『東京皇帝☆北条恋歌 4』/竹井10日 [角川]
東京こうていわ。今回の感想はこちらです。
長々と積んでいたのですが、6巻も出た事だし、そろそろ読んでみよう、と言う気になり読了しました。いやぁ、面白かった。
3巻で、まさかの結婚式からの駆け落ち、と言う展開を見せた本作ですが、駆け落ちした恋歌と一斗が九州に流れ着いて、と言う展開でした。まさかの東京帝国以外からの展開。そこで姿を見せ始める世界の謎の一端、という感じで見逃せない巻だったと思います。
とはいえ、基本はギャグ満載のラブコメ。4巻まで読んでいると、この作者の笑いの取り方のパターンも分かってきました。でも、このギャグのパターンが好きなので、今回も笑わせて貰いました。一斗が色々板挟みで気の毒に、と思ったり。恋歌と来珠の表情と感情がくるくる変わったりw特に、来珠は今までにないほどの慌てようと、らしくなさでちょっと好感が持てた・・・・・・ような気がしましたwあんなしていて、一斗が本当に好きなんだなぁ、と再確認。一斗への恋心を隠さなくなった恋歌もまた、自分のありのままの気持ちを打ち明けられるようになって、本当に楽しそうでした。3巻まで見られた、忍ぶ恋の切なさも良いですが、こっちの方が恋歌らしい気がして楽しかったです。
そして、ここに来ていよいよ一斗の覚醒が始まった、という感じもしてきました。g適正保持者の謎は相変わらず深まるばかりですが、その保持者として、自分がやらなくてはならない、と言う状況が出てきて、一斗も目覚めてきたような気がします。ただ、本文中にもありましたが、それが彼にとって良い事なのか、悪い事なのか、それは判断しかねますが。
物語の謎に触れる部分も増えたために、シリアスパートの割合が少し増えたような気がします。そのためか、明るいラブコメパートが多かった割には、物語が引き締まっていたように思えました。最後の最後、
「あぁ・・・・・・こう・・・・・・と・・・・・・はん・・・・・・」(P.287)
という展開だったからかも知れませんが。良いキャラだっただけに、惜しかったです。
外の世界が出てきた事で、世界がさらに広がったような感じがします。九州は筑紫島学園とその周辺しか人間の生きていく土地がなく、後は怪蟲(ウエポン)に浸食されている、と言う事で、かなりシリアスな舞台ではあるみたいですが。その中で、ギャグ展開を繰り広げるこの作品って、本当に変だなぁ面白いなぁ、と思う次第です。
このまま、九州編に入るのかと思ったら、あっさり舞台は再び東京帝国へ。しかし、謎の新キャラの登場で、物語はますますドタバタになっていきそうですwギャグを全面に覆っていますが、この作品って、どれくらいの奥行きを秘めているんだろう、と言う気になってきました。このまま、シリアスの割合を強めながら、基本ギャグ展開でいって欲しいなぁ、と思いました。
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