ANGEL+DIVE 1.STARFAKE/十文字青 [一迅社]
ANGEL+DIVE (1) (一迅社文庫 (し-01-01))
- 作者: 十文字 青
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2008/05/20
- メディア: 文庫
『女帝・龍凰院麟音の初恋1』を読み終わった後、「そうだ、一迅社文庫を読もう」と思い立ち、適当に見繕って注文した本書。ただ、タイトルと表紙で購入を決めたため気付いていなかったのですが、『薔薇のマリア』の作者さんだったのですね。本気で、作者紹介見るまで気付いていませんでした。そういえば、『薔薇のマリア』の1巻も買っているけど、読んでいないことに気付きました。読まないとなぁ。読みたいなぁ。
とにかく、文体が落ち着いていて綺麗だなぁ、と思いました。いかにもライトノベル、みたいな文章も好きですが、このような文体も好きです。確かに派手さはないのですが、いいなぁ。このような文体のものももう少し増えると嬉しいかも知れません。売り上げ的に厳しそうですが。
まず、現物を見て一番最初に目を引いたのが、装丁でした。いや、すごく上品でいい。というか、『女帝・龍凰院麟音の初恋』と当然同じなのですが、全然別物に見えるのはなぜだろう。「そりゃ表紙の絵のタイプが全然違うから」といわれたらおしまいですが。すごくいいと思いました。私の住む田舎ではライトノベルの棚が少ないし、そもそも一迅社文庫置いてあるところなんて、多分紀伊國屋かアニメイトか地元の大きい本屋さん(2件くらい?)くらいしか置いてなさそうなのが残念。これが平積みしてあったら間違いなく買っていたのに。
で、早速読み始めました。読む前は、表紙からして「また百合ものか。好きだけど」と思ってたのですが、さにあらず。どっちかというとハーレムものでした。しかし、登場人物、ことごとく人格破綻者の気がします。それに、ヒロインが4人いて、ツンデレ1不思議ちゃん2(天然?)普通っぽい人1というのはなんかバランスが悪い気がします。主人公も天然というか、不思議ちゃんというか、精神年齢1桁っぽいし。とかいいつつ、この作品の登場人物、結構好きですが。
この巻では、今後の展開を示すようなキーワードは多少出てくるものの、説明が少なくて今後どうなっていくか皆目見当がつきません。まあ、バトルものになっていきそうな気配はありますが。この巻は、とにかくプロローグと言った印象を受けました。しかし、引きがうまい。本編は1990年の話が書かれており、エピローグにあたるものが1997年、と7年後について書かれておりますが。いやー、何がどうなってこうなるのか。非常に気になります。
文章が丁寧なので、すごくいい気持ちで読むことができました。400ページ近くあるし字もそこそこ詰まっているので、読むのに結構時間がかかりましたが、そんなことが苦にならないくらい面白かったです。全く、何で私は今回に限って2巻まで買っていないのだろう、と思うくらいに。これもまた、積み本消化率が上がってきたら、続きを読みたいと思います。これは是非ともお勧めしたい作品です。
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