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『踊る星降るレネシクル』/裕時悠示 [ソフトバンク]

今回紹介するのはこちらです。

踊る星降るレネシクル (GA文庫)

踊る星降るレネシクル (GA文庫)

  • 作者: 裕時 悠示
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2010/04/15
  • メディア: 文庫

ちょっと前の作品になりますね。GA文庫大賞・激励賞受賞作品。『踊る星降るレネシクル』です。ちなみに、今月2巻が発売になっております。元々タイトルに惹かれて、「読みたいなぁ」と思っていたところに、2巻の発売、と言う事で読んでみました。

 

舞台は、個性で戦いが行われる、ミカホシ学園。主人公のレンヤは、幼い時から同じ格闘術を修行した幼なじみの少女・沙良瑞貴が意識を失ったとの情報を得、彼女を追ってミカホシ学園に転入してきます。レネシクルを身につけたレンヤは、その噂から戦いを次々に挑まれますが、彼自身、「二度と戦わない」と誓っていたために戦いを拒絶します。そんな彼の元に現れたのは、昨年度ランカーバトル最下位の少女・舞波すまる。なりゆきですまるの師匠となったレンヤは、彼女と接するうちに・・・・・・

 

読み始めたときは、何て素敵な厨二病もの!という印象でした。あらゆるものから最強を決めるために、そのものにかける情熱をレベルにして戦いをすることができる「ミカホシランキング」のバトルシステムは本当に良いアイディアだと思いました。それが最後には生かされる事がなかったのが残念ですがw

物語としては、少女の成長と、少年のトラウマからの立ち直り、と言うところでしょうか。ボーイミーツガールものではよくありそうな。しかし、その辺は非常に考えて書かれており、大変楽しむ事ができました。特に、少年の立ち直りについては、非常に良くできていたと思います。自分の好きな少女を、自分の身勝手な思いからけがを負わせてしまい、さらに彼女の夢を壊してしまった事から戦いを拒絶してしまった少年。そして、また自分の勝手ですまるの夢を壊してしまった事を悔い。そこで彼を救うのは、すまるからの素直な気持ちの手紙と、彼を世界で一番愛している友人・乾闇鳴。ここら辺の展開は、オーソドックスながら、かなり熱かったです。

そして、最終バトル。すまるの思いを背負ったレンヤと、最強を求める少女の戦いは熱いの一言。かなり引き込まれてしまいました。

若干のラブ展開もありましたが、今回はあくまでも今後に向けての、という感じでしたね。とりあえず、すまると瑞貴。お互いがライバルだ、と言う事を意識しただけでも良いのではないでしょうか。今のところ、レンヤの本命は瑞貴で、すまるは弟子、と言う意識のようですが、この間の展開を見る限り、レンヤの中のすまるの存在の大きさも、かなりのものになっている模様。だからこそ、瑞貴はすまるをライバルとして認定したのでしょうが。すまるの初々しさに対して、瑞貴は素直になれないようなところがあるみたいで。今後が楽しみだなぁ、という感じです。まぁ、個人的には瑞貴に勝って欲しい・・・・・・

非常に面白くて、スイスイ読む事ができたのですが、残念に感じた点も一つ。それは、どのパートも同じような分量で書かれていて、展開は確かに良くできているのですが、どのパートもあっさりしているなぁ、と感じてしまうところ、でしょうか。これは、応募作、と言う事もあるのでしょうが。修行パートもあるのですが、次のページで、基本終えていたり。落ちこぼれみたいだったすまるがあっという間に星降りの成功率が上がっていたり。スイスイ読める分、スイスイお話が進んでしまって、物足りないものを感じてしまいました。もう少し、物語に軽重をつけると、もっと良かったと思うんですけどね。ラブストーリーとして展開させるつもりだったら、レンヤとすまるの交流にもっと重点を置くべきだと思います。たとえば、けんかしたパートで、もっとレンヤがすまるを心配するようなところを描く、とか。二人の修行の何気ない一コマを挿入してみる、とか。そこら辺があれば、すまるのレンヤに対する思いがもっと深くなったのではないかと思います。

また、最後の戦いも物足りなさを感じました。と言うか、最近戦いをうまく書けているなぁ、と思う事自体少ないですが、これもそれで。あっという間に結着がついてしまう、という感じでした。もっと、戦いの場で、お互いのお互いの気持ちをぶつけ合う、死力を尽くした戦い、という感じで描いて貰いたかったなぁ、と思います。

とはいえ、これはあくまでも欲目。物語自体良くできていて、非常に面白かったです。2巻も出ていますし、続きがとにかく楽しみだなぁ、と言う作品でした。


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プラチナ

最近読んだラノベは、猫物語、刀語、真庭語、乃木坂くらいですね。

ラノベは、読むのに3時間くらいはかかるので、なかなか読んでいる余裕はないです。
by プラチナ (2010-08-12 15:58) 

takao

プラチナさん、コメントありがとうございます。

そんなおっしゃいながら、結構読まれていらっしゃるようなw

本読むのは、確かに時間かかりますよね。
ストレスのたまらないように、適度に読むのがいいのではないかと思います。
アニメとか見ていたら、どうしても読めないですしね。
私は、幸い時間があるのですが、読みたい本が多くて困る、というw
by takao (2010-08-14 11:30) 

カルディア

ラブ展開にバトル、そして中二病、面白そうですね。
優秀作で二巻が出るのは人気のあった証拠なのかな?
そういう流れってラノベではよくあることなのだろうか。
優秀作だからかな?w

イラストがカワイイですね。よい肉感w
これキャラ絵でも食いつきそうだわw

by カルディア (2010-08-15 02:18) 

kun

こういうベタなのが、意外といいかもww
面白そうだなwww
アニメ化せんかなww
絵もかわいいww

by kun (2010-08-15 10:36) 

takao

カルディアさん、コメントありがとうございます。

興味を惹いてもらえると嬉しい反面、本当に自分はその作品の良さをおすすめできたのか、と不安になってしまう私がいますw
とはいえ、結構面白かったですよ。
後書きの流れからすると、1巻出版の時点で2巻が出るのは決まっていたようですね。
この辺、出版社によって違いかも知れませんね。
電撃は、だいたい3巻までは出してあげる、と言うレーベルが多いような気がします。
ただ、評判の良い『サクラダリセット』は、売り上げを見てから2巻、と言う流れだったような。
GAは正直なところ、レーベルを『ボリフォニカ』シリーズで支えていて、ようやく『這いよれ!ニャル子さん』が出てきた、という感じなので、レーベルの人気作を出すべく、とりあえず続きを出してみる、という感じなのかなぁ、と思ったりもしますw

イラストの可愛さはかなりおススメです。
特に、ココには書きませんでしたが、すまるの呪いの可愛さと言ったらもうw
by takao (2010-08-15 23:02) 

takao

kunさん、コメントありがとうございます。

オーソドックスなのは、需要があるからオーソドックスなのだ、と言う感じですねw
うーん、アニメ化は今後次第でしょうね。
今2巻ですので、5巻くらいまで続いたら、という感じでしょうか(今度アニメ化される『這いよれ!ニャル子さん』が5巻での発表)
人気が出れば、ありそうですが。
2巻の評判は、読書メーターではぼちぼち、と言う感じなので、今後に期待、と言うところでしょうか。
by takao (2010-08-15 23:07) 

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