メグとセロンⅣ エアコ村連続殺人事件／時雨沢恵一

メグとセロン〈4〉エアコ村連続殺人事件 (電撃文庫)

• 作者: 時雨沢 恵一
• 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
• 発売日: 2009/03/10
• メディア: 文庫

前回までは、そんなに大きな事件にからんでこなかったような気がするのですが（実はよく覚えていないだけ）今回はいきなり殺人事件の解決。一気に事件のレベルが飛躍した気がします。

とはいえ、メインはメグミカとセロンのふれあいでしょうか。せっかく周りの人間が気を遣ってチャンスを作ってくれているのに、そのチャンスを生かすことのできないセロンくんのへたれっぷりが素敵です。そして、それに気づかずにナチュラルにセロンくんをまどわすメグミカがかわいいです。本当にこの二人は見ていておもしろいし、かわいいなぁ、としみじみ感じました。

また、周りのキャラも相変わらずのいい味。ラリーとナータは相変わらずのいいコンビ。この二人は一生このままのコンビを貫きそうな気がします。ニックは今回は意外な一面を見ることができました。そして、今回衝撃の過去を後悔したジェニー。過去の写真が完全に別人なのは笑えました。この変化には失恋がからんでいそうですが、さてはて。この後是非とも描いて欲しいような、そうでもないような。

それで、肝心の事件ですがこちらの方はどうもしっくり来なかったです。電撃ですし、そんなに多くの物は期待していませんので、謎解きがあれだとかは気にならないのですが。どうも行動原理が分からなかったです。もちろん、死んだあとでも、たとえそこが地獄でも、好きな人と一緒にいたいと思う気持ちは分かるのですが。そのために、人を殺していいとは思わないし、殺そうとも思いません。それは愛ではないような気がします。

殺人事件の解決編には釈然としない物を感じましたが、日常パートは大満足。日常パートがメインだと思うので、トータルとしては大満足でした。それにしても、メグミカとセロンの関係があまり進展しているようには見えないのが何とも。せめて、メグミカがセロンのことを少しでも意識してくれるように、セロン、がんばれ！