『踊る星降るレネシクル5』/裕時悠示 [ソフトバンク]
(あらすじ)
「俺修羅」の裕時悠示が贈る、少女を最強へと導く“王道”ノベル再始動!
「俺の大好きなミカホシを守れッ! バカ弟子ぃぃっっ!!」
絶叫を残してレンヤは石となった。日本をも巻き込む戦争の行方は、今やレンヤの愛弟子・すまるの手に託された。覚醒する最強の力、だが支払った代償はあまりに大きく――。
一方、瑞貴は覚醒の裏にある陰謀を感じ取り、学園を離れることに。そしてなななは、何故か留置所の中にいた……。
少女を最強へと導く“王道”ノベル再始動!
感想は追記にて
(感想)
裕時悠示の本流、再始動!
あえて私はそう言いたい。
『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』の裕時悠示のデビュー作シリーズ、ついに再開です。あとがきによると、3年ぶりの新刊とのこと。『俺修羅』の6.5巻?のあとがきで「次はあのシリーズ」と告知されたのに、続きが『俺修羅』7巻で肩すかしを食らった者としては、待ちに待った、という感じです。
前作のラストが、かなりシリアスな展開で終わっていた上に、もう物語のラストが近いことが分かっていたので、続きをどうするか、悩ましいところだったのかも知れません。しかし、待った分の期待に応えるようなないようだったと思います。
これまでのシリーズでは、レンレンこと主人公の連動レンヤ視点の物語でしたが、今回はレンレンの一身上の都合により(詳しくはあらすじにて)、今回は瑞貴の章、なななの章、すまるの章と3人のヒロイン(作者的には主人公の3人だと思います)の視点で物語が紡がれました。そのことによって、彼女たちのレンレンに対する思いが強く伝わってきました。
物語も最終局面、ということで、バトルも最高潮。最高の力を手に入れたすまる、最強の瑞貴でも一筋縄ではいかない敵ばかり。それでも、互いの思いの強さ故に負けられない、ということが強く感じられて、どんどん読み進めてしまいました。
特に印象的だったのが、瑞貴の絶叫。そして、なななの言葉でしょう。
「ばーか」
「べつに、あんたのためなんかじゃ、ないんだからね?」(P.294)
あくまでも彼女たちらしい生き様と言葉。ここまでやるか、という展開も含め、心に強く響きました。こんなに心に響くツンデレ台詞、初めてかも知れません。これだけ強い思いをぶつけられるモテモテのレンレンは、何とも羨ましいやら、どうするのか他人事ながら心配になるやら。
そして、気付いたら、この巻の始まりの状況と180度変わってしまったエピローグ。そんな中でも出てくる更級もうふに思わず微笑んでしまいそうですが。最終章と打たれた次の巻。このまま行くとは思えません。このまま行っても納得できません。是非とも、レネシクルの奇跡を期待したいところです。
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