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『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 上』/岡田麿里. [メディアファクトリー]

MF文庫Jじゃなくて、MF文庫ダ・ヴィンチなんですね。ちなみに、私はアニメの方を観ていません。

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(上) (MF文庫ダ・ヴィンチ)

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(上) (MF文庫ダ・ヴィンチ)

  • 作者: 岡田麿里
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/07/22
  • メディア: 文庫

 

表紙がいいですよね。花とその中にいるめんま。

さてさて、アニメの方は録画しているものの全然見ていない状況の私。皆様の評価も非常に高いので、いつの日か観よう(という時は、一生見ないルートなのですが)と思っていたら、ノベライズが出たので読んでみた次第です。ちなみに、これは『ダ・ヴィンチ』で連載していた物を加筆修正した物らしいです。……連載していたこと、全然知らなかったw

アニメの方は全然観ていないので、どんな感じかと思ったのですが。とにかくワンエピソードが短いというのが読み始めてすぐに感じたこと。それは、各キャラの心情表現部分だったりするのですが。ただ、各キャラの思いがどういうものかよく伝わってきて、非常に興味深かったです。じんたんが超平和バスターズのリーダーとして、何よりもプライドを持っていること。あなるのじんたんへの思い。ぽっぽのじんたんに対する信頼。ゆきあつのじんたんに対する屈折した思い。そんなゆきあつに対する鶴子の覚悟。

作品の設定自体は、正直ありがちかな、と感じる部分も多かったです。泣ける、と言う話はよく聞いていたのですが、読んでいてなるほど、これは泣きの要素がちりばめられているなぁ、と。ただ、その部分で各キャラの心情がハッキリと伝わってくるので、非常に心を打つ物がありました。なるほど、確かにこれをアニメで観ていたら、私も泣いていただろうなぁ、と感じながら、涙ぐんでいました。

アニメの方とは展開が入れ替わっているようですが。この巻では、超平和バスターズの5人が、めんまの存在を認めるまで描かれています。めんまの幻影にすがるゆきあつが、その幻影を打ち砕かれるまで、ですかね?とにかく、200ページ程度の本なのですが、各キャラが苦しんで、ぶつかって、苦悩して。とにかく、「生きている」という印象を受けました。特に、主人公?のじんたんの描写がよかったですね。誰よりもリーダーであろうとした過去。めんまが死んだ時に、負ってしまった心の傷。現状に対する葛藤と、そこから立ち直ろうとするところがよかったです。

そして、個人的にはよかったと思うのは、鶴子がゆきあつのために傷つく場面。ここで突然文字が太くなっているのが意味深でしたが。ここが小説オリジナルエピソードなのかな?と、読書メーターで書いている方がいらっしゃいましたが。この場面、なかなかに心を打ちました。痛い。でも、相手を思うからこそ出来る行動なんですよね。そのけなげな行動がいいなあ、と感じました。

さて、下巻はめんまの願い叶えるために、超平和バスターズが動き出す展開になるのでしょうが。果たして、めんまの願いとは何なのか。じんたんは救われるのか。あなるの思いはどうなるのか。ゆきあつと鶴子はどうなるのか。非常に気になるところです。上巻が7月号連載分まで、ということで下巻が出るのはまだまだ先になりそうですね。楽しみに待ちたいと思います。

この小説読んで、アニメの人気が出る理由がよく分かりました。お話がしっかりしていますものね。私もアニメを観ないと!という気持ちになりました。下巻が出るのを待つか、アニメを先に見てしまうか、悩ましいところですが。


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コメント 4

chokusin

アニメのノベライズだったんですね。書影だけ見ると一般文芸作品にも思えます。
by chokusin (2011-07-25 00:07) 

カルディア

アニメを見ていない人がこれを読んでどう思うか、ってのはすごく貴重だと思う。
そこはこの感想記事の強味ですね。

>何よりもプライドを持っていること
アニメではそこまでのプライドは感じなかったので、じんたんの心情もしっかり描かれているのか~とちょっと新鮮。

上巻で泣ける要素が散りばめられていると感じられる作りであれば、下巻でどれだけ涙を誘われるかが楽しみですね。
アニメって、動きにBGMに声優さんの演技もあって、制作側の泣かせたいという気持ちが演出できるのに対して、文字だけでどこまで伝えられるのかが気になるんですよ。
これはぜひ小説を読破した後にアニメ版も見てもらいたいものです。

by カルディア (2011-07-25 16:55) 

takao

chokusinさん、コメントありがとうございます。

まぁ、レーベルがMF文庫ダ・ヴィンチなので、レーベル的には一般向けになるかと思います。
一般の人が一般向けと取るかどうかは別としてですねw
ただ、十分一般向けになる内容であると思いました。
by takao (2011-07-30 00:21) 

takao

カルディアさん、コメントありがとうございます。

読書メーターでも同じようなこと言われましたw
やはり、人気作だけあって見ていない人は貴重なんでしょうね

やはり、読書メーターで触れている人がいましたね。
小説では、ことあるごとに「リーダーとして」と描かれていたのですが。

と言う訳で、アニメ見るのは下巻を読んでからにします。
早く下巻が出て欲しいですが。
小説の方は、うまく心理描写で泣きの要素を強くしているように感じますし、どこまで盛り上げてくれるのか楽しみです。
by takao (2011-07-30 00:31) 

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