『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件』/七月隆文 [一迅社]
(あらすじ)
「あなたは、我が校の《庶民サンプル》に選ばれました」
ごく平凡な高校生・神楽坂公人は、ある日突然、『清華院女学校』に拉致されてしまう!
伝統と格式あるこの学校に通うのは、良家の令嬢ばかり。おまけに外の世界に出たこともなければ、同世代の「男」を見たこともないという超絶箱入りっぷり。
異性と世間に免疫をつける教育のため、「庶民サンプル」として選ばれた公人だったが、ケータイ、ゲーム、漫画すら知らないお嬢様達にとって『庶民』は憧れの存在で……!?
いきなりお嬢様にモテモテ生活スタート!ハートフル学園ラブコメディ!(裏表紙より)
(感想)
発売前は、「最近のライトノベルのタイトルが酷い」みたいなところで、この名前を見た感じがする本作品ですが。個人的には、この表紙イラストもなかなかに酷いと思う私。
本作ですが、いくつかの先行作品の影響が見られた作品です。学園ハーレムもの、そしてイラストから『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』。そして、内容的には『僕は友達が少ない』という感じでしょうか。ある意味、最近のライトノベルのパターンに忠実な作品だと思います。
内容的には、超お嬢様学校の庶民サンプルとして拉致された主人公・神楽坂公人が、そこのお嬢様・天空橋愛佳が出会い、「庶民部」をつくり、そこに様々なお嬢様が集まってくる、という感じです。この巻では、「庶民部」に汐留白亜、神領可憐、そして生徒会長の有栖川麗子が加入するところまでが描かれました。
この内容だったら、キャラクターがどうか、と言うことが重要な要素になると思いますが。個人的に面白いなぁ、と思ったのは、生徒会長の有栖川麗子です。お嬢様学校の生徒会長で、今まで怒ったことも人を嫌いになったこともない、と言われていた麗子。しかし、公人に裸を見られたことから、彼を意識しはじめ、彼が親しくする愛佳に対して負の感情を抱くようになる、と言う流れがなかなか面白いなぁ、と。ラストに到っては、今までどおりの仮面をかぶって中身はすっかり腹黒いキャラ(ただし、愛佳に対してのみ)と。中身がすっかり変わってしまって、一体どういう絡み方をするのだろう、と興味深く感じました。
他のキャラは、割と見られるタイプですが、それ故に安心かな、と言う印象。愛佳は、嘘をつけない性格のため、人から嫌われないようにぼっちを貫くお嬢様。そして、その中身はどんな嘘でも信じてしまうピュアなお嬢様。疑いを知らない、と言う部分で、どこか柏崎星奈を思い浮かべたキャラですが、こちらはピュア度がさらに増しているのが良かったです。白亜は天才故に誰も理解できない面があったのですが、たまたま出会った公人に懐いてしまって、部活に参加するようになります。天然キャラにくわえ、集中したらどこでもパンツを脱いでしまう、と言うのがポイントになりそうです。そして、可憐は自分を倒した公人の命を狙って部活動に参加。しかし、中身は意外と乙女なところが合って可愛いものが大好き。ことあるごとに公人の命を狙っていることを公言するのが面白いかな。
一つのエピソードが短いもので2ページ。長いものでも15ページ程度。一つのエピソードが非常に短いためにサクサク読むことができます。これも、最近のライトノベルに増えている作品のタイプかな?という感じ。この巻では、部活動が本格始動する前で、面白くなるのはこれからかな?と言う感じがしました。しかし、愛佳と公人の絡みの部分では、はじめて漫画を知った愛佳が、その内容に触発されて能力者になろうと騙されるお話のように、思わず笑ってしまうお話もありました。
巻数表記もないので、今後どうなるのかは分かりませんが、是非とも続きを読んでみたい作品です。
俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件 (一迅社文庫)
- 作者: 七月 隆文
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2011/11/19
- メディア: 文庫
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 履歴書のサンプル (2012-02-01 15:02)
そりゃ絵師が一緒なら絵も一緒になりますよ
by s (2012-09-21 09:19)