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『僕は友達が少ない 7』/平坂読 [メディアファクトリー]

あらすじ
長谷川小鳩の誕生日パーティーも無事に(?)終わり、ふたたび学園祭に備えての活動を開始する隣人部のメンバーたち。紆余曲折の末、文化祭の出し物の内容は映画作りに決定し、脚本は夜空が担当することに。だが、やたらと小鷹との過去の関係を強調する夜空と他の女子部員たちとの間に不穏な空気が流れ始める。そんなおり、小鷹と星奈との間にも実は『特別な関係』があったことが発覚し、さらには隣人部のジョーカー、志熊理科までもが動き出す。大人気残念軽ラブコメディ第7弾、リア充たちの祭典を前にしても物語はついに佳境を迎える……かも。(裏表紙より)

感想
どうも、誰がなんと言おうと理科派、takaoです。今回は今更ながら、『僕は友達が少ない』7巻の感想を。読んだのが少し前になりますので、忘れている部分もありますが、その点御了承いただけると幸いです。


「だって理科たちは、もう友達じゃないですか」(P.11)

こんな印象的な言葉から始まる7巻。そして、この巻がこの物語を展開上、重要な意味をしめる巻になっていたと感じました。そして、それを引き出したのが、この物語のジョーカーである志熊理科であった、という事は必然だったんだろうなぁ、と感じました。とにかく、今までいろいろな人から指摘されてきた「隣人部はすでにリア充だろう」ということに対する、答えの巻だったように思います。

そして、「隣人部がリア充ではない(と認めていない)わけ」というのが、分かってみたら、あまりにもあんまりな内容だった、というのも印象に残りました。確かに、その気持ちは分からないでもないですけども。ただ、結局それでは今の「僕は友達が少ない(というかいない)」という状況に変化は見られないのになぁ、と。今の状況がなまじ気持ちいいから、という事も影響しているのでしょうね。おそらく、周りのメンバーの態度からして、今のままでいい、と思っているのは小鷹だけ。となると、小鷹の心境が変化するか、それとも変化せざるを得ない状況になるか。物語がさらに一歩進むためにはそのことが必要だと感じました。とはいえ、ライトノベル的にいうと、変化せざるを得ない状況になる、という可能性が一番高いように思います。果たしてそれを生み出すのは、またまた理科なのか、それとも夜空と星奈なのか。はたまた、大番狂わせで幸村なのか、というところが気になります。マリアが無邪気に指摘する、という可能性が無きにしもあらずかな?

そして、この巻で印象に残った、もう一つのことが、おそらく初めて垣間見せた「夜空の弱さ」の部分だと思います。遂に、自分と小鷹がかつて親友であったことを思いだしてもらえたのですが、星奈と小鷹が結婚することになっている、という情報によって、夜空の中に焦りが生まれたのかなぁ、と感じました。「かつて親友であった」ということが共通理解されたことから、小鷹を求める気持ちが強まっていた影響も大いにあるでしょうね。

今まで、傍若無人。とにかく星奈を弄り倒す側であった夜空が、星奈に弄られ、屈するというのはなかなかに新鮮な展開でした。そして、ここで際立ってしまったのが、自分と小鷹との関係に執着するばかりに利己的になってしまった夜空と、(小鷹との関係を意識してなかったにせよ)隣人部全体のことを考えて行動した星奈との好感度の差かな、と感じました。夜空が初めて見せた人間的な部分であるだけに、親しみを感じるか、嫌悪感を抱くか、難しいところでは無いかと思います。

そして、隣人部ではなにげに小鷹争奪戦の幕が静かに切って落とされているようですが。この辺の展開は今後でしょうね。

そんな感じで、展開的には重要な意味を持っていた7巻ですが、ギャグの方も健在。相変わらず笑わせてもらいました。このギャグと若干のシリアステイストを混ぜた感じで今後は物語を展開させるのかな?と感じるところです。相変わらずの展開に、マンネリを感じる、という意見も時々見かけますが、個人的には今後も楽しめそうかな、というところ。とりあえずは、次の関係への扉を開くのが誰なのか、楽しみにしたいと思います。


僕は友達が少ない7 DVD付き特装版 (MF文庫J)

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  • 作者: 平坂 読
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2011/09/21
  • メディア: 文庫



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コメント 6

cherryh

理科いいですよね、理科。
小鷹に華麗にスルーされているアピールもなかなかです。
by cherryh (2011-10-13 22:50) 

takao

cherryhさん、コメントありがとうございます。

理科、いいですよねw
あのジョーかーっぷりも素敵ですが、アピールするけどスルーされるところが何とも可愛らしいなぁ、と思っています。
hentaiっぷりを抑えたらいいんですけどねw
by takao (2011-10-15 18:58) 

ロック

ネタバレ防止のため、
中身はちゃんと読めてませんが・・・

>誰がなんと言おうと理科派、takaoです
理科って誰だ?と思って公式を確認したら、
まさにtakaoさん好みのメガネで安心しましたw

by ロック (2011-10-16 10:25) 

takao

ロックさん、コメントありがとうございます。

別にそんなネタバレをしているつもりはありませんが
まぁ、それなりでしょうね。

理科は眼鏡っ娘ですが、色々腐っていますよw
だが、そこがいい!

by takao (2011-10-16 12:45) 

tamapu-

takaoさん、こんにちは。

相変わらずのいい塩梅のレビューありがとうございます。
お仕事は編集ではと、思ってしまいますよww

そろそろ個別ルートに入って行くんでしょうかね。
この巻の理科の研究室でのくだりは、個人の心情とか影とかに触れていくのかと思いドキドキして読んでました。

このタイトルがギャグだけじゃない感動もできる作品になってくれたらと、思っています。

by tamapu- (2011-10-22 13:36) 

takao

tamapu-さん、コメントありがとうございます。

お褒めの言葉ありがとうございます。
編集の仕事、できるものならやりたいのですがw
本業は別の仕事です。

状況的には個別ルートに突入、というところなのでしょうけども、小鷹がこの様子だったら、まだまだ個別ルートに入れないのではないか、と思っています。
理科も思い切って踏み込ませたりアピールしてみたりしているのに、不発なところが不憫で仕方ありません。

笑いのテンションは相変わらずなのですが、それだけではないと感じさせる展開もありましたし。
夜空の弱さの描写がそこを狙ってなのかも知れませんね。
一体どうなっていくか、非常に楽しみです。
by takao (2011-10-22 16:44) 

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