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『俺がお嬢様学校の「庶民サンプル」として拉致られた件 4』/七月隆文 [一迅社]

(あらすじ)

「『メイド喫茶』って何?」本物のメイドを知るお嬢様にとって庶民文化は謎だらけ!
公人の中に溜まりに溜まったとある欲求、白亜と過ごす何気ない休日その2、愛佳が見つけた意外な(?)ぼっち仲間、学校に現れる謎のヒーロー「野兎の 君」、そして行われる一大イベント《6月の花嫁舞踏会》――全33話+αでお送りする超絶人気ハートフル学園ラブコメ、感涙必至の第4巻!(一迅者文庫ウェブページより)

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件4 (一迅社文庫)

俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件4 (一迅社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2012/10/20
  • メディア: 文庫

感想は追記にて。 

(感想)

始まった時は、「今のライトノベルにありがちな文のタイトルで、ありがちなお話しかなぁ」なんて思いましたが、私の判断違いだったようで。ラブコメというライバルが多いジャンルにおいて、安心して続きを楽しむことができる、素晴らしいシリーズになってきたのを感じました。

何度目かの紹介になりますが。この作品の良さは、一つのエピソードが短いことでしょう。この巻だと、約270ページで33話なので、1話が約8ページでしょうか。一つのエピソードが短いので、短い時間でも楽しむことができます。そして、その面白さに釣られて、もう一つ、もう一つと読み進めるうちに、読み終えてしまいます。

また、それぞれの話のサブタイトルが、本編に出てくる言葉になっているので、話の流れを読みながら、一体どんな感じでその言葉が使われるかを想像する楽しみ方もできます。時折意外な展開になることもあり、一筋縄ではいかない楽しみ方ができます。

また、この作品は基本線はコメディなのですが、ただコメディで終わらないのが、味付けとして非常に効果的だと思います。例えば、本編でドSメイドとして描かれ、主人公に対して「殺しますよ」「いっそ死ねばいいのに」と口を開く度に毒づく九条さんですが、本編では彼に対する秘めたる恋心が描かれています。そのため、彼女の言葉には、口に出すことのできない思いを秘めたものを容易に想像でき、いじましく思えてしまいます。

そして、この巻で描かれたのは「友情」。庶民部として集まった、はじめはばらばらだった4人が、いつしか同じ時を過ごすうちにつながりを育んでいて、もう友達と言えるような存在になっていることが描かれました。これまで犬猿の仲のように描かれていた愛佳と麗子にも、です。これがほんわりと心温まるようでした。ラストエピソードは、凄くよかったです。

話が短いことでテンポがよく、コメディの質も高いため、終始笑いながら読むことができました。その上、いい話を織り込んできて良い気持ちで読み終えることができ、素敵な作品だと強く感じました。きっとこのライトノベルが凄い2013に入っているに違いない、と思って見てみたら、残念ながら入っていませんでした。確かに、ラインナップを見ていると入る隙間がないかなぁ、という気もしてきます。レーベルがマイナーすぎるせいかなぁ、という気もします。しかし、マイナーなレーベルから出ているからこそ、注目して欲しいなぁ、という思いがあります。この辺は、5巻はドラマCD付き特装版が出版される、ということですし、今後のメディアミックスに期待したいところです。化けるだけの力は、十分にあると思うので。

最後に。このシリーズと言えばイラストで遊ぶことも特徴の一つです。この巻でも、存分に遊んでくれました。そして、ラスト。

DSC00307.jpg

※ネタバレになるので、画像を縮小しています。クリックすると、大きな画像を見ることができます。

思わず「○○○かよ」と突っ込んでしまいました。これまで少しずつ仕込んできたフラグを爆発させるときがいよいよ来たようです。そして、九条さんの恋心が生まれたきっかけにも関係ありそうな、未だ伏せられた主人公の過去の出来事も明かされそうです。一体どんな展開を迎えるのか、5巻が楽しみで仕方ありません。


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コメント 10

つるぎうお

ほう。これ面白いのか。
表紙とタイトルだけみてパスしてたわー。
でも、その前に積み本がー。

by つるぎうお (2012-11-27 23:31) 

cherryh

テンプレートのようなタイトルで回避していましたが、そういう内容ならちょっと読んでみようかなー。
by cherryh (2012-11-29 21:58) 

カルディア

感想の出だしで惹き付けられて、
この記事自体を思わず最後まで読み進めてしまいましたよw
タイトルはありふれたテンプレながら、
なるほどこれは面白そうだと感じられますね。
エピソードが短く切られている作りは通勤通学で読みやすそうだなと。
4巻目でも楽しさを見出せる作品はすごいなあ。

by カルディア (2012-11-30 01:02) 

takao

つるぎうおさん、コメントありがとうございます。

1巻の時点では、割とありきたりだったように思いますが、巻が進むにつれて独自性が出てきたように思います。
確かに、表紙とタイトルで損をしているかもしれませんねw
絵師さんつながりで言うと、某おにあ……ゲフンゲフンwよりこっちの方がおもしろいと思います。

積み本は大変ですよね。
私も、9月から全然読めていなかったので、大量にありますw
いつ消化できるか。
by takao (2012-12-01 15:46) 

takao

cherryhさん、コメントありがとうございます。

タイトルで損しているかもしれませんね。本当に。
そして、1巻は割とありきたりだったような。
ただ、2巻あたりかな?から独自性が出てよくなったように思います
4巻は、大変素晴らしいできでしたよw
是非是非読まれてください。
もっと頑張れな一迅社文庫ですしw
by takao (2012-12-01 15:48) 

takao

カルディアさん、コメントありがとうございます。

最近、ワンエピソードが短い作品も出ていますね、ラノベ。
『GJ部』が有名なようですが(読んでことないので分かりませんがw)
短い時間でも読みやすいので、寝る前に読むときなど非常に都合が良いですw
こちらは、なかなか楽しい作品なんで、もっと多くの人に読んで欲しいですね。
by takao (2012-12-01 15:51) 

あすぱい

お元気そうですね~^^

ところでこれはtakaoさんですか。(ぉ

ttp://portal.nifty.com/kiji/121207158656_1.htm
by あすぱい (2012-12-07 21:28) 

takao

あすぱいさん、コメントありがとうございます。

仕事はそこそこ忙しいですが、元気にやっておりますよw
まぁ、肺炎になったりはしましたけどもw

それは残念ながら、私ではありませんねw
電車は守備範囲ではないのです。
by takao (2012-12-15 13:56) 

あすぱい

肺炎ですか大変でしたね、お大事に。

やはりCTとりました?職業上ちょっと気になります。(^^;)

さてtakaoさんは↓のドラマは見てるのですか?

http://rocketnews24.com/2012/12/10/274741/
by あすぱい (2012-12-29 23:26) 

takao

あすぱいさん、コメントありがとうございます。

肺炎は、病院に行った時間が遅かった(17時くらい)もあって、CTは取りませんでした。
代わりに、レントゲン(^^ゞ
健康診断を受けていたので、前回との比較で「肺炎っぽい(断定されず)」とのことでした。
「マイコプラズマが流行っているかもしれないから、マイコプラズマかもしれないけど、時間が遅いからねぇ」ということで、その日はマイコプラズマという想定で診断されましたw
まぁ、次の日に診察行けば良かったのですが、次の日はじっくり自宅療養で。
酷くなくてよかったですw

ビブリア、1月14日スタートなのですね。
もう、ゴーリキーと言うだけで見たくないのですがw
怖いもの見たさで1話だけ見てみるかもしれません。
by takao (2012-12-29 23:31) 

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