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アニメ化記念 『神曲奏界ポリフォニカ ウェイワード・クリムゾン』/榊一郎 [ソフトバンク]

アニメの『神曲奏界ポリフォニカ crimsonS』に填りまして。「これは原作を読みたい!」と、以前買っていた本作を読むことにしました。正直、死ぬまで読むことは無いだろうと思っていたのですが。まぁ、世の中いろいろありますね、と言うことで。ついでに言うと、私が読む初めての榊一郎作品であります。

いやー、面白かったです。今まで何で読んでいなかったのだろう?と毎回思うのですが、それくらい面白かったです。この作品は、所謂「社会人編」と呼ばれているようで、アニメの二年後の話になるらしいんですが。基本的に登場人物変わっていないのですね。フォロンくんがいて、コーティカルテがいて、ユギリ姉妹がいて、同級生Aがいて、先輩がいて、と。

この作品で一番良いと思ったのが、フォロンとコーティカルテの関係。本当にお互いがお互いのことを信頼していて、大切に思っているのがよく伝わってきました。コーティカルテの「何が在ってもお前は私が護る」という台詞が良いなぁ。普通なら、逆なんですけどねぇ。コーティカルテの方が圧倒的力を所有しているからなのですが、でも良いなぁ。普段の会話でも、二人の強い関係が伝わってきて、微笑ましくなってきました。

で、意外だったのがユギリ姉妹のこと。まぁ、何らか秘密がありそうで(はっきりと分かっているような気がしますが)。こちらはこれから楽しみです。

この巻では、発電所へのテロってことで、大規模な事件に巻き込まれた主人公達。しかし、後ろにはさらに強大な敵が潜んでいそうで。ことばにすると

「奴がやられたようだな」
「仕方あるまいよ」
「「であるな。奴は我々の中でも一番の小物」
「然り。奴は幹部になれたのが不思議なくらい弱気ものであったからな」(参考文献『這いよれ!ニャル子さん』)

ってところでしょうか。今後が非常に楽しみな反面、このまま「社会人編」を読み進めたものか、『crimsonS』シリーズを読み進めたものか、迷ってしまいます。しばらくは、このシリーズ読もうかな、と思っています。

まあ、唯一気になった点を上げるとすれば、アマゾンのレビューにもありましたが、音の表現ですかね。確かに、楽器の音を文字で表現するのは非常に難しいと思いますが、

るヴぁう! るヴぁう! るヴぁう!
ヴぁららららヴぁッヴぁっ!(P.39 サックスの音の表現)

は、正直無いなぁ。変な記号の羅列の方がまだ良いような気がします。


神曲奏界ポリフォニカ ウェイワード・クリムゾン (GA文庫)

神曲奏界ポリフォニカ ウェイワード・クリムゾン (GA文庫)

  • 作者: 榊 一郎
  • 出版社/メーカー: ソフトバンク クリエイティブ
  • 発売日: 2006/01/14
  • メディア: 文庫



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まあ、ネタ小説ですね 『這いよれ!ニャル子さん』/逢空万太 [ソフトバンク]

第1回GA文庫大賞奨励賞受賞作品。某ラノベ紹介サイトを見ていて気になったので買ってみました。いや、オンライン書店でことごとく配送予定が遅かったときは諦めかけたのですが、地元の書店で買えたのは助かりました。ビバ、田舎。

一応、タイトルから分かるようにクトゥルー神話をネタにしています。でも、あとがきにもあるように、ラブクラフト御大が激怒してゾンビとして襲いかかってきそうな内容でしたね。面白かったですが。

お恥ずかしながら、私が知っている、クトゥルーを参考にしている作品はせいぜい『デモンベイン』と『エンジェルフォイゾン』くらい。まぁ、いつかは読んでみたいと思いつつ、現在に至っています。なので、知識も思い入れもないですが、凄いですねぇ、この本。まさか、這いよる混沌ニャルラトホテプを種族名にするとは思いませんでした。クトゥグアとか、ノーデンスとかも。

読んでいて思ったのが、良いか悪いかはさておいて、クトゥルー神話をモチーフにして、自分の中で上手にネタにしているな、と言うこと。ニャルラトホテプが味方、と言うことですが、やっていることは残虐非道そのもの。なんて正義だ、と思ったのですが、這いよる混沌、と言うことで考えたらこれで正解だと思うのが何とも。

そして、クトゥルー神話だけでなく、いろいろなところからパロっているのも面白かったです。ラノベで行われるパロディというのは、ニコ動ネタとか流行ネタとかが多くて「もう良いよ」となるのも多いですが(某生徒会とか←フォローしておくと、私は決して嫌いではありませんよ。全巻購入していますし。読んでいないけど)、それだけではなく。思い出せるだけで、マクロスのゼントラーディ、テニプリ、仮面ライダーカブト、ディズニー(これは危険でした)、ポケモン……。他にもあったと思いますが。で、それを引っ張ることをせず、ネタとして軽く扱うことで、本編のスパイスとして上手に扱えていたと思います。

まあ、とにかく始めから終わりまでひたすらネタネタネタ。登場キャラクターもどれもこれもおかしなヤツばかり。オチも上々。大いに笑わせていただきました。難しいことを考えずに、笑いたい人向けでしょうか。人を選びそうな気がしますが。次回作も期待します。


這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん (GA文庫)

  • 作者: 逢空 万太
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2009/04/15
  • メディア: 文庫



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世界に響く少女達の創造詩 『アルトネリコ2 世界に響く少女達の創造詩(メタファリカ)』 [ソフトバンク]


アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩 (GA文庫)

アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩 (GA文庫)

  • 作者: 富松 元気
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2009/03/14
  • メディア: 文庫



「これなんてエロゲ」で有名なアルトネリコシリーズ第2弾のノベライズ。とは言え、ゲームの発売から約1年5ヶ月後の発売と、正直今更感を感じたりします。私も、ゲーム版プレイしたのですが(ルカルートでクリア)、あまり覚えていなかったりします。とは言え、『アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女』のできが良かったので買いました。

と思ったら、作者が違ってびっくり。ちゃんとチェックしていなかった私が悪いのですが。そして、よく考えたらGA文庫読むのは本当に久しぶりです。と言うか、GA文庫自体、あまり持っていません。そもそも、『ギャラクシーエンジェル』好きだから、GAと言われると『ギャラクシーエンジェル』を想像します。どうでもいいですが。

本作ですが、物語の時間としては、これまたエンディング直前からエンディングまでとなります。と言うか、最後の章は、まんまエンディングのような気がします。記憶が定かでないのではっきりとしてことは言えませんが。そして、その中に、400年前、インフェルが回想する、と言う形で、400年前のメタファリカの失敗の様子が描かれています。

『アルトネリコ2』にメインキャラ総登場(まさかシンシアと空猫まで登場すると思いませんでした。シンシアファンとしては嬉しい限り。クー君との絡みがないのは残念ですが)します本作品。その本作の一番の見所は、やはり400年前のメタファリカ前夜、そしてメタファリカ当日の部分にあると思います。ゲーム中に描かれることがなかった部分なので、いかにしてインフェルが恨みを積み重ねていったか、興味深かったです。率直な感想としては、辛いなぁ。もちろん、読んでいてメタファリカの失敗には、インフェルが悪い、と思われる部分も多々あります。ただし、周りのI.P.D.もどうなんだろう、と。ただ、自分がI.P.D.の立場だったら、同じことをしていたのではないか、と考えさせられました。

考えさせられたことを具体的に。失敗の原因は、インフェルの心をのぞき見したI.P.D.がインフェルに失望して、協力することをやめてしまったため、です。これにはもちろん、インフェルの心が純粋ではなかったからでもあるので、I.P.D.を一方的に責めることは出来ません。ただ、インフェルに勝手に理想を描き、それが裏切られたから協力を打ち切る、というのはあまりに酷いと。クロ-シェやインフェルが恐れたように、誰でも心の奥は覗かれたくありません。誰だって、心の奥底には汚いモノ、醜いモノ、隠したいモノを抱いているからです。誰だって同じはずなのに、それを見て失望するというのはあまりに身勝手だと思います。何より、インフェルの抱いている思いはどうであれ、メタファリカはみんなの願いのはず。それを捨ててしまうのはおかしいと思います。反面、それを見せられたとき、自分はどう反応するか。自分も多くのI.P.D.と同じ反応をするのではないか、と思います。ネネシャの「……人の心を覗いて、、それで態度を変えるような人には、何を言っても信じてもらえないでしょ?」(P.258 )はなかなか辛いことばでした。

そして、何より辛かったのはインフェルでしょう。自分の研究成果、と言う面はあるものの、ネネシャの夢であるメタファリカを成功させたいという思いは強かったはず。それは、インフェルの、ネネシャへの思いを読めば分かります。しかし、その夢を実現させることが出来ず、ずっとネネシャと一緒にいたいという思いを叶えることが出来ず、ネネシャを失ってしまうことになってしまったインフェルの心の内を想像すると、非常に辛いです。こういう経験があったからこそ、あそこまでメタファリカは成功しない、という思いを強くしたのだろう、と感じました。

そんなインフェルでしたが、最後はクロ-シェの思いを感じ、クロ-シェを励まし、そして、メタファリカの成功を見届けて消えていきました。このとき、インフェルは少しでも幸せだったのかな、と思います。願わくば、インフェルがネネシャとあの世で再会できますように。

とまあ、私は最初から最後までインフェルの立場から読みました。何事もなかったように見えたエンディングでしたが、その裏に、クロ-シェの弱音が見られたりしたのも良かったですが。個人的には、『アルトネリコ2』はインフェルの物語だったと思います。まあ、『アルトネリコ』もミュールの物語でしたしね。本当、インフェルはかなり嫌な奴だと思うんですが、私は好きなキャラだったなぁ、と言う思いが強くなりました。

ゲームのノベライズのため、本編をプレイしていないと分からない語句や分からないことがあったりするので、未プレイの方は十分に楽しめないと思います。しかし、ゲームをプレイした人なら、存分に楽しめるできではないかと思います。400年前のメタファリカの事実を知りたい方は、是非とも読んで貰いたいです。未プレイの方も、『アルトネリコ2』はかなり面白かったので、プレイした上で読んでみるのも良いと思います。まあ、ゲームの方は途中の描写がかなりきついので、合わない人には無理だと思いますが。人間の汚い部分とか、思いっきり書いてますし。

さて、しかし『アルトネリコ2』の公式サイトのアンケートで、あからさまに『アルトネリコ3』を出すような設問があったのですが、どうなっているのか気になるところです。ファンとしては、かなり期待して待っています。
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