SSブログ

後半からはすばらしい 『放課後トゥーランドット』 [一迅社]

これは、完全にタイトルに惹かれて買いました。消化不良なものを感じるものの、面白かったです。

あらすじ。一迅社文庫4月のご案内より引用です。

「再会した幼なじみの彼女、姫ノ咲楼蘭は学園の独裁者?!サムライ魂を胸に秘めた楼蘭が掲げる『部活動不覚悟制度』の旗印のもと、活動実績のない無い部活が淘汰される中、なんと僕の演劇部も次の文化祭で公演の一つもしなければお取りつぶしの危機に。え、次はオペラで、僕は楼蘭をスカウトしてくる任務なの?しかも、楼蘭は変な謎々を出してきたんだけど……。青春と音楽、そして恋。演劇部を守るための僕たちの戦いが始まる。」

うわ、途中書いていて気付きましたが、これ間違っている。全く、さては途中設定の変更があったのに、そのままコピペで載せやがりましたね。一迅社。適当な仕事をしているな。誰も読まない、とか思ったのか。と言うわけで、実際の本に載っている紹介文からのあらすじ。

「再会した幼なじみの彼女は学園の独裁者?!
始業式の直後に生徒会長を糾弾して這い落とし、自ら学園権力を握った彼女の名前は姫ノ咲楼蘭。ドイツ帰りの帰国子女。

サムライ魂を胸に秘めた楼蘭が掲げる『部活動不覚悟制度』の旗印のもと、活動実績のない無い部活が淘汰される中、なんと僕の吹奏楽部と渚さんの演劇部も次の文化祭で公演の一つもしなければお取りつぶしの危機に。え、オペラ公演のために僕は楼蘭をスカウトしてくる任務なの?しかも、そのために、彼女の出す『答えのないなぞなぞ』を解かなければならない?!

青春と音楽、そして恋。
吹奏楽部と演劇部を守るための僕たちの戦いが始まる。」


まあ、枝葉の部分とか、文章がイマイチしっくりこないとかはどうでもいいですけど、せめて主人公の部活の変更は訂正しておけよな、という感じです。まあ、途中で大幅な変更が入ったのでしょう。そして、紹介文はそのまま。作品より先に刷ってしまった、ということもあるかも知れませんね。


そう考えると、作品自体もそれがわかるような感じで。正直、読み始めたときはなんか、悪い意味でライトノベル的な文章だなぁ、と感じました。まあ、その前に読んでいたのが『鷺と雪』だからかも知れませんが。19ページのいかにもあれな表情のサブヒロインの絵も悪い方に影響しました。「なん……だと……。これで童顔……?」「おばあちゃんみたいにたれているとしか思えない胸は何だ?」と思わずつっこみを入れてしまいました。途中の楼蘭の台詞も、ツンデレを意識したのでしょうけど、ヒロイン像にマッチせずに違和感しか感じなかったりとか。

で、この影響が長引いて、イマイチ乗り切れずにいました。本当、「正直外れだったかな?」と思うほどに。ところがどっこい。中盤からの怒濤の盛り返し。最後の方は目が離せず、一気に読み終わってしまいました。

とにかく、第一のなぞなぞを解いて、主人公とヒロインの距離が近づいてからが良かった。そこに、サブヒロイン、演劇部の渚さんも加わることで一気に青春色が出て来たように思います。恋愛要素と部活動要素は本当に強いな、と。正直、最初からこの路線で行けば良かったのではないかと。

と言うわけで、途中から(具体的に言うと、食堂に肉を盗みに行くあたり)から一気でした。いやぁ、本当に素晴らしかったです。青春って良いなぁ。まぁ、終わり方には釈然としないモノを感じるのですが。楼蘭と父親の和解、はないにしても、母親との再会はあっても良かったように思いますが。まだ、楼蘭が答えを出せていない、と言うことが影響しているのかな?それと、楼蘭と主人公の幼なじみ設定は一体どこに行ったのだろうか。全くなくても良かったのではないのかな?といった感じで、他にも、楼蘭の男アレルギーの原因とか人前で歌うことアレルギーの原因とか、いろいろ答えが出ていないように思います。メインであるはずの文化祭の舞台の場面自体、ページ数も少なかったですし。訂正入れたけど、間に合わなくて最後は何とか形を取るのが精一杯だった、と言う印象でした。

ツンデレとか、そこら辺を期待すると思いっきり肩すかしを食らいます。楼蘭最後までデレませんし。その代わり、楼蘭の揺れ動く気持ちは面白かったと思います。何より、青春って良いなぁ、と感じさせてくれる小説でした。そこらへんを楽しめるなら、お勧めです。でも、これで650円は高いなかも。



放課後トゥーランドット (一迅社文庫)

放課後トゥーランドット (一迅社文庫)

  • 作者: みかづき 紅月
  • 出版社/メーカー: 一迅社
  • 発売日: 2009/04/20
  • メディア: 文庫



ブログパーツ
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。