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秋期限定栗きんとん事件 上/米澤穂信 [東京創元社]


秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/02
  • メディア: 文庫



小市民シリーズの最新作。前作が非常に気になる終わり方だったので、待ちに待った最新作の刊行です。

こういう上下巻ものの定番ですが、待てる人は下巻の発売まで待った方がいいかもしれません。下巻もすぐに発売される予定だったと思うので。「続編を待っているけど、いつまでも続編が出なくて驚愕」みたいな最悪の事態も避けられますし。……本当にでないのかな?驚愕?

閑話休題。小市民シリーズの本作でありますが、今回のメインの登場人物は新登場の瓜野君。高校一年生。新聞部員。小佐内さんの交際相手となります。そう、何と今回は小鳩君と小佐内さんに恋人ができます。それもわりとあっさりと。なんともうらやましい話で。まあそれはおいといて、この瓜野君が、木良市で頻発する放火事件を追いかけるのが、上巻のメイン。ということで、あまり小鳩君と小佐内さんの出番が実は多くありません。それは少し残念。

今回、瓜野君が中心となって物語が進んでいきますが、正直、この瓜野君が個人的には苦手。というか嫌いとさえ言えるかもしれませんでした。なにがそうかというと放火事件を追いかけるのですが、その理由が、健吾のように正義感から、という訳でなく、小鳩君のように興味本位でもなく(まえこれもどうかなと思いますが)。ただ単に、高校に自分の名前を残したいから、という完全に自己中心的な目的で。何か、事件が起こって視聴率アップ、的な思考が、ワイドショーレポーターのようで嫌でした。まあ、若いと言えば若いのでしょうが。小市民的でないというか。

それに反して、健吾の成長っぷりがすごかった。「おいしいココアの作り方」からのイメージか、健吾=ずぼら、のイメージがあったのですが、とんでもない。いつの間にか、自分たちの行動に対して、どのような反応が起こりうるか、しっかり考えられるようになっていて、正直「こんなやつだったかな」という思いすらしました。いや、純粋にかっこよかったです。

小鳩君は、前述のように出番が少なくて残念。自然と、小鳩君の謎解きショーの場面も少なく。もっと、意気揚々と謎解きして反省する小鳩君を見たかった気がします。とはいえ、彼女とデートしていて、いけないと思いつつ意気揚々と謎解きをしちゃうのが小鳩君らしくてほほえましかったです。小市民はほど遠そうな感じです。

さて、今回はこの放火事件とあることについて、小鳩君が予想を立てることで終了しています。果たして、それがどのような物か、非常に楽しみです。また、今回結局出会うことがなかった小鳩君と小佐内さん。再びであった二人の関係がどのようなものとなるか、楽しみにしたいと思います。
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