SSブログ

『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』/哀川譲 [アスキー・メディアワークス]

6月9日 追記

皆様ご存じかと思われますが、この作品の盗作疑惑について、電撃側から正式なコメントが発表され、回収と絶版が決定されたようです。 

電撃文庫『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』についてのお詫びとお知らせ→http://dengekibunko.dengeki.com/notice/index2.php

と言うことだそうです。

私は、この記事で作品を絶賛しておりますが、盗作があることは見抜けませんでした。

この記事について、どうしようかと思ったのですが、盗作を見抜けなかった自分の反省として、そのまま残しておこうと思います。

簡単な形ではありますが、6月7日の記事にありますように、ブログ主の所用でしばらくPCからのインターネットがつながらないため、コメントを残したいと思います。

追記終わり

 

最近、週末のみの更新が定番になってきて、もう少し更新頻度を上げたいなぁ、と思う今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか?takaoでございます。

さて、本日はネタがないので久しぶりにライトノベルの感想を書いてみようと思います。と言う訳で、今話題らしい『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』です!

考えてみたら、今月は『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のアニメ化決定が発表。その『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』も確か、口コミやネットで評判が広まって、ココまでの人気作に育っていったと思います。そして、そのアニメ化が決まった月に、同じように口コミで評判が広まるような作品が突如現れる、というのはなかなか興味深いと思います。さすが、電撃文庫、と言うべきか。しかも、これ最終選考作、と言うことで賞取ったわけではないんですよね。それでも、ちゃんと良いものを出していくのが電撃文庫の強さというか。どこかの落ち目の、靴の名前で出してる親会社とは大違いだ。

 

話がそれました。と言うことで、『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』です。

俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 (電撃文庫)

俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 (電撃文庫)

  • 作者: 哀川 譲
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2010/05/10
  • メディア: 文庫

舞台は、人間と人外(吸血鬼とか人狼とか、いわゆるモンスター)がともに学ぶモデル校である聖桐学園。その学園では、2年生の時、人間側の「勇者生徒会」と人外側の「魔王生徒会」と言う二つの生徒会が存在し、勝った方が3年生で生徒会として君臨する、というシステムがあります。表向きは人間と人外が互いを意識しながら、お互いの能力向上を図る、と言うことだが、実際は対立を生んでいる、と言う状況。

主人公・兎沢紅太郎(人間)はひょんなことから、「魔王生徒会」の生徒会長である魔王となってしまう。そして、「勇者生徒会」の生徒会長は、紅太郎の幼なじみにして、成績優秀、スポーツ万能、美人でスタイル抜群の完璧スペックの無敵超人・伏城野アリス(紅太郎にベタ惚れ)。そして、魔王と勇者に別れた二人は、互いの生徒会の威信をかけた「生徒会戦」に挑むのでした。

 

これが最終選考作止まり?と思わせるような、非常に面白い作品でした。まず、設定が面白いと感じました。普通の学園もの、と思って読み始めたら、いきなり人間と人外、と言う言葉が出てきて吃驚。そんな設定なんですね。で、勇者生徒会と魔王生徒会に分かれて、競っている、と言うのが素晴らしいですね。こうすることで、展開も膨らませやすいですし、いかようにも話ができる、とw

キャラクターも魅力的でした。メインヒロインであり、結果的に主人公と対立することになってしまう伏城野アリス。妙に堅苦しいしゃべり方で、相手を「君」と呼ぶ彼女ですが、それが異様に可愛く感じましたwなぜだろう?そして、主人公に対してデレデレなのもまた面白いw主人公が「俺はマウントポジションが取られるのが好きなんだ」と言ったら、早速朝から寝起きの主人公のマウントポジション取ってみたり、「紅太郎、わたしは初めてだから、その・・・・・・優しくしてくれ」とか言ってみたりw幼馴染って最後に涙をのむことが多いように感じるのですが、それが全くなさそうなのでそこも安心ポイントの一つw

反面、魔王と対するときは徹底的に冷酷になれるのも、ギャップがあって魅力的。魔王の中身は自分が大好きな幼馴染の紅太郎なのに、正体が分からない、ってだけであんなにも酷くなれるのが面白かったです。「心が冷たそうな声」とか「下種な思考」とかw

その、主人公に対する時の態度と魔王に対する時の態度が全く違うので、彼女のいろいろな面が引き出されて、実に生き生きと動いていたと思います。全ての部分で完璧スペック、というのは、いかにもライトノベル的にありがちなのですが非常に魅力的でした。

ライトノベルのお約束的に、主人公の周りに女性陣が集まるのですが、この作品も当然集まっています。魔王生徒会の副会長にして、天才と呼ばれる吸血鬼・九条院鑑美。いじめられていたところを助けられ、魔王をしたって「魔王生徒会」の書記となる、人狼の紡糸夜依。魔王の秘書である万能型人造人間である雪乃。前・魔王のサキュバス・リリィ・レンドブルム。

ツンデレに、おどおどした癒し系に、無表情で何を考えているか分からないのに、ノリで何でもやっちゃう人に、といろいろ取りそろえました、という感じですねwありきたりなラインナップ、と言えば、そうなのですが、それが魅力的かつ楽しいからありきたりになるわけで。物語に花を添える、と言う意味で非常に魅力的でした。今回は、魔王と勇者の対決と、主人公とアリスの幼きときの近いに焦点が当てられているので、鑑美は若干出番が多いかな?と感じたものの、他のキャラはまだまだ顔見せ程度。しかし、焦点が当たるとさらに魅力が増しそうに感じるので、非常に楽しみです。特に、ツンデレの鑑美は楽しみですw

で、ライトノベルの主人公、と言えば、超朴念仁で超受動人間、と言うのが定番ですが、この作品は少し違いました。超朴念仁、と言うところは当てはまっていますがwと言うか、アリスにあそこまで言い寄られているのに、アリスが自分を大好き、と言うことが分かっていないとか、あり得ないだろう、とw愛してなけりゃ、朝からマウントポジションなんて取らないだろうw

で、何が違うか、と言えば、長受動人間ではない、と言うところ。この主人公、心の中では人間と人外との違いなんて関係ない、と考えているような人間です。そして、幼き頃の幼馴染との約束を思い出して、人間と人外の本当の共存を目指して、積極的に動く、と言うのが良いですね。そして、そのためには、たとえ自分が傷ついても、幼馴染を傷つけることも厭わない、と言うのが非常に魅力的に感じました。「生徒会長である以上、生徒が困っていたら助けるし、間違っていれば叱る。それに人間も人外も関係ない」という態度がまた人間として魅力的に感じました。

個人的には、『れでぃ×ばと』秋晴みたいなタイプかな?と感じました。秋晴よりも能動的かも知れませんがwしかし、主人公が能動的、と言うだけでこれだけ物語が魅力的になるのか、と。気障な台詞を吐いたり、○○○○○を外そうとして勇者を追い詰めたり、とやっていることはあれなんですがw

 

文体も非常に読みやすく、時折笑え、まじめな部分は読ませる、と非常に面白かったです。何より、読みやすい!これが何よりの良いところですね。読みやすさに関しては、私が最近読みにくいことで有名な『灼眼のシャナ』をずっと読んでいたので、相対的に読みやすく感じている、と言う影響がないとも言い切れないのがあれなんですがw

 

とにかく、今後が楽しみな、非常に素晴らしい作品が生まれた!と思わざるを得ません。これは、確実に、数年後のアニメ化の弾の一つでしょう!ちゃんと続きが出せるような構成になっていましたし、2巻、3巻・・・・・・と今後どんどん続いていくことは確実だと思います。今、ネット書店や秋葉原?では品薄状態のようですが、これは是非読んで欲しいと思います。

 

とりあえず、続きが楽しみだw


ブログパーツ
nice!(30)  コメント(11)  トラックバック(1) 
共通テーマ:

nice! 30

コメント 11

chokusin

初めて知りましたが面白そうですね。読んでみたくなりました。
うん、やはりレビュー等はこんな風に書くべきだよなあと、文句ばかり書いてる自分が恥ずかしくなりましたよ。
by chokusin (2010-05-16 15:58) 

カルディア

>『俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長』
この作品、どこかで取り上げられていて気になっていたんですよね~。
パっと目に入る設定はラノベとしてはありがちかな~と思いつつ、
中身が良く出来ている作品だなという印象を受けました。

>彼女のいろいろな面が引き出されて
こういう見せ方は上手いですね。良質な作品を感じさせられます。

自分が今のラノベに持つ印象は、表現の薄っぺらさ。
それゆえに漫画よりも読みづらいんです。
なので手に取りづらいのですが、これは読んでみたいですね。

by カルディア (2010-05-17 01:51) 

bapio

私もたまにこれネットで見かけましたね。
話題作なのでしょうか?
またこういう風にネットで取り上げられることで知名度が増していくんでしょうね~。

私もラノベに対する印象はそんなに面白くないのにアニメ化されるものが多いなぁ~と言う印象ですね。
特にラノベは漫画よりも面白いものと面白くないものとの差が激しすぎる気がします。
迷い猫オーバーランってあれホントに面白いのか疑問です…
あれ売れてるのか…?

あと漫画に比べてアニメ化の表現が難しいんでしょうね。
文章と挿絵しかないわけですから。
監督や脚本家に全てかかってくるわけで。

このラノベの感想はよかったようですね^^
良作なラノベがアニメ化されることを願うばかりです。


by bapio (2010-05-17 10:04) 

aspirebeat

takao保障(ぉぃ)とのことなのでさっそく注文しました。><b
by aspirebeat (2010-05-17 22:04) 

takao

chokusinさん、コメントありがとうございます。

いえいえ、悪いところ、気になるところをハッキリ書いてくださるのも、非常に参考になります。
私の場合は、読み返して思い返して、「ほめすぎたかw」と反省してま〜す、という感じですw
思い返すと、欠点もあるのですが、なかなか良い作品ですので、是非w
by takao (2010-05-18 18:58) 

takao

カルディアさん、コメントありがとうございます。

ちなみに、私の絶賛は半信半疑で受け取るのが吉と思いますw
自分で言うな、という感じですが、気に入った作品は客観的になれないんですよ。
後で考えると、そこまで絶賛するほどだったか?と思ったりしました(ぉぃ
面白かったですけどねw
ちなみに、私は読みながら「魔王=ルルーシュ」みたいな感じを受けたのですが、そう感じた人も多かったようですw

今のラノベって、キャラを単純化するところがありますからね。
生徒会長としてのアリス、好きな人に対するアリス。
どれもアリスなんですよね。
そこが上手だったと。

確かに、表現が薄っぺらいラノベは多いですね。
私はそれでも大丈夫だったりするんですが、駄目な人は駄目かと。
もちろん、凄く読み応えがあるラノベもあったりするんですが、それが決して売り上げが伸びるかというとそうともいえないのが残念です。

これも、薄っぺらい方ですが、楽しんでいただけたら幸いですw
by takao (2010-05-18 19:24) 

takao

bapioさん、ごきげんよう。
コメントありがとうございます。

話題作、でしょうね。
売り上げ見る限り、今月の電撃文庫新刊で2位の売り上げですからね。
しかも、1万部近い、と言うことは、結構なヒットだと思います。
ネットで取り上げられたこともあるでしょうし、口コミもあるでしょうし、評判が広まっているんでしょうね。
ラノベの感想ブログでも取り上げられているようですし。

ラノベは、基本が決まっていますからね。
それをいかに料理するか、が作者の腕の見せ所なのですが、残念なことも多く。
で、人気のあるラノベって、アンチも多かったりするんですよw
結局、エロに走ったり、萌えに走ったり、そんな作品が人気が出やすいのも事実。
だって、去年のこのラノベが凄いの一位『バカとテストと召喚獣』ですよ。
絶対『空ろの箱と零のマリア』だと思っていたのにw

『迷い猫オーバーラン!』は、好きな人もいるみたいですよ。
私ですか?1巻読みましたけども、正直微妙でしたw
最後は良かったですけども、前半が駄目すぎて。
1巻で終わっておけば、普通、という感じの評価なんですよね。
そもそも、売り上げ的には『カンピオーネ!』の方が良いのに、なんで『迷い猫オーバーラン!』が先にアニメ化されるんだ!と思った記憶が。
内容も、『カンピオーネ!』の方が面白いのに!
おっと失礼しました。熱くなってしまいましたw

ついでに、『迷い猫オーバーラン!』がどれくらい売れているか調べてみました。某巨大掲示板でw

2010/03 | *100万部 | *8巻 | 12.5万部/巻 | 迷い猫オーバーラン!

だそうです。バカ売れですねw

ちなみに、原作無視されることもありますよ。
『ムシウタ』みたいにw
まぁ、ファンからしたら「ムシウタはアニメ化されていない」らしいです。
何でも、原作者の知らないところでアニメ化が決まっていたとか何とか。
それと、文章ですので、どこを使い、どこを切るか、も大切ですからね。
そこが難しかったりします。
あとお、終わらせ方とか。
難しい問題だと思います。

本当に、良作なライトノベルがアニメ化されて欲しいです。
とりあえず、『カンピオーネ!』を是非w
って、まぁこれはアニメ化されるでしょうけども。
by takao (2010-05-18 19:40) 

takao

aspirebeatさん、コメントありがとうございます。

私の絶賛は、眉唾で見た方がw
面白いとは思うんですけどね。
ラノベばかり読んでいるので、一般人の感覚が分からなくなっているんですよねw
たまには、一般の本も読まないと、と思います。
by takao (2010-05-18 19:42) 

いあいあ

これ、今パクリで大問題になってますよ
「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 パクリ」で検索することをお勧めします
by いあいあ (2010-05-28 21:53) 

NO NAME

ざんねんながら2,3巻は発売されそうにないですねw
哀川はもう終わりでしょう
by NO NAME (2010-05-30 07:41) 

ひとこ

盗作を絶賛w

目が曇らないように、
もっといろんな本読んでくださいね。

by ひとこ (2010-06-02 12:59) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 1

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。