銀色ふわり/有沢まみず [アスキー・メディアワークス]
初のまみず作品です。タイトルと表紙が好みだったのと(かなり珍しいような気がします)、評判も良かったので読んでみました。結果、大正解でした。
モニターなどの機械を通さないと、普通の人間からは見ることも声も聞くこともできない「黄昏の子供たち(Dusk Children)」と呼ばれる少女・銀花と、その少女を「認識」することができる少年・安住春道の、所謂ボーイ・ミーツ・ガールの物語。
私がはじめ、タイトルを見たとき「淡い、優しい感じのタイトルだ」と感じましたが、名は体を表す、まさにそのような作品だと思いました。イラストの笛さんの挿絵もタイトル、内容にすばらしくマッチしていたと思います。
途中まで優しくて、儚げで、ありがちと言われるかも知れませんが、主人公・春道と少女・銀花の交流が初々しくて、癒されました。いいですよね。不器用って。
完全に余談ですが、「イエスタデー」と呼ばれている少女に「銀花」(髪の色が美しい銀色だったから)と名前を付ける主人公のセンスにいろいろな意味で、脱帽しました。私だったら「いーちゃん」とか「しーちゃん」(シルバー)と呼んでそうな気がします。いきなり「ちゃんづけ」ってのもどうかと思いますが。
閑話休題。しかし、世の中そんなに甘くない。二人には絶望的な未来が待っています。そんな未来が待っている、と言うことがわかっていても、一緒にいることを選ぶ二人。どんな展開を作者が描こうとしているかわかりませんが、二人の幸せを願って、しばらく追いかけたいと思いました。
2008-08-20 19:48
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