海の底/有川浩 [アスキー・メディアワークス]
2009年記念すべき一冊目。昨年度は目標100冊を大きく上回ることができたので、今年は150冊読めるようにしたいと思います。まあ、ラノベばっかりなので、自慢にもなりませんが。ちなみに、昨年度末に、『ANGEL+DIVE3』やら読んでいるのですが、それは引っ越しが終わって一段落してから更新しようと思います。今、手元に本がないので。
さて、本題『海の底』これはかなり面白かったです。2009年始まったばかりでまだ1冊しか読んでいませんが、今年読んだ本でトップ5には入ってくるのではないか、と思うくらいのできでした。『空の中』で感じた中途半端な終わり方、といった感じが全くなく、始めから終わりまでノンストップで読み切ることができました。
個人的にすばらしいと感じたのは、いろいろな視点から楽しめるところだと思います。手元に本がないので、名前は書けませんが(後で修正しておきます)自衛官と少女の恋愛ものとして楽しめるし、未知の生物に襲われるパニックものとして楽しめるし(の割にラストあっさりですが)、少年の成長物語としても楽しめる。ここら辺は、作者・有川浩の力量が感じられました。ま、個人的にはやはり恋愛物語として一番楽しめました。あの終わり方は、ベタではありますが秀逸だなぁ。個人的には『G線上の魔王』のラストを思い起こさせるようなエンディングでした。しかし、一人の人をそこまで思い込めるものかなぁ、と思ったりもしますが。さらに、あそこで終わっているのも素晴らしい。やはり物語はいろいろ想像する余地がないといけない、と強く感じました。
個人的に気に入ったのが
「次に同じようなことがあったら、今より巧くやれるようになる。そのために最初に蹴つまずくのが俺たちの仕事なん だ」(P.394)
熱いなぁ。こう言える人間は、本当にかっこいいと思います。
積極的に買ったのではないのですが、非常に面白く、買って良かったと思います。「どこが海の底だ」とも思いましたが、まあそれは些末なこと。今後、有川浩氏の活躍が非常に楽しみです。それにしても、この作品、映画化したらすごく面白そうな気がします。多分、120分以内には収まると思いますし。『空の中』でもいいので、映画化されないものでしょうか。まあ、『タイムリープ』みたいになってもちょっとあれですが。
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