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『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる 1』/野村美月 [エンターブレイン]

(あらすじ)

演劇×吸血鬼! ドラマティック青春ノベル、開幕!!



バスケの強豪校で練習に打ち込んでいた詩也。けれどある日、彼は"人ではないもの"になってしまった……。人を遥かに超える身体能力を得たため、バスケも
続けられず転校したその先で、詩也はマリア様を思わせる綺麗な先輩に出会い、告げられる。「わたしと、おつきあいしてください」――つれていかれた先は演
劇部。そこで詩也は、何と先輩のパートナーとしてドラキュラを演じることになってしまい……!? ドラマティック青春ノベル、ここに開幕!!

文庫版はこちら。



吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)

  • 作者: 野村美月
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
  • 発売日: 2014/05/30
  • メディア: 文庫

 

 

 

Kindle版はこちら。


吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン
  • メディア: Kindle版

 

 

 

 

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『ヴァンパイア・サマータイム』/石川博品  [エンターブレイン]

(あらすじ)

このまま、君と、灰に。

人間と吸血鬼が、昼と夜を分け合う世界。山森頼雅は両親が営むコンビニを手伝う高校生。夕方を迎えると毎日、自分と同じ蓮大付属に通う少女が紅茶を買って いく。それを冷蔵庫の奥から確認するのが彼の日課になっていた。そんなある日、その少女、冴原綾萌と出会い、吸血鬼も自分たちと同じ、いわゆる普通の高校 生なのだと知る。普通に出会い、普通に惹かれ合う二人だが、夜の中で寄せ合う想いが彼らを悩ませていく……。夏の夜を焦がすラブストーリー。

ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)

ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫)

  • 作者: 石川博品
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2013/07/29
  • メディア: 文庫

 

感想は追記にて

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『百億の魔女語り 4』/竹岡葉月 [エンターブレイン]

(あらすじ)
遂に目覚めた妹、アディリシアとともに姿を消したエーマ。彼女達を取り戻すため、騎士候補生の誇りを捨てたアルトは、かつての敵ルゼーの力を借り、ついに『禁域』と呼ばれる幻の島に辿り着く。しかし、そこで目にしたものは、太古の昔に滅びたとされる聖獣『竜(リシュ)』だった。一方エーマはアディの協力の下、魔女とは、自分とは何者なのかを究明しようと試みる……。アルトとエーマ、揺れる二人の気持ちの行方は--!?ファンタジーラブコメ、感動の最終巻。(裏表紙より)

(感想)
『百億の魔女語り』シリーズもいよいよ完結。本編4冊、外伝1冊と、ライトノベルのシリーズとしては短い感じですね。とはいえ、これくらいがちょうど読みやすい長さのような気がします。4冊あれば、世界を巻き込んだ事件を一つ起こせます。壮大な世界観を描く上で、一番適した長さなのかも知れませんね。『イリヤの空、UFOの夏』も4巻ですし。

さて、最終巻となったこの巻では、物語の芯となる部分が二つありました。一つは、世界の謎の究明。もう一つが、アルトとエーマの恋の行方でした。

世界の謎については、非常に興味深かったです。アディリシアパートと呼ぶべきでしょうか?これぞライトノベル、と言う設定を十分に堪能することができました。甲種魔術は、「大地(ザフト)」のエーテルを消費して使用される。そのため、エーテルが少ない土地では効果が十分に見込めない。しかし、そんな土地でも「魔女」は奇跡を起こすことができる。それはなぜなのか。アディリシアがその謎に迫るパート。ラストで明かされる答えは、なるほど、そういうことだったのか、と。タイトルにはそういう意味があったのか、と言う感じで、本巻の終章であり、物語の終章ともなったもののサブタイトルが『百億の魔女語り(マグス・コード)だったのは素晴らしいとしか言いようがありませんでした。

世界の謎、と言う点では、「盟約」もその一つでしたが。これは、内容はともかくその過程がいかにもあほらしかったのは、なんだか笑ってしまいました。

そして、読者が一番注目していたであろう、アルトとエーマの恋の行方。こちらは、とにかく素晴らしい、という感じで、心がくすぐられるような、幸せがあふれ出すような結末を迎えてくれました。見所としては、2カ所。アルトとエーマの再会場面2カ所につきると思います。

1回目の再会。これはとにかくアルトがかっこよかったです。好きな人のピンチに颯爽と現れる、と言うのはまさしくヒーローでありますね。そして、ある意味諦めてしまっていたエーマへの言葉。「好きだ」という言葉は使われていないですが、その言葉から雄弁にエーマを「好きだ」という気持ちが伝わってきました。実に素晴らしい告白だな、と。エーマに投げかけた、そして盟約ともなったあの言葉。掛詞、ダブルミーニングになっているのが素晴らしかったです。

そして、本作の最後に訪れる、2度目の再開。わずかなページ数しか描かれていないのに、ここからあふれ出している二人の幸福感の圧倒的なこと!とにかく、胸が震え、涙腺が刺激され、心が揺さぶられると共に、暖かいもので包まれました。本当に、この物語が素晴らしかったこと、好きだったことを強く印象づけるラストであったと思います。この再開が、1巻の出会いのような場面でもあったことがまた印象的で良かったですね。ここから、また新しく二人の物語は始まるのだ。そして、ここから二人の物語は永遠に続いていくのだ、と言う事を強く感じることができました。

私は外伝は未読。本編を駆け抜けた所ですが。短いながらも、非常にうまくまとめられた、上質の物語でありました。1巻の出会い。2巻の再会。世界の謎に迫る3巻。そして、解決に到る4巻。こうして見ると、それぞれの巻に無駄がなかったことが感じられました。アルトとエーマに対する愛着も、4巻という物語の効用だと思います。確かに、引き延ばそうと思えば、もう少し引き延ばすこともできたと思います。しかし、この物語は4巻だからこそ美しい。そう感じます。4巻で中だるみすることなく、惜しまれつつ終わることができるのは、何とも幸せなことではないでしょうか。

4巻完結、というのは、そこそこの長さがあるので、一定の満足度が得られるます。それでありながら、手に取り出しやすい長さだと思います。ある意味ライトノベルの理想的な巻数ではないか、と思う事がありますが、まさにその良さが出たシリーズであったと思います。ファンタジックでラブコメで優しい物語。素晴らしいシリーズでした。




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『百億の魔女語り 2 やっぱり都会の女なのね,そうなのね。』/竹岡葉月 [エンターブレイン]

今年読んだラノベ,120冊目の作品です。で,たぶん今年最後になるかな?記事としては,年内最後です。

百億の魔女語り2 やっぱり都会の女なのね、そうなのね。 (ファミ通文庫)

百億の魔女語り2 やっぱり都会の女なのね、そうなのね。 (ファミ通文庫)

  • 作者: 竹岡 葉月
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/12/25
  • メディア: 文庫

 

無事,原因不明の理由で倒れた妹・アディリシアに代わって,カイゼル魔術学園(アカデミア)の卒業証書を手に入れたアルト。カイゼルに戻り,元の騎士候補生として復帰した彼の元に,エーマたち3魔女が遊びに来る。そして,3魔女がカイゼルに到着するその日。彼に極秘の使命が言い渡される。それは,とある要人の警護。実は,それが「白鳳宮殿の薔薇姫」ことフォリーナ姫であり,彼はお忍びで市井の視察を行う彼女の護衛をする任務を任されることに。その日は,3魔女を観光に連れて行く約束をしていたのだが……。

と言う訳で,今回は舞台をカイゼルに移してのお話。王女様の護衛任務をするアルト,と言う事で,どことなく某映画を思い出すわけですが。前回良い感じになったアルトとエーマですが,その間に入る第3者の登場,という感じのお話になるのかなぁ,と思ったのですが,思いも寄らない方向に話が転がっていきました。

今回特筆すべきは,フォリーナ姫登場!これにつきるでしょう。この姫様,上品に見えて,なかなか一筋縄ではいかない人物のようで。何より,「アルト大好き!」と言うところが注目でしょう。元々クローブのファンであった彼女が,クローブ選手として活躍する彼を見て,ファンであった,という感じでしょうが。ただ,彼に対する態度,とか思い,というのはどうもただのファン,とだけにとどまらないようで。その彼女の様子を見て,自分でも気づかずに嫉妬心を燃やすエーマがまた良かったです。態度とか行動とか見ていたら,完全にアルトが好きなんですけどねw

今回,偶然の出会いを経て,知り合い,恋のライバルとなったエーマとフォリーナ姫。『SH@PPLE』では,存分にラブコメを楽しませて頂きましたし,今回もなかなか良い感じになりそうです。フォリーナ姫が涙をのむことになるのは既定路線,という感じだと思うのですが。ただ,フォリーナ姫が今回見せた成長と言い,意外性と言い,非常に魅力的なキャラになっていきそうです。何か,応援したくなるような感じになりそうだなぁ。そんな感じがしました。『SH@PPLE』の胡蝶の宮のように。

で,この巻ではエーマとフォリーナ姫が,アルトを巡ってライバル関係になる,と言う構図を作る巻だと思っていたのですが。この後,ちゃんと引きも作っているのが巧みだと感じました。しかも,最高に気になる引きを。一体,彼女は何を企んでいるのか。非常に気になるところです。なるほど,彼女が動くとなれば,騎士候補生のアルトが動かなくてはならなくなりますし。魔女術を研究しているので,エーマたち3魔女も絡んで来ますし。もしも,それがカイゼルの危機,となれば姫様も物語に絡んで来ますし。なるほど,納得の展開だと感じました。

一体,今後何が起こっていくのか。そして,アルトを巡る恋の駆け引きはどうなるのか,非常に気になるところです。フレイ・ザ・レインボゥの行方や,内に大魔女・リリカ級の異能の力を秘めたモニカ,など今後伏線になりそうな部分もありますし,今後がますます楽しみです。

 

最後に,今年一年お世話になりました。今年は,私事のために長いお休み期間もありました。しかし,皆様のおかげで,たくさんのアクセスを頂き,非常に励みになりました。本当にありがとうございました<(_ _)>

来年は,ライトノベル感想,時々figma劇場ブログとしてさらに精進していこうと思います。

2011年も,よろしくお願いします<(_ _)>

とりあえず,明日はおやすみして,今年こそは,の企画を仕上げたいと思います。何とか,それを新年壱発目の記事にしたいのですが,どうなるかw

期待せずにお待ちくださいw


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『“文学少女”と恋する挿話集 4』/野村美月 [エンターブレイン]

最後の短編集。最後にふさわしい,ステキな短編ばかりでした。

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

“文学少女”と恋する挿話集4 (ファミ通文庫)

  • 作者: 野村 美月
  • イラスト:竹岡美穂
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/12/25
  • メディア: 文庫

菜乃と心葉の部室での一コマを描いた「“文学少女”見習いの発見。」。部室にいつの間にか置かれた薔薇の模様の指輪の謎を遠子先輩と心葉くんが探る「“文学少女”と騒がしい恋人たち」。心葉の妹,舞花のほのかな初恋の物語,「不機嫌な私と檸檬の君」。美羽,ななせのその後の物語。笹倉麻貴の娘,笹倉蛍の父に対する思いの物語。そして,遠子先輩のその後の物語。“文学少女”シリーズを彩ったキャラたちの素敵な挿話集(エピソード)。

 

と言う訳で,本編終了後続いてきたこの挿話集もいよいよ最終巻。“文学少女”シリーズも,次の『半熟作家と“文学少女"な編集者』で完結,と言う事で,本編終了後も続いてきたシリーズもいよいよ完結が見えてきました。私は,4冊目の『“文学少女"と穢名の天使』あたりから追いかけていますが,感慨無量です。あぁ,遂にこのシリーズも終わってしまうのか,と思うと,改めて寂しいです。

さて,本作ですが,ななせ,美羽,“文学少女"見習いシリーズの菜乃,舞花と,シリーズに登場してきたキャラたちの,それぞれのエピソードが描かれています。そして,当然透子先輩との物語や透子先輩のその後の思いを綴られた短編もありました。

意外だったのが,姫倉蛍。一瞬,誰?と言う感じだったのですが。麻貴と黒咲保(『“文学少女"と飢え渇く幽霊』に登場)の間に生まれた子どもだったのですね。このラインナップの中では意外なチョイスだなぁ,と思いました。麻貴を持ってきても良かった気もしますが。ただ,蛍の不器用さが伝わってきて,なかなか面白かったです。

どの短編も面白かったですが,注目はどうしても,美羽,ななせのその後の物語に集まりますよね。美羽は,一詩との一コマを描いた物語。ななせは,本編最終回,心葉に見送られた後,パリで天使との再開を果たそうとするお話でした。美羽は相変わらずな感じでしたが,一詩を意識しておしゃれをしたり,怒ったり,嫉妬したりするのが面白かったです。そして,一詩は一詩で,彼の不器用さが現れていて,またそれが愉快で。この2人,うまくいきそうだなぁ,と感じさせてくれる物語でした。

ななせのその後は,舞台がパリと言うことでした。本編では,典型的なツンデレ,といった感じの彼女でしたが,少しずつ変わっていたんだなぁ,という感じでした。最後に,夕歌に対する言葉が,彼女の今までの思いが全て詰まっていて,胸に来ました。彼女の思い,天使に届けばいいなぁ,と心から思いました。

そして,忘れてはいけないのが,遠子先輩の物語。遠子先輩が心葉くんを異性として意識し始める物語だったり,遠く離れた大学で,心葉くんを思う物語だったり。いつもの遠子先輩は楽しくておちゃめで。心葉くんに対する思いが切なくて優しくて。改めて,このシリーズは,遠子先輩がいてこその物語なのだなぁ,と感じました。特に,ラストの「“文学少女"の今日のおやつ 特別編 ~『百年後』~」は,遠子先輩の思いと,タゴールの『百年後』と相まって,何とも圧巻な物語でした。これが最後でも良くないかな?とすら感じましたよ。遠子先輩の

「しています,ずっと」(P.372)

が,胸に優しく染み渡りました。時折見るフレーズなんですが,でも強い言葉だなぁ,と思いました。

各物語,非常に短いながら,ファンならば読み応え十分の物語ばかり。珠玉の短編集でした。


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『空色パンデミック 3』/本田誠 [エンターブレイン]

教会物語を見せるために,あれこれと手を打ってくる作者の手腕が素晴らしかったです。

空色パンデミック3 (ファミ通文庫)

空色パンデミック3 (ファミ通文庫)

  • 作者: 本田 誠
  • イラスト:庭
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/08/30
  • メディア: 文庫

 

世間はクリスマス目前。結衣さんのクリスマスプレゼントを青井と一緒に購入しに行く約束をした景。その前に立ち寄った研究所で,10歳くらいの少女を激怒させる。実はその人が空想病の米国研究所長で。
そんな事を知るよしもない景は,クリスマスプレゼントを買い,着々と準備を進める。そんな景に,結衣が届けた一冊のライトノベル。タイトルは『空色パンデミック』。作者は「本田誠」。そこから始まる景の違和感。今まで,「仲西景」だと思っていた自分は,実は自己完結型空想病患者が,『空色パンデミック』という作品を読んだことで生み出した空想?

 

久しぶりに続きを読んでみました。今回は,自分の作品を,作品中に出す,と言う作戦に出ましたか。よく分かりませんが,メタを取り入れた,という感じで良いのかな?これがまた,うまいこと作用していて作者の力量にただただ脱帽するしかありませんでした。

新人の作品ながら,新人離れしたところを見せてくれるこの作品。ただ,一つだけ気になるところがあります。それは,結衣さんの空想がすべて,「教会物語(エレクシア・サーガ)に繋がっている」という点。毎回,同じ展開になってしまう恐れがあるこの設定をどうしていくか。いっそ,景と結衣の物語を完結させて,新しい空想病の物語を紡ぎ出した方が良いのではないか,と言う気がするのですが。ところが,私の素人考えを打ち砕くように,趣向を凝らして展開していく物語が素晴らしいです。

今回は,作中に『空色パンデミック』を持ち出すことで,さらに何が空想で何が現実か,と言う壁をさらに曖昧にしていたように感じます。読んでいた私としては,お恥ずかしながら,もう何が何だか,という感じでした(^^ゞ 結局,最後はいつものパターンで落ち着くのですが。それまでの展開。エピローグを読んでいて,「そんな物語だったとしても,不思議ではないな」という感じがしました。もう,「実はこの『空色パンデミック』という作品は,地球という空想病患者が見ている夢で,実は景も結衣も存在していません」と言われても驚かない気がします。

空想に巻き込まれて,何が現実で何が空想か,曖昧になっていく景。もしかして,結衣さんは空想の産物で,実際に存在しない存在なのかも知れない,と言う展開にまで至り。それでも結衣さんのために世界を敵に回そう,と言う景。これこそ,究極の純愛だなぁ,と感じさせてくれませんでした。そう考えるとこの作品,最高のラブストーリーなのかなぁ,と言う感じがしました。とはいえ,結衣さんは存在し,景は毎回結衣さんの空想に巻き込まれているだけなのですが。毎回痛い思いをしながら,それでも近くに居続ける二人がステキだと感じました。

240ページの二人の言葉。そして,241ページの挿絵。この二つが最高に幸せで,やさしくて。心がじわっと温かくなるようでした。もう,最高ににやにやできる,と言うか。

さて,気になるところはこの後の展開。最後に「空色パンデミック セカイ系編 了」となっていましたが。次は一体どんな展開を見せてくれるのか。新しいキャラによる新しい物語が紡がれるのか,それとも既存のキャラクターの新しい物語になるのか,非常に楽しみです。


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『百億の魔女語り 1 オトコが魔女になれるわけないでしょ。』/竹岡葉月 [エンターブレイン]

久しぶりにライトノベルの感想です。読んでいたのですが,忙しかったり,すぐ眠くなったりでようやくですw

百億の魔女語り1 オトコが魔女になれるわけないでしょ。 (ファミ通文庫)

百億の魔女語り1 オトコが魔女になれるわけないでしょ。 (ファミ通文庫)

  • 作者: 竹岡 葉月
  • イラスト:中村みゆき
    出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/09/30
  • メディア: 文庫

クローブの名門校で全国制覇2回,MVPを獲得したアルト・グスタフ。しかし,カイゼル魔術学園(アカデミカ)の卒業証書を手に入れるため,実地研修へ赴くことに。そして,落第寸前の彼が選んだのは,競争率の高い甲種魔術ではなく,乙種魔術。さらにその中でもマイナーな魔女術(ウィッチクラフト)だった。
そんな彼を受け入れたのは,3人の美少女魔女見習いだった。そして,彼が卒業認定の単位を得るために課された課題とは。果たして,アルトはどうなるのか?無事に卒業できるのか?

 

読むのに時間がかかったために,最初の内容がうろ覚えだというw

竹岡葉月さんの作品では,富士見ファンタジア文庫で刊行された『SH@PPLE』が大変好きでした。ところが,『SH@PPLE』刊行中にファミ通文庫で出された『オトナリサンライク』はあんまり面白くなくて。と言う事で,当初,この作品を買うか悩んだりもしたのですが,まぁ買っちゃって。結果,不安は杞憂におわりました。

この作品で好印象だったのは,キャラの良さ,でした。へタレ系が多いラノベの主人公ですが,この作品のアルトは,ある意味へタレな部分はあるものの,男気あるところもあり,やるときはやるタイプであり,非常に気持ちの良い主人公だなぁ,と感じました。まぁ,普通のラノベの主人公よりも年が上の設定,と言う理由もあるかも知れませんが。

ヒロインの3魔女(あ,でも実の姉妹ではないですw)は,一転してテンプレート的なものはあるものの,非常に魅力的だなぁ,と言う印象でした。メインヒロインは,次女のエーマ。出会いが悪かったために,彼とは素直になることができずに。その時は,そこそこ,と言う印象でしたが,途中,謝罪をしてからは魅力が増して来たように感じました。ただ,この辺からあからさまにでれている場面があり,それはちょっと早いのではないか,と言う気がしましたけども。最後の場面とか,自分の気持ちに素直になれない感じとかがよかったです。

長女のファニーと三女のモニカもよかったですね。飄々としているようで,実は色々謎を見秘めていそうなファニー。そして,可愛らしい魔術を操る無口なモニカ。二人とも,出番がそこまで多い,と言う訳ではなかったですが,今後,出番が増えていくと,魅力が増しそうな感じがしました。

本編の方は,ある程度予想していたような展開だったかなぁ,という感じがしました。あの設定だったら,ああなるしかない,という感じでした。ただ,主人公がかっこよかったですし,なかなかよかったですね。敵役が何か不思議な感じだったのが印象的でした。何か,ふわふわしているというか。

で,最後の最後。そうだったのか!と言うか,やられた!という感じが待っていました。なるほどねぇ,と言ったところですが,この辺は興味ある方は本編を読んで確かめていただきたいなぁ,と。

さて,無事卒業することができたアルト。首都カイゼルに帰ってきたために,3姉妹と離ればなれになってしまいました。ただ,当然この3姉妹とアルトとの物語はまだまだ続いていくわけで,一体どうやってこのメンバーが集うことになるのか。非常に気になるところです。また,最後の場面では,意味が分からないものの,今後の展開に影響を与えそうな言葉が飛び交っていました。「百年ぶりの火刑」とはなぜか?非常に気になるところです。

設定もよく練られていましたし,非常に楽しむことができました。面白かったです。これは,続きがまた楽しみな作品が一つ増えました。増えてしまった,と言うかwファミ通文庫,乗ってますね。


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『ココロコネクト ヒトランダム』/庵田定夏 [エンターブレイン]

本日2回目の更新です。今回読んだのはこれ。

 

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

  • 作者: 庵田 定夏
    イラスト:白身魚
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/01/30
  • メディア: 文庫

 

 

今年のファミ通新人組が凄い,って事で,当初はスルーしていたのですが,今回読了。しかし,人気なのかなかなか手に入れることができずにw結局1巻のこれはアニメイト(3冊あって初版,4刷,5刷があったw)で,2巻の『ココロコネクト 傷ランダム』を紀伊國屋で購入しました。3巻はbk1で買ったので安心w

文化研究部,略して文研部に所属する高校1年生の八重樫太一,永瀬伊織,稲葉姫子,桐山唯,青木義文。彼らは,ある日不思議な現象に巻き込まれる。それは,人格の入れ替わり。はじめは青木義文と桐山唯の人格入れ替わりから始まったその現象は,やがて部員全員を巻き込んでいく。
そこに現れた「ふうせんかずら」を名乗る謎の存在。彼は「入れ替わりを観察して,面白かったなぁ,となればこの現象は終わり」とのこと。
5人は結局それを受け入れるしかなく。はじめは不便を感じる程度だった入れ替わりだったが,やがて彼らの心をえぐっていくことに。

 

文庫本の紹介だと,「五角形(ペンタゴン)コメディ」となっていますね。帯には,「五角形ラブコメ」とありますがw五角形ラブストーリというと,『七夕ペンタゴンは恋にむかない』を思い出すwそして,自分の該当記事のタイトルを見て,恥ずかしくて穴に埋まりたくなるw

閑話休題。「第11回えんため大賞特別賞受賞作」の本作。評判に違わず,なかなか面白かったです。ただ,やはり「優秀賞受賞」の『空色パンデミック』からは一つ落ちるかな?という感じでした。

まず驚いたのは,応募作に古典的で使い古された感があり,これがマンガで出ると「ネタ切れなんだなぁ」と言われる入れ替わりネタを持ってきたこと。と言う事で,序盤はあんまり面白みを感じなかったんですよね。ただ,5人でのランダムな入れ替わり。そのことで,だんだんと彼ら彼女らの心の中に秘められた秘密を描いたところがよかったと感じました。

個人的には,「ふうせんかずら」の登場で,この入れ替わりが謎の存在(人間の力では立ち向かえない存在)によって意図的に仕組まれたものである,と言うことが判明してから,おもしろくなってきたように思います。ここら辺から,キャラクターの心情が深く描かれるようになってきたなぁ,と感じたのが理由でしょうか。男性恐怖症,アイデンティティ,そして人間不信と他人と仲良くしたいという思いのアンビバレンツ。これもありきたりと言えばありきたりでしょうけども,高校生,と言う年齢を考えれば,重要な悩み事と思えるかも知れないですね。

入れ替わりによって,心に秘めたものを明かしていき,それの解決によって5人の仲間の関係を強くしてきたところで提示された,最後の選択。これがかなり引き込まれました。この究極の選択。自分だったらどうするだろう,と思うものの難しいですね。ただ,やはりあの選択になるのかなぁ?と。ただ,最後,もう少しみっともないあがきがあったら,もっと人間的だったかな?と思いました。『D4プリンセス』(原作)のなあすみたいに。って,これ書いたらどんな場面か分かっちゃうかw

一つだけ欠点をあげると,入れ替わりが始まった場面でいきなり「太一[青木]」みたいな表記が始まるのですが,これがどっちがどっちを表しているのかわかりにくくて。今読み返してみたら,分かるようにしてあったみたいですが,全然気づきませんでしたし。一応,これから読む人のために書いておくと,前が精神で,[]で囲まれた方が肉体を表します。まぁ,注意して読んでいけばすぐ分かるのですが,もう少しわかりやすくしてもよかったかな?と思います。はじめに説明を入れておく,溶かしておくと嬉しかったかもです。

と言う事で,はじめを乗り越えれば面白くなってくると思います。ただ,確かにこれがデビュー作とは思えないできでしたね。昔,北村薫さんとか加納朋子さんのデビュー作を読んで,面白い小説を書く人は,デビュー作から面白い,と感じたことがありましたが,そんな感じですね。ネタの定番化,が言われるようになったライトノベルですが,『空色パンデミック』と言い,この『ココロコネクト』と言い,ネタの組み合わせによって新しいものを作ることができる,と言うことを示してくれたのではないか,と思います。まだ『B.A.D.』は読んでいませんが,ファミ通文庫はいい新人に巡り会えたなぁ,と言う印象ですね。

そして,この作品は漫画化決定!!と言う事。このネタならマンガはむいているような気がします。問題は,精神が誰が入っているか,をどうやってわかりやすくするか,ですが。これはちょっと楽しみです。

さて,このシリーズは,現在3冊出ている模様。2冊目が『キズランダム』で,3冊目が『カコランダム』となっていますので,いったいどんな入れ替わりを見せてくれるのか,非常に楽しみです。


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『空色パンデミック 2』/本田誠 [エンターブレイン]

1巻があまりに見事だったので、そのままの勢いで2巻を読んでしまいました。

 

空色パンデミック2 (ファミ通文庫)

空色パンデミック2 (ファミ通文庫)

  • 作者: 本田 誠
    イラスト:庭
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/04/30
  • メディア: 文庫

 

 

結衣の劇場型発作の日が終わったあの日から、景はあることを悩んでいた。それは、結衣に対する自分の好意は、実は彼女の空想によって生み出されたものではないか、と言う事。
そんなある日、教室で、駐輪場の掃除当番で知り合った今井さんから声をかけられる。「あなたに話がある。私の名はブーケ・ザ・ボマー」と。
彼女によって、世界が変化しようとしていることに気づいた景は、世界を守るために、再び「ピエロ・ザ・リッパー」として、世界に戦いを挑む。

1巻が、応募作、と言う事で非常にキレイに終わっていたので、どうつなげるのか、と思ったら、こう来ましたかw簡単に言うと、前回の結衣の空想病は完結してなかった、と言う事。しかし、周りの人はもう空想病は完結したものとして認識していて、結衣の劇場型空想が続いていることに気づいていない。それに気づいたものは、結衣から教会側と大罪側として役割を与えられたもののみ、と。世界の変革をもくろむ教会側に対して、今の世界を守ろうとする大罪側。しかし、戦力差は圧倒的。と、かなり燃える展開でした。

まぁ、大きな流れは同じ、なのですが、色々工夫されていてなかなか楽しめました。特に、青井が可愛かったのがよかったですw女性でありながら、空想のパラドックスに巻き込まれた影響で自分を男性と認識している青井ですが、これ、自分が女性って分かっているんじゃないか、と思うほどのアピールぶりで。特に、メイド服の挿絵にはやられましたwだんだん、青井の中での景の存在の大きさが増しているようで、今後、物語に大きな影響を与えそうな感じがします。ただ、その分結衣の活躍が少なかったのが残念かな。

今の世界を守りたい、という思いを持った大罪側。圧倒的不利な状況、と言う事で思わず応援したくなるような設定なのがよかったですね。やはり、主人公側は逆境にないとwという感じでした。ちなみに、敵側には「ジャスティス」「フリーダム」「ディスティニー」ってのがいましたwどこの種だよwと思わず突っ込んでしまいそうですw

教会と大罪の戦いですが、最後は、思いも寄らない展開になりました。これはよかったです。なるほど、彼のでたらめな強さはそのためだったのか、と思わず納得してしまいました。

オチは、またこのパターンか、と思ってしまいました。しかし、それが明かされる段階になって、私もすっかり騙されていたなぁ、と気づかされて。その点では、この作者は物語の中での空想病を、読んでいる側にもかけてしまったんだなぁ、と。ある意味、作者の文章が劇場型の空想病ですよwいや、見事です。そして、実際私が景の立場になったら、死にたくなるに違いないw

この巻の終わりで、結衣の空想病の力が弱くなっている、と言う事で、この辺は同じ展開を繰り返さないための振りかなぁ、という感じがしました。毎回毎回「劇場型の発作でした」とできないでしょうし、これは正解だと思いました。ラブストーリーとしての三角関係も作ることができたので、3巻からは、結衣の自己完結型空想をからめながら、物語を描いていく、と言う形になるのかな?

いや、本当に見事でした。素直に面白い、と思います。受賞作の続きをシリーズ化すると、2巻では模索のために手探りな感じになってしまい、イマイチになることがあったりしますが、そんな感じを全く感じさせませんでした。そういえば、1巻よりもかなりライトノベルな感じになっていましたしwまぁ、これは最初から最後まで「教会」対「大罪」というスタンスを貫いたためだと思われますが。

この作者、かなり力量がありそうです。今後がますます楽しみだなぁ。


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『空色パンデミック 1』・本田誠 [エンターブレイン]

評判も良かったので、読んでみた本作。面白かったです。表紙から内容がイメージできませんでしたがw

 

空色パンデミック1 (ファミ通文庫)

空色パンデミック1 (ファミ通文庫)

  • 作者: 本田誠
  • イラスト:庭
    出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/01/30
  • メディア: 文庫

 

 

 

高校受験の日、主人公・仲西景は、「空想病」の患者である・穂高結衣と出会う。自分の空想の世界を現実のものとして感じ取り、演じてしまう「空想病」の発作を発症させた結衣は、景を自分の空想の中の登場人物の1人として認識していた。
幸い、その発作を終わらせることができたものの、それから景は結衣につきまとわれることになる。初めは、迷惑な気持ちもあった景だが、だんだん気持ちも変わってきて。そんなある日、彼に選択を迫る事件が起こる。
「世界を守るか、君を守るか」
普通の高校生であった景はどんな選択をするのか。

 

と、あらすじを見たら凄い感じですねw

第11回えんため大賞優秀賞受賞作。これを含め、今年のファミ通文庫のデビュー組はかなり評判が良いようですが、これを読んで納得しました。あ、そういえば、今年の電撃大賞受賞組の作品、一つも読んでないorz

テーマは、Boy meets Girl、というか、純愛?個人的な感想としては、内容としては、どちらかというと一般向けにもなりそうな感じがしました。ただ、そこに加わっているエッセンスがライトノベル的である、という感じですね。『神さまのいない日曜日』とか『菜々子さんの戯曲』とか『サクラダリセット』とか、最近この傾向の作品が増えているような感じですね。どんな作品も読むけど、ライトノベルが好き、と言う人が増えたのかな?という感じがします。まぁ、有川浩の「大人のライトノベル」と言えばいいのかな?今後も増えるのかな?という感じです。

派手なシーンとかがあるわけではありませんでした。しかし、主人公とヒロイン、そしてその周りの人々が積み重ねる日常が愛おしいというか、だんだんと心にしみていくようでした。そして、その日常のシーンで読ませることができる、と言うのが何より素晴らしいと感じました。何か惹き付けられるんですよねw

そして、最後の展開ですが。私はもう完全にやられましたねwこれは是非読んで欲しいです!騙された!と言う思いはありますが、いやな感じはしませんでした。

デビュー作でこのでき、と言うのが素晴らしいですね。最近デビューされる方、確実に力が上がっているような気がします。この2人の幸せな「空想」、もっと読んでみたいという気にさせられました。9月21日現在、3巻まで出ていますが、この展開は非常に納得ですね。

少年と少女の素敵な恋物語。この作品、これからもずっとずっと愛していきたい、と思いました。それに、たぶんこれは心に残っていく物語だと感じました。今更ですが、読んでない方には是非是非おすすめしたいです。


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