『ねがいプラス!』/横山忠 [集英社]
何となく、部屋に転がっていたので読んでみた本です。
超セレブばかり通う名門校・朱王寺学園に、なぜか入学してしまった一般庶民・武儀空人。彼が寮の部屋で美少女ゲームをプレイしていると、「こういうのが好きなの?」とボンテージ姿の悪魔・ラプラスが現れる。
彼女は自分が楽しむために、武儀にゲームどおりの恋愛をさせてあげる、しかもハーレムルート、と言う。
それによって、自分が関わりを得られるようになった彼。しかし、ハーレムルートを目指すには、ゲームどおりの展開をしなくてはならずに。
設定自体はおもしろいと思いました。ラプラスの魔力によってゲームと現実世界がリンク。ゲームで現実世界の予習ができ、ゲームの攻略ルートどおりに現実も進めたら、ハーレムルートへの道が開ける。しかし、それ以外の道を選ぶと、バッドエンド一直線。しかし、プレイできるのは、次の日の分まで、と言う制約があるのがいいと思いました。そのため、すぐに結果が出る選択ならば、間違わずに選択できるけども、結果が先にならないと分からない選択(今回だと、デートの約束を数日前にして、日曜日にデートをする場合)は、その前日まで自分の取った結果が分からない。そのため、ゲームで最善の選択を全て知ることはできず、自分でも考えて選択しなくてはいけない、って言う感じになっています。
また、ゲームどおりに選択を進められれば、ハーレムルートに進める、と言うものの、そのタイミングがシビア、と言うのもまた面白いな、と。たとえば、一人の少女と出会うためのイベントですが、彼女が乗る車にはねられそうになる子どもを助け、自分が車にひかれなくてはならない。しかし、早く助けすぎると、車はそれを躱してしまい、イベントが起こらない。と言うように。また、ハーレムルートは難易度が高いのか、一歩間違えると即死級のイベントばかり、となっています。正直、ミサイルを躱すとか無理だろう、と思いますが、そのために主人公が真剣になる、ってのはなかなか。
ただ、気になる点も多々ありました。まず第一に、説明不足なのか、説明力が足りていないのか、はたまた私の読解力が足りないのか分かりませんが、このラノベの設定部分に関する説明のシーンが決定的にわかりにくい、と言う事。「ゲームと現実がリンクしており、ゲームで起こることは現実でも起こること」という部分なんか、全く分からずに、読んでいて何となく把握してきました。もう少し、ここら辺わかりやすくして欲しかったなぁ、と。
2つめに、キャラに魅力を感じなかったこと。主人公の行動原理は、変態的すぎてちょっとなぁ、という感じですし。キャラが薄っぺらく感じました。ハーレム目指す理由も、男の夢だから、みたいな理由でしたが、顔以外で好きなところあるの?って感じですし。女性キャラも可愛いとは思えませんでした。唯一の例外がラプラスくらいかな?考えると、ラプラスは自由奔放なところとか描かれていますが、ハーレムルートに入るメンバーについては、それがなし。キャラを好きになるのって、日常の一コマでの何気ない場面の積み重ねが重要だと思うのですが、それがほとんどない、と言うのがですね。今回、ヒロインの一人は自分が命を狙われているところを助けて貰って、主人公に惹かれる、というのはまだ分かるのですが、そればかりで。最後も、自分の宿命を主人公が助けてくれた、みたいな感じですが。主人公の意外な一面とか、だらしないところを見て、ほっとけない、とかあれば良いんですが、それがなかったのがなぁ、と。この辺、本編が240ページ程度しかなかった影響かも知れませんが。
まぁ、こんなものかなぁ、という感じで、面白いなぁ、と感じる部分はあったものの(最後のトリックとか)、それ以上に気になるところが多すぎて、イマイチのめり込めませんでした。次の巻が出ても、読まないかなぁ、という感じで。何か、非常にもったいない感じがしました。
なんとなくラノベって転がってるんですね、ステキ部屋です。><b
by あすぱい (2010-09-20 21:22)
あすぱいさん、コメントありがとうございます。
正確には、布団の横に、読んでないマンガやらラノベやらがつんである、ってだけなんですがw
カラーBOXとか、テレビのメタルラックとか押し入れにもあるので、何がなにやら、ですw
要は、ゴミ部屋ですねw
by takao (2010-09-20 21:26)