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『踊る星降るレネシクル 3』/裕時悠示 [ソフトバンク]

いや,これ凄いシリーズになってきた感じがありますよ。凄く人を選びそうですが。

踊る星降るレネシクル 3 (GA文庫)

踊る星降るレネシクル 3 (GA文庫)

  • 作者: 裕時 悠示
  • イラスト:たかやKi
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2010/12/16
  • メディア: 文庫

8月25日。それはミカホシ学園の登校日。そんな日に,レンヤは異常事態に巻き込まれる。朝起きると,謎の幼女(全裸)が彼の隣で寝ていたのだ。身に覚えのないレンヤは,彼女に名前を尋ねる。返ってきた答えは「沙良瑞貴」というもの。なんと,沙良瑞貴が幼女化していたのだった。
とはいえ,登校日で,担任から沙良瑞貴を連れてくるように,と言明されていたレンヤは,瑞貴を連れて学校へ。そこで告げられたのは,夏休みの最後を飾る一大イベント「サバイバルサマー」だった。もちろん,ミカホシランキング1位の沙良瑞貴は参加しなくてはならず。彼女を幼女化したのは,ロリコン(※バトルの登録名です)の仕業だと判明。行方不明のロリコンは三星会が捜索することになったが,瑞貴はレンヤが護衛することに。果たして,レンヤは瑞貴を守ってサバイバルサマーを生き残ることができるのか?……そして,ミカホシを覆う陰謀が加速し始める。

 

個人的に凄く面白かったです。ただ,万人にお勧めできる,と言う訳ではない,と言う事をご理解の上で,感想を。まず,基本的なノリは,ラブコメ,という感じが定着してきました。それは,すまるの呪いや,なななの呪いに起因しているのですが。ほっぺに本心やら,ノリツッコミやら,レンヤのツッコミ体質やら。他にも,乾とかもうふとか遊園とかギャグキャラも多いですねwそのため,ギャグがかなり多かった気がします。で,最近のコメディ,と言うとパロネタが多い印象がしますが,パロネタは少なめでギャグで勝負しているのがかなり好印象です。ただ,私は好きなんですが,「つまらん」と感じる人が多そうな気がするギャグなのがちょっと苦しいところです。

とはいえ,ギャグばかりではないのがこの作品の素晴らしいところ。物語の中心に位置するキャラクターは,シリアスキャラが多く,物語の核心部分,となると,一気にシリアスになるのが良いと感じます。そして,とにかく厨二病的ノリの熱さがあり,そっちが好きな人なら,かなり熱くなれると思います。とにかく,厨二病好きとしては言葉のセンスがステキすぎます。

「ベッドに入って目を閉じる前に,自分の胸に訊いてみろ。『自分はどんな夢を見たいのか』。言い割る意を考えるより,『希望』だけを強く念じるんだ。なんなら紙に書いて,枕の下に入れたっていい。他の誰でもない,お前の『夢』をな」(P.177)

「目を開けてみる夢ーーそれは,誰かと一緒に見る夢のことだ。目を閉じてみる夢は,自分ひとりしか見られない。だが目を開けていれば,ふたりで同じものを見られる」(P.240)

冷静に考えて,私って本当に厨二病が好きなんだなぁ,と感じた次第です。もう,かっこいいとしか言えないw

そして,物語の本編ですが。これまた,意外な方向に動いてきました。2巻で出てきた,なにやら意味深めいたあのキャラがあっさり倒されたのがもう意外すぎて。そして,そのキャラすらも捨て駒にして,陰謀が蠢いているのが感じられました。「極星」という言葉が出てきて,これが黒幕の狙いだとは分かりましたが。果たして,彼らが何を狙っているのか。今出ている情報では全く予想できずに,期待が高まるところです。ここら辺,本当にシリアスですし,大きな陰謀になりそうな予感がします。

そして,この巻の最後。そこに書かれた言葉に鳥肌が立ってしまいました。正直なところ,そんなのありか,という感じもしますが。一体,ミカホシ学園で何が起ころうとしているのか。何を狙っているのか。全く分からないからこそ,どうなっていくのだろう,と言う不安と期待が入り交じってきました。

あと,今回の一番の見所は,ロリコン先輩の能力で,ロリ化するキャラクターでしょうか。瑞貴意外にも,あのキャラとあのキャラがロリ化しますが。非常に素晴らしかったです。ただなぁ,この二人は,こんな扱いではなく,普通にもっと出て欲しかった,と言う思いもあるのが微妙です。

展開的には,短ければ次の巻で完結しそうな予感もします。6巻までには完結しそうかなぁ,と言う感じでクライマックスの近さを感じさせてくれましたが。展開が素晴らしくて,もう少し読んでいたいなぁ,とも感じます。とはいえ,常に全力でぶつかっているからこその面白さだと思うので,あまり引き延ばさない方が良いのかな,と何とも相反した気持ちになります。とはいえ,どんな熱い戦いを見せてくれるのか。そして,カカセオの隣にいる星霊は誰なのか,非常に楽しみです。

それと,この巻には,GAマガジンに収録されていた短編を加筆修正したものが載せられていました。前編ギャグ,という感じで,こちらも大笑いさせて貰いました。

本当に素晴らしいシリーズになっているなぁ。そんな印象を受けた巻でした。個人的には,傑作と言っていいレベルの作品だと思います。


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コメント 4

でぃー太

思わず、
目を疑って、
画像を拡大してしまいました^^!
表紙でぱんちゅとは豪気!

にしても・・・
俺イモ、もう終わりそうですねアニメ。
原作読むぞー!
って張り切った割には、
10ページぐらいしか読んでねぇ><;
by でぃー太 (2010-12-21 23:32) 

takao

幼女研究家ことでぃー太さん,コメントありがとうございますw

さすがは,幼女研究家です。このイラストから幼女と見抜くとは。
私なんて,「あー,今回の表紙,瑞貴かぁ」と思ってそれ以上気にしていませんでしたw
アキバBlogかにゅーあきばどっとこむの紹介記事見て,幼女だったんだ,と気づきましたよw
もう,買うのは決まっていたので,表紙をよく見てなかったわけですねw
表紙と言えば,はいてないが多いんですけどねw
ちなみに,普通に買ったら帯で隠れていますw

俺妹,もうすぐ終わりですね。
都会の方は終わったんでしたっけ?
私はまだまだ先ですがorz
原作,面白いですから一気読みですよ!火がつけばあっという間w
さぁ,Let's読書!
by takao (2010-12-22 20:51) 

ロック

すみません
一瞬、絶対衝撃と読めてしまったw

takaoさんは、ラノベをたくさん読んでいますが、
2巻、3巻と出ている作品は、前の話をどれだけ覚えているのかな?
なんて思うこともあるのですが、
>2巻で出てきた
というのをみると、結構覚えているんですかね。
最近、私は忘れっぽくて、30分アニメも前回なんだっけ?
となる場合がありますw

by ロック (2010-12-23 01:39) 

takao

未だにネタにされる衝撃wさすがは絶対笑劇ですwあ,絶対衝撃ですw

うーん,どれだけ好きかのも寄りますけどね。
基本的に,あらすじくらいは覚えていますよ。
ただ,どのキャラが何巻から出てきたか,となると怪しくなります。
あと,細かい展開も意外と覚えていませんね。
昔,何回も読み返したのだったらよく覚えているのですが,基本1回しか読まないので,覚えていないことも多いですよ。
あと,前の巻からどれくらい空いたか,と言うのも重要で。
ずっと読み続けているシリーズだったら,大丈夫なんですが,一年以上間を空けるとですね。
たとえば,『半分の月がのぼる空』は頑張って3巻まで読みましたが,どうしてもそれ以上読み進める気にならなくて,放置していますが。
ラストの展開は何となく覚えているのですが,細かいところはもう全然です。
そういえば,バカテスはすっかり記憶が消えていて,2巻を読んだような,読んでないような怪しいんですよねw

と言う事で,結論は,好きなのは覚えているけども,そうでもないとかなりwすれる。半年以上期間を空けるとやっぱり忘れる,という感じで。
ちなみに,毎回それで大変なのは,ラノベじゃないですが『学園アリス』だったりw

アニメに関しては,あまりないような気がしますが。
ただ,だんだん物忘れすることが増えていますし,そのうちすっぽり消えたりするのかな?と言う気がしています。
by takao (2010-12-23 15:55) 

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