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リリアナ可愛いよリリアナ 『カンピオーネ! Ⅳ 英雄と王』/丈月城 [集英社]

さて、本日は私の机の上の惨状を晒したいと思います。そうすることで、片付けが進むようにwこんな感じです。

机上のあらし.JPG

我ながら、酷いですね。ちなみに、写真を撮るときは、この本を全部脇に置いて、写真を撮ります。

最近はアニメ見たり本読んだりいろいろと忙しいので、本にブックコートを掛けることもできていません。で、最近読んだ本がこんな感じで束になっています。あ、読んでない本が1冊まじっていましたw

最近読んだ本.JPG

おお、なんかちゃんと読んでいる感がありますね。ほとんどラノベ、というのが我ながらどうかと思いますが。しかし、ふと視線を変えると……。

今日買った本.JPG

今日買った(&届いた)本。やったねorz『鷺と雪』は直木賞受賞の帯付きが出ていたので予定通り買ってきました。比較すると、こんな感じです。

鷺と雪.JPG

なんの比較でしょうかw左が1刷、右が3刷です。まだ、3回目かぁ、と思ったりしました。写真では分かりづらいですが、持っていた方の表紙の色が少し褪せているのが分かるのが切ないです。とりあえず、直木賞受賞の帯付きは、永久保存版にして、飾っておこうと思いますw

で、今から読もうと思っている本を軽く並べてみました。一応、左から読もうと思っている順番です。『H+P 4』を入れ忘れたのは内緒ですw多分、順番的には、ニャル子さんの前後かなぁ?

読もうと思う本.JPG

うん、これならいけそうな気がする、……と信じようwさっきおいてなかった本とかがまじっているのは、机の上以外にも、本が安置されているからです。 読書に励もう今年の夏!

と言うわけで、早速読み終えたのがこれ。

カンピオーネ!41.JPG

今、かなり勢いに乗っているっぽいシリーズの最新刊、『カンピオーネ!Ⅳ』です。bk1で注文しようと思っていたのですが、今日、『這いよれ!ニャル子さん』を買いに行ったら、既においてありました。bk1で注文済みだったのは秘密ですがw大好きなシリーズなので、早く読みたい、という欲望が勝ってしまいました。

ちなみに、今回は帯が刺激的。

カンピオーネ!42.JPG

おお、私は、これと『這いよれ!ニャル子さん』と『鷺と雪』を手に持って、高校の同級生が待つレジに向かったわけですねw良かった、『H+P』はネットで注文しておいてw同級生とか、本屋にいるのはやめて欲しいですね。恥ずかしいから。

このシリーズ、かなりおもしろくて好きなのですが、この巻も安定したおもしろさでした。とにかく、この巻はリリアナの魅力大爆発。このシリーズで、エリカの魅力に勝てるモノはいないだろう、と思っていたのですが、私の浅薄な考えでした。確かに、2巻の時点で、その予感がなかったわけではないですが。まさか、エリカに肉薄するモノが現れるとはwもう1巻同じことがあったら、私一気にリリアナ派になってしまいそうなくらい、リリアナが魅力的に描かれていました。

それでは、詳しい感想は追記でお願いします。

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草薙護堂は如何にしてカンピオーネに至ったのか 『カンピオーネⅢ はじまりの物語』 [集英社]


カンピオーネ! 3 (3) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-3)

カンピオーネ! 3 (3) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-3)

  • 作者: 丈月 城
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/03/25
  • メディア: 文庫



神の力を持つカンピオーネ・草薙護堂が、神話に登場するビッグネームと激しいバトルを繰り広げる『カンピオーネ』シリーズ第3弾。スーパーダッシュ文庫は、もうちょっとこのシリーズを押しても良いと思うのですがねぇ。神話好きには堪らない内容ですし。神話好きでないとしても、楽しめると思うので。

さて、Ⅰではアテネ、Ⅱではアポロンの権能を持つカンピオーネと、次々とビッグネームの神と戦ってきた本シリーズですが、今回は一休み。サブタイトルにあるように、草薙護堂が如何にしてウルスラグナの権能を簒奪したか、という物語になります。ここは、非常に気になっていただけに興味深く読むことが出来ました。

ただ、今回の見所はそれだけではありません。個人的には、この巻の一番の見所と言えるかも知れない、もう一つの見所が。それは、ツン全開のエリカです。今回は、草薙護堂の始まりの物語と言うことで、エリカとの出会いも同時に書かれています。で、その出会いというのが典型的なパターンと言える、最悪なモノで。最悪から始まるので、前巻までのような甘い展開はありません。もう、敵意むき出しで護堂と接します。前作までの、様子がなりを潜めているのは、エリカ好きとしてはちょっと残念な気もします。ただ、ツンのエリカも良いなぁ。我ながら、単純なモノだと思いますが。始めは、最悪な関係の二人だったのが、だんだん打ち解けていき、力を合わせてウルスラグナを倒すまでのストーリーは、かなり良かったです。頬に口づけの場面では、まさかのツンデレのエリカを堪能できますし。こうして、護堂はエリカの尻に敷かれていくのか、と。

バトル部分ですが、今回はいつも以上に大苦戦。ただ、護堂はこの時点でただの人間。対するウルスラグナは常勝不敗の軍神。当時のエリカでも軽くひねられていたのに、ましてや何の力もない護堂に勝ち目はあるはずがなく。本文でも、幾重にも偶然が重なって起こること、みたいに書かれていますし。前巻までの熱い展開には至ってないですが、それでも神を前にして決して諦めない主人公は、やはり主人公たる素質だと思います。自分の周りのすべての状況を生かして戦いを挑む姿は、泥臭くはありますがかっこいいです。

今回は、ファーストエピソードと言うことで、祐理の出番が少なく(序章と終章でちょっとだけ出て来ます)、ファンの方はちょっと残念かも。でも、護堂に惹かれているけど、素直に気持ちを出すことが出来ない様子が感じられ(要はツンデレですが)、そこは満足です。でも毎度恒例と言ったらそうなのですが、この巻では、ツンのエリカにすべてを持って行かれている気がします。そのため、ますます存在意義が薄れている気が。是非とも、次の巻では頑張ってもらいたいモノです。でも、エリカがいれば良いような気がするのですよね。

終章では、気になる次の巻の暗示がされています。そこで、まさかのあのキャラの再登場が。個人的には、因縁の場所だけに、メルカルトとの再戦か、と思ったのですが、そうはなさそうですね。こちらは、また別の話になる模様。まあ、あのキャラとの再戦も非常に楽しみではありますが。ただ、一筋縄ではいかないことは確か。どのような神との戦いが待ち受けているか、楽しみです。そして、次の巻では、今回登場していないリリアナも再登場しそうな気配。エリカと一緒に是非とも活躍してもらいたいです。

あとがきでは、他のカンピオーネについても登場が匂わされていますが、是非とも他の方も見てみたいモノです。あと、だんだんデレてきたエリカが、完全にデレるまでのストーリーも。こちらは、メルカルトとの再戦に関わっていそうで、こちらも見てみたいです。そう言えば、サルバトーレ・ドニとの最初の戦いも見てみたいなぁ。

ここまで、外れなしの非常に面白いシリーズだと思います。このまま、人気が出て行けばメディアミックスの話も出てくると思いますが、どうなることやら。楽しみなような、怖いような。ただ、今後も大切に育てていってもらえると嬉しいです。
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バスジャック/三崎亜記 [集英社]


バスジャック (集英社文庫)

バスジャック (集英社文庫)

  • 作者: 三崎 亜記
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/11
  • メディア: 文庫



なかなか素晴らしい短編集でした。三崎さんは、短編向きだなぁ、と強く思いました。まあ、アイデア一本で勝負、と言った感じだからなのでしょう。
どれもなかなか良かったですが、個人的に好きなのは「二人の記憶」と「動物園」。ささやかな幸せ、と言った感じが好みです。「しあわせな光」や「雨降る夜に」も同系統ですが、何かあざとさのようなものを感じたりするのが少し気になりました。「二階扉をつけてください」は純粋にアイデアが面白かったですね。これだけ唯一、終わり方がシュールと言うか、ブラックなのも好印象。表題作「バスジャック」は何だかなぁ。今ひとつ。「送りの夏」はこの長さに収めたのが成功ですね。長編にすると、『となり町戦争』みたいに主人公が疑問を感じるけど、結論は出さないという展開になっていそうな気がしました。今回は結論が出ていたのも好印象。しかし、しっかりした12才だ。
長編書きたいのかも知れませんが、短編書いて欲しいと強く思いました。さて、次は『失われた町』を読まないと。
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激辛!夏風高校カレー部(いもうと付)/神楽坂淳 [集英社]


激辛!夏風高校カレー部(いもうと付) (集英社スーパーダッシュ文庫)

激辛!夏風高校カレー部(いもうと付) (集英社スーパーダッシュ文庫)

  • 作者: 神楽坂 淳
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/11/21
  • メディア: 文庫



読んだのはいいのだけれど、うーん、何もコメントが思いうかばない。何というか、タイトルが『激辛!』なのに、本編は薄味でした、という感じ。まあ、このページ数では仕方ないのでしょうが。

以下、ブログのタイトルに全然合っていない罵詈雑言が出て来ますが、気にしないでください。

なにがびっくりかといえば、参考文献がずらずらとある割には、カレーについてほとんど触れられていないところ。一応、カレー作る描写はあるのですが、少ないのですよね。で、薄い。

結局何がメインかといえば、ラブストーリーなのかな、という感じでした。流行のツンデレものではなく、初々しい感じですが。そこは、いい感じだと思いました。とはいえ、それすらも薄味描写なのは笑えないのですが。タイトルに『いもうと付』と書いてあるのに、全く必要性を感じないですし。そもそも、紹介文には主人公は「そこそこ熱血の気概はある」と書いてあるのに、全くないのがもう。

要は、作者の筆力が圧倒的に不足しているのだろうな、という感じでした。斜め読みのせいもあると思いますが、時々どの時間、場面を書いているか全然分からないときがありましたし。描写が薄味過ぎて、何が書いてあるのか分からない場面すらあった気がしますし。カレー大会優勝の場面すら、うっかりすると見落としそうですし。

正直、カレー部じゃなくて、うどん部でも(まあ、カレー大会の決勝でカレーうどん作っていましたが)、ラーメン部でも何でも良かったような気がします。ま、タイトルにつられた私が悪かったということで。

せめて、あとがき大好き人間としてはあとがきがあれば良かったのですが。で、痛い発言でもしてくれていれば良かったのですが。絵師さんのあとがきしかありませんでした。というか、絵師さんのあとがきなのに、そこそこの文量が。作者もちょっとは書いて欲しかったです。ま、正直この作者の本は2度と買わないとは思いますが。相当な評判にでもならない限り。

結局、本当につまらない作品というのは、何も感じない作品なのだな、と実感しました。『ガラクタ・パーツ』とか『サージャント・グリズリー』(今、タイトルを間違って覚えていたことに気付きました)とか『under』とかは地雷なりに何か紹介のしようがあるのですが、これは何も感じなくて「何も言えねぇ」という感じでした。

敢えて言うなら、絵師さんが頑張っていた。あとがき含め。でも、正直これはおすすめできません。帯に「史上初?激辛(うんちく付)カレー・ライトノベル登場!!」と書いてありますが、全くの嘘デタラメ過剰広告なので、騙されないでください。激辛じゃないし。「カレー馬鹿(マニア)よ、ふるい立て!!」って、本当のカレーマニアのラノベ好きが読んだら、キレると思いました。
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カンピオーネ!Ⅱ 魔王来臨/丈月城 [集英社]


カンピオーネ! 2 (2) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-2)

カンピオーネ! 2 (2) (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-2)

  • 作者: 丈月 城
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/11/21
  • メディア: 文庫



さて、当ブログを始めて記念すべき(?)50冊目の本。どんな本にしようか、とちょっと悩んだのですが、いつもどおり、今一番読みたい本を読んでみました。結果的には、非常によいチョイスだったと思います。

前回はいきなりビッグネームのアテネとの戦いで今回はどんな神との戦いか、と思っていたら、今回は同じカンピオーネとの戦いでした。そして、前巻と変わらず面白かったです。

1巻ではひたすらエリカのターンでしたが、この巻ではひたすら万里谷のターンでした。テンプレートのツンデレでひたすら攻めていました。やっぱり、定番っていうのは、みんなの求めるものにあっているのから、定番になるわけで、やっぱり型にきっちりはまったものはいいなぁ、と思う次第。そして、なんだかんだで大胆不敵だなぁ。前の巻でエリカに押されっぱなしで印象が薄かったのが嘘のようでした。

2巻のメインキャラクターは万里谷でしたが、メインヒロインのエリカも負けていないのも良かったです。結局一番おいしいところを持って行った印象があります。いやー、やっぱりエリカは素敵です。

それ以上に、今回印象的だったのは甘粕さんとサルバトーレ・ドニだったのですが。どうも私は根がふざけているのに、対外的には真面目だったりするせいか分かりませんが、この二人のように飄々としたキャラは大好きです。甘粕さんは前の巻からそのような雰囲気を見せていたのですが、この巻ではさらにブレイクした印象が。ツンデレの個人的ライブラリ、ってどんなのがあるのでしょうか?今後もきっと、万里谷をそそのかして、暴走させてくれることでしょう。

サルバトーレ・ドニは、名前こそ出ていたのですが、今回の巻で初登場です。場面こそ少ないものの、かなりのインパクトを残してくれました。一気に好きになりました。後数巻の後に、きっと主人公と戦うことになるのでしょう。楽しみです。

そして、新しい登場人物と言えば、表紙に登場しているリリアナ。このキャラもいい感じでした。恋愛に興味津々の武人、って最近どっかで見た気がするのですが、きっと気のせいでしょう。二人とも、勢い余って、恋愛小説書いているところも同じですが。このキャラも結構好きな感じで、「このまま3人目のヒロインになるのかなぁ」と思ったのですが、3巻の予告を見た限り、そうでもなさそうで少し残念です。主人公を中心に、後ろに万里谷、主の前をエリカとリリアナが王を護る姿というのは、かなり絵になるのですが。まあ、本編でもその姿に言及されているので、そうなるのも時間の問題でしょうか。これも、今後楽しみの一つです。

本編ですが、中盤から後半にかけてバトル一色でした。主人公のウルスラグナの権能も惜しむことなく投入されています。また、今回新たに一つ、新しい権能が登場して、とにかく派手な感じに。後、登場していないのは「駱駝」と「少年」だと思うのですが、あっているかな?少年はまだ目覚めていないということですが、駱駝はどうなのだろう。鳳と一緒で、目覚めいてるけど、本編では出ていない、と言うことかな。しかし、確かに主人公の能力が強力すぎるので、制約が大きい方が面白い、と思うのですが、今回のもまた使いにくそうな発動条件であったりします。副作用も大きいですし。今後、登場の出番がない事もありそうな気配。まぁ、この使いにくい能力と、その使いにくさに見合った力の大きさが、この物語のいいところなのですが。

この巻も見所満載、かなり面白かったです。大手ネット書店は軒並み品切れのようですが(11月24日11:18現在)、それも頷けます。私も早めに確保できて良かったです。次の巻では、エリカと万里谷の、主人公の奪い合いとウルスラグナを倒したいきさつが語られそうな気配なのも非常に楽しみ。神話を調べなくてはいけないので、執筆に時間がかかりそうですが、早めに次の巻が投入されると嬉しいです。

最後に余談。スーパーダッシュ文庫の本の厚さは以上だと思ったりします。昨日読んだ『ANGEL+DIVE』と100ページくらい違うのに、厚さは変わらないとは。以前、『セカチュー』の特集で通常のものより厚い紙を使って、本の厚さを増やすことで、普段本を読まない人に達成感を与える、みたいなのを見たことありますが、ラノベでそういうことをしなくても。同じ紙で『終わクロ』を発行したら、と考えたら、ちょっと恐ろしい気がします。ちなみに、興味があってやってみたのですが、『スイーツ!』+『カンピオーネ!Ⅱ』(約620ページ)=『境界線上のホライゾンⅠ下』(約770ページ)でした……。
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スイーツ!/しなな泰之 [集英社]


スイーツ! (集英社スーパーダッシュ文庫 し 4-1)

スイーツ! (集英社スーパーダッシュ文庫 し 4-1)

  • 作者: しなな 泰之
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/09/25
  • メディア: 文庫



うーん、タイトルやペンネームからしてそうですが、読んでいてかなりあざとい印象を受けました。

タイトルからしてどんな内容か分からないんですが、ようは超能力のようなものの総称が「スイーツ」と呼ばれているもので。それに絡んだお話でした。このタイトルの付け方がやはりあざとい。

そして、あざとい点2つめ。「これなんてエロゲ?」としか思えないストーリ展開。エロゲだったら、エッチシーン5,6回くらいありそうな内容でしたが。しかも、「とても放送できない姿」を挿絵にするなよ、という感じで。

そして、いかにもラノベ、と言った文章。これがあざといと思った点3つめ。いちいち主人公のエッチな妄想が爆発したり、どうでもいいことに説明を費やしたり。

と、この3点が絡み合って、「あざといなぁ」という印象に繋がりました。お約束な展開が好きな人にはおすすめです。で、「いかにも狙ってます」というのが嫌いな人にはダメだろうと思います。しかし、桐嶋さんが不憫でならない。
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カンピオーネ!神はまつろわず/丈月城 [集英社]


カンピオーネ!―神はまつろわず (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-1)

カンピオーネ!―神はまつろわず (集英社スーパーダッシュ文庫 た 9-1)

  • 作者: 丈月 城
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/05/23
  • メディア: 文庫



草薙護堂は神殺しである。

神を殺したものは神の権能を得る。そしてその力を得た者は『カンピオーネ』と呼ばれ、覇者とも魔王とも称される。そんな高校生・護堂の求めるものは平穏な日々。しかし魔術師にして自称護堂の愛人・エリカがもたらすのは荒ぶる神との邂逅!?さらには、媛巫女・祐理も護堂に接近!?新たな神話を紡ぐバトルファンタジー開幕!

と言う紹介文のとおり、モチーフは神話です。神を殺して、神の力を得た主人公・護堂が神と戦う、とおおざっぱに言えばそんなストーリ。私は神話が好きなので、純粋に面白かったです。いろいろと神話について講釈が書かれているのが、非常に興味深かったです。しかし、ゼウスってろくでなしだなぁ。神様の倫理観を人間の尺度で考えるのは間違いかも知れませんが。

今回、特に気に入ったのはヒロイン、エリカの性格設定。ツンデレが流行している現代に於いて、ここまであけすけに自分の気持ちをぶちまけるヒロインは貴重かつ魅力的に感じました。こういう女性は素直に好きだと思える感じで。ただ、こんな人に限って裏があって、実は……みたいなことがあったりするので、それは勘弁願いたい。もう一人のヒロイン・祐理は正直印象に残りませんでした。何でもこのことばで片付けたくはないけど、一種のツンデレなのか?

それと、主人公の能力に制限があるのも良かったです。最近のバトルものでは、強大な力を振り回して戦う、と言うのが見られるようになりましたが、それはあまり面白くないと思います。やはり、制限があってこそ盛り上げようがあるというもの。まぁ、あの程度で制限になっているかは謎ですが、この部分は非常に好印象。

しかし、最初の敵がいきなりアテネなのは……。ビッグネームですね。確かに、あまり名前を知られていない神を敵にしても、「誰?」となるので、しかたないでしょう。『藤堂家はカミガカリ』の1巻の敵がいきなり天照大神と月読命だったことを考えると、まだましかな、と思えますが。

来月に2巻が出るので、今読んでみたのですが、非常に面白く次の巻が楽しみになりました。希望としては、力を得ることになった戦いも描かれると嬉しいです。
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光の帝国 常野物語/恩田陸 [集英社]


光の帝国―常野物語 (集英社文庫)

光の帝国―常野物語 (集英社文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2000/09
  • メディア: 文庫



奥付を見ると、「この作品は一九九七年十月、集英社より刊行されました。」とのこと。かれこれ11年くらい前の作品なのですね。このようなちょっと前の作品を読む度に思うことが、「私は一体どれくらい面白い本を読まないできたのだろう」と言うこと。それを考えると、ちょっと残念な気分になります。考えてみると、年間100冊の本を読むとして、20歳から80歳までで6000冊。今まで生まれてきた物語、そしてこれから生まれてくる物語を考えると、何と少ないことか。すごく損をしているような気がしてなりません。

ふと、そんなことを考えるくらい面白かったです。「遠見」、「遠聞」、「つむじ足」など、普通の人間と違った能力を持った常野の一族。その、常野の一族の、一人一人の物語が描かれていき、最後に大きな一つの流れとして集まっていきます。

初めは、「常野の一族」を題材とした独立した話かと思っていましたが、それがだんだん絡み合っていく様は見事でした。こういう、一見関係なさそうだけど、実はどこか繋がっていく、と言う構成は好きです。個人的に好きな話は、『二つの茶碗』と『達磨山への道』と『国道を降りて…』。幸せな結末にせよ、悲恋にせよ、私は恋の話が好きなんだな、と改めて実感。

表題作である『光の帝国』は、くらいはなしが苦手な人にはきついかも知れない、ちょっと悲しい話になっていますが、最後にはちゃんと救いがあるのは、いいですね。

欲を言えば、長編で書けそうな短編があるので、長編にしたものを読んでみたいですね。『大きな引き出し』の光紀の物語や、『オセロ・ゲーム』の続き。そして、亜希子の物語。『蒲公英草紙』は積んでいるので、時間を作って読んでみようと思います。でも、読みたい本がたくさんあるのが……。いつになることやら……。
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レインレイン・ボウ/加納朋子 [集英社]


レインレイン・ボウ (集英社文庫)

レインレイン・ボウ (集英社文庫)

  • 作者: 加納 朋子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 文庫



私の好きな作家その2。加納朋子さん。とはいえ、なぜか、加納朋子さんの本は、買ってからしばらく放置し気味で、これも買ったものの読んでいませんでした。で、読んでみたのですが、すごく面白かった。

高校時代の女子ソフトボール部の部員の一人が亡くなった真実(原因)を、ソフトボール部のチームメイト一人一人の日常を描きながら、解決していく、と言った趣向のミステリ。

しかし、本当に作品づくりが上手だな、この人、という感じです。なんか、文庫本の解説みたいになっちゃいますが。ソフトボール部のチームメイト7人の日常を描いた7編からなるのですが(もう一人は、真相に深く関わっているので、その人は除外されています)決して、全部が全部、真相に関わってくる話ではないのですが、徐々に真実に近づいていくところがすばらしい。わざとじらしている感じはしませんでした。

最後に関しては、なんか賛否両論ありそうだな、と思いました。宮部みゆきさんの例のやつのパターンですし。でも、私はこの終わり方もいいと思います。「すべてを語る」と言うことが決していいことであるとは思いませんし。むしろ、最後まで描かないことで、読者の想像がふくらんで、読者なりの物語ができると思うので。それに、宮部みゆきさんのあれもそうですが、大概真相に関わることは書かれているのに、何を語るのか、とも思います。

本当に、すばらしい作品でした。ソフト部のキャプテンが『月曜日の水玉模様』の主人公だと、解説読むまで全然気付きませんでしたが。『月曜日~』自体読んでのが、結構前なので、すっかり忘れていました。早速、読み返そうと思いましたが、ほかにも読みたい本があるのが困りものです。
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