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『アイドライジング!』/広沢サカキ [アスキー・メディアワークス]

第17回電撃小説大賞金賞受賞作。今回は2作あったようですが,イラストをCUTEGさんが担当していると言うことで,こっちから読んでみました。

アイドライジング! (電撃文庫)

アイドライジング! (電撃文庫)

  • 作者: 広沢 サカキ
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2011/02/10
  • メディア: 文庫

 

アイドルが日本を動かすと呼ばれるようになった時代。アイドルは「戦うもの」となっていた。各企業の技術の粋を集めて作られたバトルドレスを身にまとい,ニライカナイに作られたステージで戦うアイドル達。そこに一人の少女が飛び込む。15歳にして伸長181センチの中学生・アイザワ・モモ。とある目的のためにお金が必要な彼女は,1ヶ月でお金がたくさん稼げるから,と言う理由で「アイドライジング」に足を踏み入れる。彼女のマネージャーとなったオウダ・サイとともに,彼女は迫り来る強敵達と戦いを繰り広げる。

 

アイドル+(微?)熱血+微百合=『アイドライジング!』。読み終えてそんな印象を受けました。ラノベで百合を扱う作品って以外と少ないので,業界最大手の電撃から出てきたことに驚きました。まぁ,電撃はジャンルが本当に幅広いからできるのかも知れませんが。

熱血好き,百合好きの私としては,もう完璧,と言うくらい好みの作品で,非常に楽しむことができました。帯に「アイドル」と書いてあったので,どう来るのか,と思ったのですが。うまいこと,バトルとからめてきたなぁ,と言う印象を受けました。勝負は,1試合に3発だけ放つことができるアクセルスマッシュを,相手に先に一撃咥えたものの勝ち,と言うわかりやすいルール。そして,アイドル達は企業の技術の粋を集めたバトルスーツを身にまとうことで,その企業が得意とする分野の技術を応用した特性を引き出すことができる。この辺,非常に考えられているなぁ,と感じました。

個人的にツボだったのは,キャラクターたち。主人公のアイザワ・モモにそのマネージャーのオウダ・サイを始め,それぞれのキャラが非常に立っていて,魅力的でした。最初は,ぶりっこと思わせておきながら,とある事情からオタクに目覚め。味を出していたハセガワ・オリン。モモの初戦の相手であり,アイドライジングのトップ4人しかいないオペラ・オービットの一角,タキ・ユウエン。そして,オペラ・オービットの一人にして,史上最年少でアイドライジングトップのクイーンに輝き,今期無敗のマツリザキ・エリー。それぞれが個性的で愛らしいなぁ,と感じました。

ただ,何より良かったのが主人公のモモとマネージャーのサイのコンビ。いや,もうカップルと言っても過言ではないと思いますがw「アイドルとマネージャーは一心同体」を合い言葉に,デビューしたてのモモとは格が違いすぎるタキ,あるいはエリーの二人と立ち向かうのはなかなか燃える展開でした。ただ,お金が欲しくてアイドルになろうと決意したモモを,サイがうまいことフォローしているなぁ,と言うのが感じられて,凄く気持ちが良かったです。お互いがお互いを必要とする,っていうのは,こういう物語では必須ですしね。非常に理想的なコンビだったと思います。身長181センチのモモと身長138センチのサイ。ものすごいでこぼこコンビってのも良いですね。

気になる点としては,描写が少なくて物足りなさを感じるところがある,と言う点でしょうか。特に,バトルに関してはもう少し文量があっても良かった気がします。それと,トップの二人が単純な作戦に引っかかるのもどうなのかなぁ,と言う点も気になりますね。この点は次の巻での成長に期待したいところです。

それと,オリンの扱い。扱いがかませ犬的で少し見せ場に乏しかったかな,と言う感じがしました。結構美味しいところは持って行ったとは,個人的に思うのですが。ただ,彼女のキャラクター。バトルドレス。そして,彼女の所属する会社の社長のウダガワ・ジュンイチのくせ者っぷりからして,今後の台風の目になりそうな存在ではあると思います。続きに期待です。

個人的にはものすごくツボの作品で,一発で好きになってしまいました。イラストも素晴らしいですしねwこれは次が楽しみな作品が出てきたなぁ,と。扱っている舞台からして,非常に映像に向いている作品,と言う印象も受けましたし。これは,人気が出たら十分にアニメ化を狙える作品ではないかなぁ。と言うか,アニメ化して欲しいです!!


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ask

飛んでまいりましたよ~w

大方私と同じですw 百合好きではないんですけれども。ええ。この作品で目覚めなければいいんですが……w
やっぱりキャラクターですよね! 一つが飛びぬけているので受賞したのかなと思うくらいです。というか、アイドルと銘打ってるくらいですから、もっとその点は期待しておけばよかったなぁと思っています。こんな驚きをくらうこともなかったはずw
タキさんとオリンとサイちゃんの3人で揺れてます……。みんな可愛い……。

バトルシーンについては非常に興味があります。このままでいくのか、あえて描写に挑むのか、はたまたバトルの設定そのものを広げていくのか。
色々な意味で非常に興味がある作品です。今となっては、読んでよかったなぁと思ってます。
by ask (2011-03-02 20:52) 

takao

askさん,コメントありがとうございます。
なんか,急かした感じになって申し訳ないです。

百合属性はですねw
まずはマリア様がみてるからではないでしょうかw
百合属性のあるラノベって意外と少ないみたいなので,なかなか目覚めることはないと思いますよw
私もなんだかんだで,ソフトな方が好きですし。

売りは,キャラクターでしょうね。
キャラがしっかり立っているのが素晴らしかったです。
その三人,なかなか魅力的ですねw
これからも魅力的なキャラが出るのか,と思うと楽しい限りですw

バトルシーン,どうなるのかですよね。
2巻以降,対策を練られてくるのは必須。
その時,どうするのかですよね。
バトルルールの追加,と言う可能性はあるでしょうね。

楽しい作品になりそうですし,私も期待しております。
……他の受賞作品も読まないと(^^ゞ
by takao (2011-03-03 19:06) 

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