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『白銀の城姫』 3』/志瑞祐 [メディアファクトリー]

と言う訳で、ライトノベルの感想3連発です。今回は、これ。

白銀の城姫 3 (MF文庫J)

白銀の城姫 3 (MF文庫J)

  • 作者: 志瑞祐
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2010/07/21
  • メディア: 文庫

 

あまり感想書かれない気がしたのでorz

中世を舞台にし、そこに城姫(ベルクフリート=城に宿って無双の力をふるうことができる女性)という要素を加えたファンタジー要素あふれる本シリーズでしたが、この巻にて完結となります。いやぁ、帯見て「遂に激突」とか「私の剣は迷わない」とか、いやな香りがぷんぷんして後書きを読んだのですが、見事に打ちきりでした。前の巻で、エリッセがあっという間に復活したのに違和感を感じたのですが、こういうことですか。『荒瀬はるか、容赦なし』も3巻まで出たし、3巻がMF文庫Jの打ち切りライン、と言うことでしょうか。

と言うことで、これで完結となってしまったためか、展開が急すぎてあっけにとられてしまいました。師匠が最強の城姫つれて戻ってきたかと思ったら、あっという間にわるいやつらを全滅させて。と思ったら、最強の城姫があっさりやられて、師匠もあっさり負けて。で、「最終決戦だ!」とかやられても、読んでる側としては、( ゜Д゜)ぽかーん としか反応がしようがないw

最終決戦自体は、なかなかに楽しめたのですが、これまた結末があっけなさ過ぎだろう、と思う展開でした。そもそも、主人公と鉄仮面自体、宿敵と言うほど因縁があるわけでもないので、鉄仮面を倒したからといって、なんの感慨もわいてこないのは残念。第一、鉄仮面ってのは主人公と何かしら因縁がある人物が、自分の正体を隠すために使うから、仮面の下の正体が明かされたときに意外性、と言うか「やっぱりねw」という感情が生まれるのであって。鉄仮面を砕いても、相手は知らない人でした、と言う展開はどうなのかと。正直、鉄仮面の下が師匠だった方がまだ盛り上がった気がします。

オチもですね。結局、リンツ(主人公)の気持ちはシャトレアにあるんだろう、と言うのはよく分かりましたが、エリッセに対する結着とかがあるわけでもないので、非常に中途半端に感じました。エリッセとシャトレアのガチンコのぶつかり合いが王少しあった方が良かったと思いました。

と、何か、不平不満が多くなってしまいました。読んでいておもしろかったんですけどね。それだけに、今回の打ち切りが残念で仕方ないですし、それに対して不満がわいてきてしまいました。この展開にするにしても、あと2冊、欲を言えば3冊使えればまた変わった展開にできた、と思ってしまいました。が、そこまで売り上げもよくなさそうですし、仕方ないことですね。

「おもしろいんだけども、何か足りない」と思っていたシリーズですが、結局その足りないものを埋められずに打ち切られてしまった、と感じました。本当にもったいない。アイディアとかはおもしろかったと思うだけに。

足りないものについて。読書メーターの感想を見ていて、自分なりに考えたことがあります。それは、作者の城姫に対するアプローチがイマイチ弱かったのか、と言うこと。確かに、城に対する歴史、うんちくはあります。そして、その城の特色を生かした固有兵装というアイディアはあります。しかし、そこでとどまっていて、城に対する情熱が足りなかったのではないか、と。作者に言わせたら、「そんなことないよ」と言われそうですが、作者の思いが十分に伝わらなかったかなぁ、と。

後、読者側としてもそれぞれの建造物に対する知識が深いわけではないのもネックだったかと。確かに、モンサンミッシェルとかコロッセオ、バスティーユなどは分かります。しかし、シャトレアの宿る「ノイシュバンシュタイン」や最強の敵として登場した「ゴーメンガースト」(今調べたら、イギリスの作家の作品なのですね)と言われても、私の無知無教養のせいでぴんと来ませんでした。

 

繰り返しになりますが、期待していたシリーズだけに、これで完結、というのは寂しいです。日常パートはコメディチックではあったものの、そのほかのパートではちゃんとシリアスなファンタジーしていて好きだっただけに。とはいえ、デビュー作である『やってきたよ、ドルイドさん!』とは全くタイプの違う作品でありながら、ココまで書けた、というのは素直に素晴らしいことだと感じました。純粋に、新作に期待したいと思います。


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カルディア

ここのところラノベ感想サイトらしくなってきたじゃないですか!
しかもこんなにガッツリ書かれるとは。

なんかマンガ連載でもよくあるような、
人気低迷により強引に終わる感じだったのでしょうかね~。
それとも作者が飽きちゃったのかな~w

by カルディア (2010-07-28 02:39) 

HINAKA

HINAKAです。

takao様

何だか、上のカルディア様が言い難い事をハッキリ仰っていて、もうそれで充分!という感じですネ。
何であれ、読んでいないモノの内容に関しては何も述べられ無いのですが、やっぱりtakao様のこの復活ぶり!は、凄いッ!!

作品の紹介は、小説に限らず冷静にかつ愛情を持って、叱咤し激励するのが、1つの黄金パターンですが、まさにそれだと思います。
どういう訳か、本人はそんな気が全くないのですが、HINAKAの感想と紹介は「熱い」のだそうで、場合によっては火傷の危険が有るとか無いとか……。そういう意味では、クールですよねェ~!お見事にnice!!です。

そして全く関係のない話題を1つ、お許し下さい。
現在、向かって左側にあるサイドバーなんですが、インターネット・エクスプロラーなどのブラウザは、お気に入り等のサイド・バーが左側にあるために、大画面でないと非常に、具合が悪いのです。もし特に理由が無く、右側に設置しても構わないモノで有れば、そのようにしていただけると助かります。
取って付けたようですが、落ち着いた感じの良い背景ですねェ~。テンプレートのリストにありましたか?まさか自作とか!?

それでは、今回はこれで、失礼致します。


by HINAKA (2010-07-28 03:43) 

takao

カルディアさん、コメントありがとうございます。

いやぁ、久しぶりに初心に戻った感じですw
そう、私はラノベの感想を書くためにブログを始めたんじゃないか、とw
ガッツリは書くつもりがなかったんですけどねw
ただ、思ったことを思った順に書いていったら、こうなった、と。

人気低迷、と言うより、人気が出なかった、と言う感じでしょうね。
作者が飽きた、と言うことはナイト信じたいです。
まだ二つめのシリーズなのでw
評判の良かった『やってきたよ、ドルイドさん!』止めて始めたんだから、飽きてはない、と信じたいですw

中世ファンタジーとしては、かなり良かったと思いますが、何かが足りないのと、MF文庫Jは異世界ファンタジーものが多い、と言う影響があるんだろうなぁ、と思いました。
何はともあれ、次回作に期待です。
by takao (2010-07-28 16:31) 

takao

HINAKAさん、コメントありがとうございます。

思いついたことを、思いついたままに書いただけなんですが、気づいたら結構な分量になっていました。
本当は、もっとサックリ終わるつもりだったんですけどねw

ライトノベルも含め、本の感想は読んでないと反応しにくいので、もっと短く、それでいて興味を喚起するようなものにしたい、とは思っているのですが。
新聞とかの書評みたいな感じで。
とはいえ、これが自分のスタイルかな、と思って書いています。
「偉そうに」とか言われたこともありますが、それでも自分の思ったことを、素直にありのままに書いていったらいいかな、と思っているところです。

これが、叱咤と激励になっているかは、自分でもよく分かりませんがw
私も、時々「熱い(長い)」と言われることがあって、「そんなものかなぁ」と思ったりしますがw
クールと言われたのは初めてかも知れませんw
HINAKAさんの記事は、間違いなく熱いと思いますよ。
私のこの記事と、HINAKAさんの記事の違い、ということで考えると、「主張」というのがあるかも知れないですね。
HINAKAさんの記事は、豊富な知識から生まれる深い考察や、そこから生まれる主張がありますから。
私の場合は、知識が全然不足している上に、学が足りないので考察ができていないなぁ、と思うことが多々あります。
読みが浅い、と言うべきか。
ですから、HINAKAさんの記事は、実はあこがれだったりします。

早速、ご要望にお応えして、サイドバーを右にしてみました。
よく考えたら、前使っていたPCが1400×1050で、今のは1280×800と、サイドバーのことをあまり気にしたことがありませんでした。
一度、両サイドにおいてみたことはあるのですが、右に置くことは考えたことはなかったですねw
左にしていたのは、ただ始めたときから左だったから、と言うだけですし。
こういうことは、本人は気づかないものなので、言っていただけるとありがたいです。

これは、ソネブロのテンプレートを使っています。
前使っていたのが飽きたので、ブログ再開に合わせて、変えてみましたw
適当に見つけたのですが、その割に結構良い感じだなぁ、と自分でも思っています。
自作は、さすがにできないですね。
イラストをご覧の通り、美術センスはカイメツですのでw
by takao (2010-07-28 16:47) 

kun

サイドバーを右にするのは、そんな理由があったんだww
私はなんとなく、右にしてたわww


by kun (2010-07-30 22:48) 

takao

kunさん、コメントありがとうございます。

私は、何となく左にしてました。
何となく、左の方が見やすい気がしたので。

今でも、なんか違和感があるので、そのうち左に戻すかもですw
by takao (2010-07-31 18:31) 

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