^^;
地元民も・・・こりゃ酷い・・・って思いますもん^^;
北国ですが、太平洋側は雪が少なく、
昔からサッカーは盛んな土地柄なのですよ!
コレを期に、有名になってくれればいいなっ!
だって、我が県で有名なスポーツって、
相撲なんですもん><;
最近は、
相撲も本物の外人部隊に食われちゃってますが^^;

・・・って、全然記事に関係ないコメを・・・orz
by デブたん (2010-01-11 18:10) 

ロック

前記事のコメでもありましたが、読書メーターはAmazonのレビューよりも参考になるんですかね?

ちなみに、takaoさんの記事を読むようになって、こんなにもラノベって種類があるのかと思いました。
(実際はもっともっとたくさんあるんでしょうけど)
by ロック (2010-01-11 22:52) 

naka-G

これおもしろそう~~。

ちなみに、スレイヤーズはわたしも読みましたw
takaoさんとは同い年なので、思い出の作品に
ガチで共感できるので嬉しいですw

一緒に飲みに行きたいなぁw


by naka-G (2010-01-12 02:38) 

カルディア

takaoさんに勧められたので読んでみようと思っていたところでした。
正統派のファンタジー、いいですね!

>スレイヤーズが盛り上がっているときに厨二病を発症していた
スレイヤーズは発症度高いよね。
ドラグスレイブの呪文、絶対覚えるものw

>マイナス面を補って直有り余るセールスポイントに
なるほど…これは俄然興味が沸いてきました。
とにかく読んでみることにします。
読書感想文は得意ではないので感想書くかはわかりませんがw

by カルディア (2010-01-12 02:49) 

bapio

いつも思いますが、ファンタジーや冒険物をラノベの様に文章で表現するって難しそうですよね。
特に戦闘シーンとか。

関係ない話で申し訳ないんですが、前からtakao姉さまに一つ聞きたいことがありまして。

ウチの実家がですね、スカパーe2の無料体験をしてたんですが、その無料体験の期間はAT-X含め全部のチャンネルが映りますよね。
その時に実家でAT-Xやアニマックスをつけてた時気づいたんですが、AT-Xやアニマックスが額縁ではなかったのです。
画質も私の家の額縁で見るよりもキレイに感じました。

無料期間が終わって、実家では洋画のチャンネルしか契約しなかったので、その後はわからないんですが、16日の無料体験期間はずっと額縁なしでした。

でも無料体験期間の間だけ額縁がないとしても、AT-Xと契約して、いざつけてみると額縁放送だった。なんて事になると苦情も出てきますよね?
何か意味があったのですかね~?

もしわからなくても調べたり時間を割かないでくださいねw
こんな事でお手をわずらわせたくありませんのでw
すいませんwwすごく気になってたものですからww
by bapio (2010-01-12 12:08) 

まこたま

>スレイヤーズが盛り上がっているときに厨二病を発症していた
私はロードス島戦記で厨二病を発症していた口ですw
以前ほどではありませんが、今でも中世ファンタジーには弱いですね~。
ファンタジーの中に銃や機械が登場するのは邪道!と思っていた時期が、
私にはありましたww
by まこたま (2010-01-12 12:45) 

takao

デブたんさん、ごきげんようwカステラの国にようこそ。ちなみにカステラの国は何気に、クジラの国だったり、養殖トラフグの国だったりするんですよ。養殖トラフグは地元の人も知らないらしいですがw某サイトにありましたが、うちはマグロよりクジラが多そうです。マジでwクジラの刺身うめぇwww

だから、恥ずかしがらずに名乗りましょう。マグロの国をw

サッカー、残念でしたね。でも、来年ですよ。来年。こっちの方はこのまま古豪とかしてしまいそうです。小◎も地元の朝市でトラフグ買って送っている場合じゃないっつうにw

山田は甲子園でのイメージですかな?ほかの競技はようと知りませんw地元民すら酷いとかwあると思います。我が国の最近の甲子園常連校、清峰は、もろ地元民ばかりなので、対比で際だちますw

なるほど、そちらは豪雪のイメージでしたが、雪が少ない地域もあるのですね。がんばって貰いたいものですね。相撲、良いじゃないですか。酢網大好きですよ。ちよすの引退が残念で仕方ないです。ちよすハリケーンとか、ちよすSPとかもう一度見たかったw

記事に関係なくても全然OKですw
by takao (2010-01-14 21:12) 

takao

ロックさん、nice!&コメントありがとうございます。

読書メーターはアマゾンよりも、というよりもアマゾンより量が多かったりするのです。アマゾンだと、話題作のレビューは多いですが、それ以外は圧倒的に少ないので。まぁ、評判を知る一指標ですね。

ラノベ、種類が多そうに見えて、結構似たような内容が多いんですよwなかには、「まんまハルヒじゃんか」って作品もあったりしますしw私の追っているレーベルは限定的ですので、もっとラノベの世界は広いと思いますよ。
by takao (2010-01-14 21:15) 

takao

naka-Gさん、nice!&コメントありがとうございます。

なかなか面白かったですよ。途中、少し退屈でしたが、全体的にはかなり良い作品だと思います。

スレイヤーズは実は読んだことないんですよねw外伝を一冊読んだくらいです。リィナ・サンバースとかが出てくる話だったと思いますw弟が集めていたんですけどね。私、たぶん昔はそこまでオタクじゃなかったんで、共有できないかもしれません。「宝? ・・・命は宝か・・・。ならばこの宝! 貴様などに渡してなるものか!!」で泣いたりなんてしてないもんねwこれ、分からないかもw

私はお酒が苦手なので、代わりにスレイヤーズを読んでいた弟(一つ下)を進呈しますw
by takao (2010-01-14 21:24) 

takao

カルディアさん、nice!&コメントありがとうございます。

ブギーポップ以来、異世界ファンタジーものが激減したような気がしていたのですが、MF文庫あたりからまた出版点数が増えているようでうれしく思っているところです。実際、新人賞でも結構多いらしいですしね。

スレイヤーズを実は読んでない私ですwたぶん、読んだらすごくはまっていたと思うんですけどね。私は、電撃文庫の創刊ラインナップにはまっていました。新フォーチュン・クエストに爆裂ハンターに、瑠璃丸伝に・・・・・・と。そんなに買ってはいないですけどねw

感想なんてものは、自分の思ったままの気持ちをたたきつけたら良いんですよwたぶん。私は、マイナスもプラスも伝えないと、と思ったので描きました。読んで、「ウソじゃないか」と言われたら困る、というのもありますがw

まだ1巻ですので、読んでみるのをおすすめします。キャラも結構楽しめるのではないかと思いますし。
by takao (2010-01-14 21:31) 

takao

bapioさん、ごきげんよう。nice!&コメントありがとうございます。

うーん、そうでもないと思いますよ。要は、雰囲気をいかに表現するか、というところが勝負だと思います。戦闘シーンも剣や槍での戦い、また魔法で炎、とか考えると、想像力でカバーできると思います。確かに、今の異能バトルものとなると、表現が難しそうですが。

うーん、よく分からないのですが、テレビの方で自動的に画像を拡大して表示していた、とかじゃないですよね。そしたら、ちょっと変な感じになりそうですし。ボケボケになりそうですしね。

すみません、思いつくことと逝ったらこれくらいで。調べても良いですが、どうやって調べたらいいかも分かりませんし。すみません。参考になれずに。

それではbapioさん、ごきげんよう
by takao (2010-01-14 21:43) 

takao

まこたまさん、nice!&コメントありがとうございます。

私は、たぶん爆裂ハンターでしたよ。厨二病はwロードスは読んでませんでしたね。弟が漂流伝説クリスタニアを読んでいました。クリスタニアはいろいろなシリーズがあったと思うのですが、どうなったんでしょうねwって、結構でてるw今度、ブックオフをあさってみようかなwなさそうですが。

我々の年代は、異世界ファンタジーや中世ファンタジー全盛時と逝っても良い時代だと思いますね。ですので、ファンタジーに弱いのは仕方ないかと。で、たぶん、椎茸王子の世代は、ブギーポップ世代ではないかと思いますw思いっきり適当ですが。

今は、ファンタジーにも銃や機械が多いですよね。これも時代かw
by takao (2010-01-14 21:51) 

takao

皆様、たくさんのnice!まことにありがとうございます。

まとめてになりますが、謹んで感謝申し上げます。
by takao (2010-01-14 21:52) 

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